敵地で迎えた第8節ツエーゲン金沢戦は、1-3の完敗。目まぐるしく天候が変わる難しい条件下だったとはいえ、悔やまれる敗戦となった
ジェフのスタメンは4-2-3-1の布陣。GKは今シーズン初スタメンとなる佐藤優也。最終ラインは右から山本真希、鳥海晃司、近藤直也、溝渕雄志の4人。ダブルボランチに熊谷アンドリューと茶島雄介が入り、2列目は右に町田也真人、左に為田大貴、トップ下に船山貴之が並ぶ。1トップにラリベイが入った。
立ち上がりからジェフが主導権を握る展開となったが、決定機を作ったのは金沢だった。
13分、最終ラインでのパス回しを奪われ、左サイドからクロスを上げられてMF梅鉢貴秀にヘディングシュートを打たれる。さらに25分にはFWマラニョンに右サイドからクロスを入れられ、ニアサイドに飛び込んだFW垣田裕暉がヘディングシュート。ジェフは金沢の前線からのプレスと組織的な守備に手を焼き、ミスを誘発されてピンチを招いた。
ようやくリズムをつかみ始めたのは30分を過ぎてから。ラリベイとのワンツーパスで中央を突破した茶島がスルーパス。これに反応した船山がシュートを放つ。直後の32分にはリスタートから山本真希がサイドチェンジ。左サイドを突破した為田がクロスを入れると、ラリベイが飛び込んであと一歩のチャンスを作った。
さらに、39分には立ち上がりからキレのいい動きを見せていた船山を軸に攻勢を強める。直接フリーキックは壁に当たったが、立て続けにCKを奪い、アディショナルタイムには近藤がボレーシュート。ゴール上に外れたものの、勢いのある攻撃を見せた。
前半はスコアレスのままタイムアップ。しかし、後半開始と同時に試合の展開は大きく動いた。
まずはキックオフ直後の46分。ジェフはラリベイのポストプレーから船山が右サイドに展開し、走り込んだ町田がダイレクトでクロス。飛び込んだ船山が鮮やかにゴールに流し込み、ジェフが待望の先制点を奪った。
ところが57分、佐藤優也がゴールキックを鳥海につなぐと、金沢のFW垣田にプレッシャーをかけられ、鳥海のパスは垣田の足に当たってそのままゴールへと吸い込まれる。直後の58分には再びミスから失点。最終ラインでパスを受けた溝渕が足を滑らせてボールを奪われると、金沢のMF清原翔平の独走を許し、溝渕の必死のタックルは清原の足に当たってまたしてもゴールに吸い込まれた。
あっという間の逆転を許したフアン エスナイデル監督は、63分に為田に代えてMF矢田旭、63分に山本に代えてDFゲリアを投入。フォーメーションを4-3-3に変更して反撃を狙った。
しかし、金沢の運動量豊富で組織的な守備を崩すことができず、78分には金沢のFWマラニョンに最終ラインの裏を突かれて3失点目。相手に傾いた流れを最後まで引き戻すことができず、1-3のままタイムアップを迎えた
フアン エスナイデル監督は「メンタル」に言及した。
「いま、我々に起きていることは“普通”ではありません。確かに良い状況ではありませんが、だからこそ気持ちを強く持たなければなりません」
厳しい状況に変わりはない。しかしこの苦境を脱却するチャンスは、必ずやってくる。それを自らの力で手繰り寄せるしかない。