3連勝を目指して臨んだアウェイの大分トリニータ戦は、0-4の完敗に終わった。
立ち上がりからペースを握り、ボール支配率で圧倒的に上回ったジェフは相手を押し込んだ。構えて守る相手に対してじっくりとパスを回し、得意のハイプレスでボールを奪ってシュートに結びつけるチャンスも作った。しかし、1本のミスによって相手に先制点を奪われると、守りを固め、カウンターを狙う相手に主導権を握られる。
ジェフは早めの交代策で勝負に出たが、時間の経過とともに焦りは深まり、逆に失点を繰り返して完敗。「決定力の差」と振り返ったフアン エスナイデル監督の言葉の意味は、これが昨シーズンから続く大きな課題であることを考えれば重い。
溝渕雄志が振り返る。
「相手が引いていたのでボールを持って動かして焦れずにプレーをしようと思いました。動きの変化や、持ち出す変化をつけられたら良かったと感じます。僕らの守備が疎かでした。先制点、そして追加点を与えてはいけなかった。どれも防げる失点で、ゴール前での粘り強さが足りなかったと思います」
なんとしても結果を出したいアウェイの連戦、次なる相手はツエーゲン金沢だ。
2勝3分2敗の金沢は、勝点9で11位。3試合連続ドローで迎えた前節は横浜FCを相手に4つのゴールを奪い、4戦負けなしと着実に勝点を積み重ねている。柳下正明監督が指揮を執って2年目となる今シーズンは、鹿島アントラーズからMF梅鉢貴秀、セレッソ大阪からMF清原翔平、タイのスコータイFCからFWマラニョンらを獲得。旋風を巻き起こした2015シーズンのメンバーの大部分は入れ替わったが、即戦力の補強で各ポジションにタレントを揃えている。中でも、かつて中軸として活躍した清原の存在感は際立っている。
前節の横浜FC戦は前半終了間際と後半開始早々にセットプレーから2つのゴールを奪い、FW垣田裕暉の2試合連続ゴールで追加点。さらに、注目の大卒ルーキー・毛利駿也のプロ初ゴールで開幕戦以来となる白星を引き寄せた。勢いはある。
フアン エスナイデル監督が言う。
「金沢にとって、(4戦無敗を続けている)影響がないわけではないでしょう。このスポーツでいうと、自信が大部分を占めているといっても過言ではありません。そういう意味で今の彼らのモチベーションは、試合に向けて素晴らしい状態にあると思います」
ホーム2連勝後に喫したまさかの大敗のショックを、どのように消化し、自信を持ってこの一戦に臨むか。アウェイの戦いだからこそ、メンタルコントロールが大きなポイントとなりそうだ。町田也真人が言う。
「今はきっかけが一番大事だし、この前(讃岐戦、京都戦の連勝後)も、勝つとチームの雰囲気がやっぱり全然違いました。求めるサッカーの理想は高いですが、その理想に到達するために、まず一つがむしゃらにプレーして勝てるように、気持ちで負けないように、次の金沢戦も臨みたいと思います」
ラリベイも“自信”を強調した。
「J2リーグではどこのチームでも勝つチャンスがあります。ただこの順位は、自分たちが本来いるべき順位ではありません。絶対に上がる自信をもって戦っています。自分のゴールで勝利に結び付けたい」
課題は明確だ。敵地でこれをクリアし、勝点3を持ち帰りたい。
フアン エスナイデル監督
(金沢は)シーズン初めからここまで、昨シーズンより良いと思います。前節(横浜FC戦)に関して言うと、アグレッシブに来ていて、前に速い選手がいますし、先制点を取っているという状況もありました。先制点を取れば、いろんなことがうまくいきやすいですよね。昨シーズンより危険なチームだと思っています。
彼らにとって、(4戦無敗を続けている)影響がないわけではないでしょう。このスポーツでいうと、自信が大部分を占めているといっても過言ではありません。そういう意味で今の彼らのモチベーションは、試合に向けて素晴らしい状態にあると思います。
今の我々は、彼らと同じような心の状態ではありません。そういう意味でも彼らと同じ状況にするように、彼らとの差を埋めるようにして、試合に入らないといけません。そこはサッカーの話以前の問題です。
鳥海 晃司
(大分戦を振り返ると)勝っている状況や同点の状況であれば別ですが、自分たちが負けていたのでボールを“回させられた”試合でした。先制点が大事で、その後も連続失点をしないこと。1点差ならば追い付けたのでもったいなかったと感じます。相手に引かれた中でも点を取られなければ勝点は取れますが、先制を許して(相手に)引かれて(自分たちが)前がかりとなり相手のロングボールが増えると、一人ひとりの守るスペースも増えて、負のサイクルになってしまいます。だからこそ、先制点を取ることが大事になります。
(金沢戦に向けて)個人としては大分戦で課題が明確になり、何をすればうまくいくかがトレーニングの中で分かりました。高いポジションを取り攻撃にアクセントを加えたいと思います。勝ちに行くだけです。
ゲリア
(大分戦をベンチで見ていて)引かれた相手に対して戦うのは、簡単なことではありませんね。裏に走ってランニングしたりして、相手のブロックをこじ開けるような動きも必要。辛抱強さを持って戦うことが必要だと思いました。
(金沢戦に向けて)自分としてはしっかり準備をしていきたいです。スタメンであろうがなかろうが、自分のやるべきことは変わりません。自分の最高の力を見せる、ただそれだけです。(出場したら)攻撃の面ではクロスを上げたり、アシストやゴールに絡めるようなプレーをしたいですし、自分はディフェンダーなので、失点をしないことが一番大事です。守備は自分の一番得意な部分でもあるので、チームが失点しないように守備の部分でも貢献したいと思います。(金沢戦は)勝利が何より大事ですが、自分としては攻撃でも守備でも、貢献できる部分にすべて関わりたいという気持ちです。
溝渕 雄志
(大分戦を振り返ると)相手が引いていたのでボールを持って動かして焦れずにプレーをしようと思いました。動きの変化や、持ち出す変化をつけられたら良かったと感じます。僕らの守備が疎かでした。先制点、そして追加点を与えてはいけなかった。どれも防げる失点で、ゴール前での粘り強さが足りなかったと思います。
(金沢戦に向けては)守備でも攻撃でもボールを持っているときは判断を含めて自信をもってやれています。そういうシーンを増やしていきつつ、前回の課題をつぶして積極的にプレーできれば負けません。アウェイですが気持ちを切り替えて、良い形でホームに戻って来られるように粘り強く戦いたいです。相手を上回る質と運動量を見せないといけません。やりがいがあります。チャレンジです。
熊谷アンドリュー
(大分戦は)先制点を取られた後に少しバランスを崩してしまい、相手の思うツボになってしまった印象はあります。失点をするとどうしても前がかりになり、裏に蹴られるシーンがあります。裏は自分たちの弱みでもあるので、そこをどうケアしていくかが自分たちの課題です。(金沢戦に向けては)相手に引かれた場面で「どう崩して行くか」を選手間で意思統一していきたいです。(古巣となる)金沢にはいろいろとお世話になった人や面倒を見てくれた人もいるので、そういう人たちに自分がレベルアップをした姿と、成長した部分を見せたいと思います。先制点を取って、安定した試合運びをしたいです。
町田 也真人
(大分戦は)なかなかボールを中に入れられなかったし、後ろでつないでいるだけでそこからどうしようかなというのはありました。監督も試合後、「誰かがポジションを崩してでもそういう動きが必要だ」とも話していたので、そういう部分を前線の選手が特にやらないといけないのかなと思います。(クロスバーに当てたシュートシーンは)抜いた後に意外と時間がなくて、自分的には蹴る瞬間は落ち着いて蹴れていたんですけど、入らなかったです…。今はきっかけが一番大事だし、この前(讃岐戦、京都戦の連勝後)も、勝つとチームの雰囲気がやっぱり全然違いました。求めるサッカーの理想は高いですが、その理想に到達するために、まず一つがむしゃらにプレーして勝てるように、気持ちで負けないように、次の金沢戦も臨みたいと思います。
ラリベイ
(大分戦を振り返ると)良い前半を送れていて、相手が守備をしている時間は長かったと思います。後半も辛抱強く進められましたが、大分が少ないチャンスをモノにしたことで勢いづいてしまった。逆に(ジェフは)チャンスを作れず、相手に主導権を握られてしまいました。ポゼッションはできていたので、それをゴールにつなげる効果的な攻めが必要になると思っています。
前節、金沢は(横浜FCに4-0で)勝っていますし、調子は良いと思います。J2リーグではどこのチームでも勝つチャンスがあります。ただこの順位は、自分たちが本来いるべき順位ではありません。絶対に上がる自信をもって戦っています。自分のゴールで勝利に結び付けたいと思います。
[前節の結果/金沢]
横浜FC 0-4 金沢
[前節の布陣/金沢]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/金沢]
03/11 金沢 0-1 福岡
03/17 大宮 1-1 金沢
03/21 山口 2-2 金沢
03/25 金沢 1-1 町田
04/01 横浜FC 0-4 金沢
[過去の対戦成績]
15/05/17 千葉 1-1 金沢
15/07/08 金沢 0-0 千葉
16/04/09 千葉 1-0 金沢
16/11/06 金沢 1-2 千葉
17/05/07 金沢 2-1 千葉
17/07/22 千葉 2-0 金沢