ボール支配率で圧倒しながら、結果はまさかの完敗。3連勝を目指して敵地に乗り込んだジェフは、大分トリニータに4つのゴールを奪われて敗れた。
スタメンは3-4-2-1の布陣。GKはロドリゲス。最終ラインは鳥海晃司、近藤直也、エベルトの3人。ダブルボランチに熊谷アンドリューと佐藤勇人が入り、右サイドに溝渕雄志、左サイドに杉山弾斗が入った。2列目は町田也真人と茶島雄介の2人。最前線にラリベイが位置する。
指揮官が振り返ったとおり、「0-1までは悪くなかった」。
チーム全体が引いて構える大分に対し、ジェフはボールをキープし、最終ラインと中盤でゆっくりとパスを回しながら好機をうかがった。8分には右サイドを突破した溝渕がクロス。9分には持ち味のハイプレスでボールを奪い、茶島がミドルシュートを放つ。さらには相手のミスを誘い、飛び出したGKの隙を突いて熊谷が無人のゴールにシュートを放ったが、いずれもゴールにはつながらなかった。
結果的には、この時間帯にゴールを奪えなかったことが「決定力の差」として表れる。
落ち着いた試合運びでゴールを狙い続けた19分、GKロドリゲスがバックパスの処理を誤り、大分のFW林容平にボールを奪われて失点。それでも試合の流れは変わらず、ジェフは圧倒的なボール支配率を維持しながらパスを回し続けたが、大分の“構える守備”を突破することができずシュートに持ち込むことができなかった。
前半は0-1のまま終了。フアン エスナイデル監督は停滞した攻撃を活性化すべく、早めの交代策に出た。佐藤勇人に代えて矢田 旭、杉山に代えて為田大貴を後半開始と同時にピッチに送り込み、フォーメーションを4-3-3に変更した。
後半の入り方も悪くなかった。46分には熊谷がミドルシュート。51分には町田とのワンツーで右サイドを突破した溝渕がクロスを上げる。さらに58分、ラリベイのスルーパスで相手最終ラインの背後に抜けた町田が、飛び出したGKをかわして無人のゴールにシュート。しかしこれがクロスバーに嫌われ、ジェフは絶好のチャンスを逃した。
61分と62分には劣勢だった大分が2人の選手交代でゲームを動かした。
64分には素早いリスタートからジェフの右サイドを攻略され、グラウンダーのクロスをMF星 雄次に決められて失点。直後の67分には同じく星の突破から再び右サイドを破られ、途中出場のMF清本拓己にゴールを奪われる。
74分、ジェフはMF茶島に代えてFW指宿洋史を投入するが、流れを引き戻すことはできなかった。89分には途中出場のMF川西翔太にゴールを奪われ、4失点目。試合はそのままタイムアップを迎えた。
指揮官が振り返る。
「町田のシュートは残念でしたし、あれが入っていれば変わっていたかもしれません。いずれにせよ、相手のほうが(決定機での)精度が高かった。そういう意味では、結果は公平なものだと思う」
74分までピッチに立った茶島が言う。
「後半は、気持ちの焦りからひとつひとつのプレーが少し雑になってしまったかもしれません。正確性を欠いたプレーが増えたことで、ボールを失ってカウンターを受けるシーンが多くなってしまいました。前半のような展開は、これから先の試合もあると思います。あの時間帯にゴールを奪えるように、意識してトレーニングに取り組む必要があると思います」
3連勝を逃したことで、黒星先行の苦しい序盤は続く。次節もアウェイだが、昨シーズンからの進化を示すためにも、悪い流れをしっかりと断ち切りたい。