フアン エスナイデル監督は、昨シーズンの戦いで浮き彫りになった課題が少しずつ解消されていく手応えを感じている。
「今のチーム状態には満足しています。(就任して)今までの1年半の中で、もしかしたら一番安定感を出せているかもしれない」
リーグ戦における5月以降の戦績は、3勝2分1敗。第14節のアルビレックス新潟戦を落としたものの、白星を挙げた3試合はもちろん、ドローに終わった横浜FC、レノファ山口FCとの試合でもあと一歩のところで勝利を逃したとはいえ内容的には安定感が高まっている。リーグ後半戦の追い上げを視野に入れるならば、“勝ったり負けたり”ではなく着実に勝点を積み上げていく安定感が必要だ。昨シーズンの戦いで痛感した課題が解消されつつあるなら、ポジティブな状態にあると言える。
今節の対戦相手はモンテディオ山形。まだ完全に克服したとは言い切れないアウェイでの一戦だが、現状の手応えを確信に変えるためになんとしても勝点3を持ち帰りたい。
もっとも、山形もここ数試合の戦いは安定している。
リーグ戦では2勝3分けと5戦無敗。天皇杯2回戦のFC岐阜戦もPK戦の末に勝利し、公式戦の無敗記録を「6」に伸ばした。チームの印象について、指揮官は次のように話している。
「もしかしたらシーズンの始めはあまり良くなかったのかもしれませんが、今はかなり良くなっているという印象です。やり方も明確になっていて、(自陣に)戻るときもしっかり戻っていますし、カウンターも早く上がって来ます。今までより危険なチームだという認識です」
昨シーズンまで山形でプレーした高木利弥も警戒心を強めた。
「山形は守備が安定していて堅いチーム。そこは自分がいた時から意識付けされています。攻撃では、シャドーやトップにボールが収まりますし、ボール扱いがうまい。そこを潰して仕掛けることができれば、いくらでもチャンスは作れると感じます。(阪野豊史選手、瀬沼優司選手、汰木康也選手など)個の能力が高い選手たちがいますが、自分たちは受け身にならずに攻撃的な守備ができれば、抑えられます」
その指摘のとおり、1トップ2シャドーへのボールの“収まり”をいかに回避するかがポイントとなりそうだ。
最前線に位置するFW阪野豊史は屈強なフィジカルを駆使したターゲットとしての役割を担い、ゴール前でも特別な存在感を誇る。同じく高さと巧さに定評のある瀬沼優司、テクニシャンの南秀仁、タイミングのいい動き出しを武器とする汰木康也、決定力のある小林成豪などタレントはそろっている。
最終ラインの一角として安定したプレーを披露している増嶋竜也が言う。
「相手にフリーで打たれるとか、後ろ向きでひたすら追いかけるとか、そういう(シーズンの)最初のころのような部分は、最近なくなってきてはいます。でもまだまだ失点は減らさなくてはいけないし、直さないといけない部分は多いと思います。でも直せる部分が多いので、まだまだ良くなる」
昨シーズンの山形との対戦成績は2分。試合終盤に失点を喫して2−2のドローに終わったアウェイゲームの悔しさを晴らす時が来た。あの試合で2得点を記録したラリベイが意気込む。
「終盤に失点をしてドローで終わってしまいましたが、あのスタジアム(NDスタ)には良い思い出があります。ゴールを取って、勝利に貢献したい」
上位を視界に捉えるためには、着実に勝点3を積み上げるより他ない。3戦無敗のアウェイ戦を“得意”に変えるためにも、ジェフにとって大きなチャンスだ。
フアン エスナイデル監督
(山形は)シーズン始めよりも良い状態に彼らはいると思います。もしかしたらシーズンの始めはあまり良くなかったのかもしれませんが、今はかなり良くなっているという印象です。そういう意味では今のほうが以前より危険なチームになっている。やり方も明確になっていて、(自陣に)戻るときもしっかり戻っていますし、カウンターも早く上がって来ます。今までより危険なチームだという認識です。
(リーグ前節の)山口戦で良くなかったのは結果だけで、かなりの時間帯で良い試合ができたと思っています。もう少しさかのぼると、新潟戦の後半以外は良かったと思います。そういう意味では、チームには良いレベルを保ってほしいと思っています。試合では何が起こるか分かりません。まずは勝つことが大切です。今のチーム状態には満足しています。(就任して)今までの1年半の中で、もしかしたら一番安定感を出せているかもしれないですね。
ロドリゲス
(リーグ戦3試合連続出場中だが)やはり出番が来たときに自分のベストを尽くすのは大事なことですし、試合を重ねれば重ねるほど、もちろん自分の状態も良くなると思います。(ここ2試合センターバックに入っている近藤選手と増嶋選手は)二人とも経験のある選手ですし、そこは我々にとって大事ですね。一緒にプレーをする時間が長ければ、よりお互いに理解もしていけます。(センターバックのメンバーが固まることは)一つのプラス要素にはなるかもしれません。ただ大事なことは、どの選手とやってもたくさんコミュニケーションを取って、ピッチで話し続けるということです。
シーズンのスタートがあまり良くなかっただけに、自信を取り戻す意味でも(アウェイでの)負けなしの状態が続くということは大事です。(山形戦も)勝利に対する執着心を全面に出して、なんとしても勝点3をもぎ取りたいです。
増嶋 竜也
相手にフリーで打たれるとか、後ろ向きでひたすら追いかけるとか、そういう(シーズンの)最初のころのような部分は、最近なくなってきてはいます。でもまだまだ失点は減らさなくてはいけないし、直さないといけない部分は多いと思います。でも直せる部分が多いので、まだまだ良くなるのかなと感じています。(ここ3試合アウェイ無敗だが)チーム全体的にも“アウェイだから”というのはなくなってきていると思うので、そういう部分では良い傾向にあります。自分たちのサッカーができればどんな相手でも良い戦いができるというのは、みんなやっていて感じてきていると思うし、それをもうちょっと突き詰めていけば(チームとして)完成していくのかなと思います。
(次の山形戦は)勝点が近い相手と戦うという意味では、大きな勝点3になると思います。でも自分たちの目指すところはもっと上なので、あまりそこは意識せずに(これまでと)同じサッカーをやっていきたいです。
高木 利弥
どの試合でも「やってやる」という気持ちはありますが、(古巣となる山形は)3年間お世話になったチームなので、自分の成長した姿を結果で示したいと思います。山形は守備が安定していて堅いチーム。そこは自分がいた時から意識付けされています。攻撃では、シャドーやトップにボールが収まりますし、ボール扱いがうまい。そこを潰して仕掛けることができれば、いくらでもチャンスは作れると感じます。(阪野豊史選手、瀬沼優司選手、汰木康也選手など)個の能力が高い選手たちがいますが、自分たちは受け身にならずに攻撃的な守備ができれば、抑えられます。
(対面が予想される加賀健一選手は)1対1が強く、足も速い。自分一人ではなく、コンビネーションで崩せればと思っています。個人的にも負けたくないのでガンガン行きたいです。(出場すればJリーグ通算100試合目となるが)一つの節目なので、記憶に残る試合にしたいです。
熊谷 アンドリュー
正直、天皇杯2回戦・青森戦に出場したかった思いが強いです。ただ(コンディションについては)休めた形になったので疲労も取れていますし、山形戦は全力で行ける手応えがあります。
(勝点1差の山形に対して)とにかく勝つしかありません。昨シーズンは(終了間際に失点して)悔しいドローで試合を終えました。相手のメンバーも替わっていると思いますが、どの試合も自分たちの試合をして勝ち切ることをエスナイデル監督も求めているので、自分たちのサッカーをどれだけ表現できるかがポイントになります。アウェイが苦手だなんて言っていられません。全試合で勝つしかない。勝ちに行くだけです。しっかりと山形を叩きたいと思います。
矢田 旭
(山形は)システムが3枚(3バック)で、両サイドを引かれるとサイドにスペースはなくなってしまいます。ここ最近(のジェフ)は、クサビのパスも増えてきています。山口戦の1点目は良い形で得点が取れました。あの場面もクサビが起点となっていました。どれだけクサビのパスを打てるかによって、相手を揺さぶれるかどうかになります。山形の守備が5枚気味になっても崩せるチャンスはあるので、トライしたいと思っています。
(リーグ3試合連続複数得点について)得点が取れてきていますし、得点が入る匂いもシーズン当初よりはしています。プレーしていて手応えもあるので、確信に変わるプレーをしたいと思います。(山形に対しては)昨シーズンのアウェイでアシストをしていて良いイメージがあるので、積極的にやっていきたいです。
ラリベイ
天皇杯2回戦の青森戦で途中出場しましたが、自分のコンディションは悪くありません。次の山形戦は、前半戦で勝点を積み上げるための大事な試合になります。その中で、敵地に乗り込んでの戦いは簡単なことではありませんが、十分に注意をしたいと思います。我々は良い準備が出来ています。
(2得点を決めた昨シーズンのアウェイゲームは)終盤に失点をしてドローで終わってしまいましたが、あのスタジアム(NDスタ)には良い思い出があります。ゴールを取って、勝利に貢献したいです。我々にはゴール前で違いを見せる選手がそろっていますし、フィニッシュのうまい選手もそろっています。どの形からでもゴールを決めることができます。個人としても、ボールがたくさん集まるような動き出しをしたいと思います。
[前節の結果/山形]
岡山 2-2 山形
[前節の布陣/山形]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/山形]
05/06 山形 2-0 讃岐
05/13 山形 1-1 大宮
05/20 新潟 0-0 山形
05/27 山形 2-1 金沢
06/02 岡山 2-2 山形
06/06 山形 2-2(PK4-2) 岐阜(天皇杯2回戦)
[過去の対戦成績]
14/05/11 山形 1-1 千葉
14/07/30 千葉 2-0 山形
16/06/08 千葉 3-0 山形
16/07/20 山形 1-1 千葉
17/03/04 千葉 1-1 山形
17/08/20 山形 2-2 千葉