シーズン前半戦のラストゲームだ。
アウェイ戦の相手は栃木SC。ジェフは第20節終了時点で7勝4分9敗と黒星が先行しており、前節の黒星によって順位を14位に下げた。前半戦の負け越しは確定しているが、これまでと同じように、1つでも多くの白星、1ポイントでも多くの勝点、目の前の試合で100%の力を発揮することに全精力を注ぐしかない。
前節の松本山雅FC戦で、ジェフは2つの顔を見せた。
終了間際の失点を除けば「ほぼ完璧」だった前半と、ミスと失点を重ねて相手に圧倒された後半。1試合の中に現れた“アンバランス”を改善し、1試合だけでなく、どの試合でもその安定感を発揮することが昨シーズンから抱えている課題だ。後半戦の巻き返しを実現するなら、この部分における力強さを手に入れなければならない。
フアン エスナイデル監督が言う。
「我々がやりたいことを強引にでもやること、やりきることが大切です。“相手が我々に対応する”という形にしないといけないと思います。少なくとも松本戦のような(試合の)入り方を、今回もしてほしいです。行くべきときに行くこと、自陣でも相手陣地でも絶対に負けないこと、そこがカギだと思います」
今シーズン、3年ぶりにJ2リーグに戻ってきた栃木も、厳しい状況に直面している。最近5試合は5連敗。それまで5勝5分5敗と五分の成績を残していたが、黒星が10に増えてしまったことで19位に落ち込んだ。前節の東京ヴェルディ戦では、第3節以来となる4バックシステムを採用。しかし試合開始早々に失点を喫し、0−3で敗れている。ジェフにとっては、相手のシステムを見極めて弱点を突く対応力が問われそうだ。
もっとも、守備を課題としているのはジェフも同じこと。失点「38」は栃木より8も多く、完封試合は4試合しかない。下位のチームが相手であっても、特にアウェイ戦では堅守なしに勝利に近づくことはできない。チーム全体としての強い意識が求められるところだ。もちろん、前節スタメン出場している元ジェフのFWネイツ ペチュニクが持つ一発の“怖さ”は十分に理解しているし、途中出場したFW大黒将志にも警戒しなければならない。
熊谷アンドリューが展望する。
「仕留めるべきところでしっかり仕留めることが一番大切だと思うし、あとは相手が勢いに乗ったときに、自分たちでどう跳ね返すかが課題になってくると思います。球際とかそういうところを、しっかり一人ひとりが意識して戦えればいいかなと思います」
攻撃のキーマン、為田大貴はこう話した。
「前節のように、自分たちの時間帯で得点を取ることを考えます。そして相手の時間帯になってしまったときは、どれだけ自分たちの闘い方を崩してでも割り切ってやれるかが大事だと思うので、そういったところをしっかりやっていきたい」
まさに正念場だ。決して小さくないショックを受けたゲームの後だからこそ、チームとしての底力を発揮して勝点3を奪いたい。
フアン エスナイデル監督
(栃木は)多分、我々と対戦するにあたって失うものは少なく、我々よりはプレシャーを感じずにプレーできるチームかもしれません。プレッシャーがなければ自由にプレーできます。そういう意味では“私たちがどうできるか”が大切だと思いますし、我々がやることに依存すると思います。栃木には良い選手もいますし、やり方に関しても明確です。でも、(前節対戦した)松本もそうでした。我々がやりたいことを強引にでもやること、やりきることが大切です。“相手が我々に対応する”という形にしないといけないと思います。少なくとも松本戦のような(試合の)入り方を、今回もしてほしいです。行くべきときに行くこと、自陣でも相手陣地でも絶対に負けないこと、そこがカギだと思います。“決定力”と、“強く行くこと”がカギです。
乾 貴哉
コンディションも上がってきているので、先発出場を目標にしています。(栃木戦は)自分たちが慌てずにボールを回せれば、松本戦の前半のようなプレーができると思います。相手のセットプレーに関しては、しっかりとマークにつき、みんなと声をかけ合ってやっていきたいと思っています。特に前線のネイツ ペチュニク選手は体が強いので、エスナイデル監督が言うように、(相手に)つき過ぎずにボールが収まったところに強く行くことを徹底したいと考えます。
(前半戦最後の試合となる)この試合は絶対に勝ちたいです。前半戦は失点が多かったので、しっかりと反省をしなければいけません。失点をしなければ負けることはないので、意地でも無失点で終わらせて、前半戦を良い形で締めたいと思っています。
茶島 雄介
栃木が長いボールを蹴ってきたとしても、ファーストディフェンダーがしっかりと競って、セカンドディフェンダーがルーズボールをどれだけ拾えるかが大切になるとおもいます。(攻撃に関しては)基本的に松本戦とやることは変わりません。(松本は)前半引いて守ってきましたが、自分たちがしっかりとやることをやれれば破れるので、(栃木戦でも)継続していきたいと思います。それに加えて、相手が前から取りにきた場合には、慌てずにどれだけ良いプレーができるかも大切になります。チームとしてやりたいことを出せるようになってきましたし、ゴールへのイメージはあります。攻撃面は良くなっているので、そこにプラスとして、失点を絶対にしないことを強く意識します。ワンプレー、ワンプレーの状況を考えて、試合を進めたいと感じます。
ホルヘ サリーナス
栃木戦が難しい試合になることは分かっています。チームが厳しい状況にいるので、抜け出すためのキーになる試合です。栃木は連敗中ですが相手のホームゲームであり、“勝ちたい”うという気持ちが強いと考えています。(栃木の守備ブロックを破るために)辛抱強くプレーすることが何よりも大事になります。どこかにスペースはあるはずなので、隙を見つけていきたいです。個人的には、チャンスが来れば自分の良いところを見せられるように1対1の場面でどんどん仕掛けていきたいです。勝利に貢献する準備はできているので、先発でも途中出場でも自分のやることは変わりません。
この栃木戦で第1クール(前半戦)が終わり、次の大宮戦で第2クール(後半戦)がスタートするので、アウェイで勝って勢いをつけたいと思っています。
熊谷 アンドリュー
松本戦の前半は良い(ボールの)回し方もできましたが、後半に相手のプレッシャーのかけ方が変わって、そこでチームとして慌ててしまったなと感じています。後半の戦い方が課題でした。
(栃木戦は)仕留めるべきところでしっかり仕留めることが一番大切だと思うし、あとは相手が勢いに乗ったときに、自分たちでどう跳ね返すかが課題になってくると思います。球際とかそういうところを、しっかり一人ひとりが意識して戦えればいいかなと思います。ロングスローのイメージが栃木にはすごくあって怖い部分なので、そこはしっかり抑えないといけないと感じています。(相手は5連敗中だが)自分たちも勝っていないので、自分たちが勝つことだけを考えて戦いたいと思います。
山本 真希
(松本戦は)相手に何もさせなかったですし、高い位置で(ボールを)取って、2次攻撃3次攻撃につなげられていたと思います。後ろからのビルドアップも落ち着いてうまく相手をはがしてチャンスを作れていたので、前半に関しては安心して(ベンチで)見ていられました。ただ後半には相手も修正してきますし、その修正されたときにこっちがどう戦うかというのを、みんなで考えて共有しなければいけないなと思います。
(栃木戦は)前半戦最後の試合なので、しっかり勝って折り返したいというのはみんな思っています。ここでこのアウェイで勝てれば、また後半戦のアウェイゲームへの自信も出てくると思うので、そういう意味でも勝ちにこだわって戦いたいと思います。
為田 大貴
栃木はシンプルに放り込んできたり、スローインをコーナーキック同様に(ゴール前へ)投げてきたりするところが、少し(前節対戦した)松本と似ている部分はあるのかなと感じます。そういう武器があると思いますが、でも(ジェフが)相手陣地内でプレーし続けられれば問題ありません。前節のように、自分たちの時間帯で得点を取ることを考えます。そして相手の時間帯になってしまったときは、どれだけ自分たちの闘い方を崩してでも割り切ってやれるかが大事だと思うので、そういったところをしっかりやっていきたいです。(大分在籍時にチームメイトだった夛田凌輔選手は)運動量が多いですし、良いクロスも持っています。良いシュートを打ってきたりもするし攻撃的にどんどんやってくる選手なので、そういうところはしっかりケアをしていかなければいけないと思います。
[前節の結果/栃木]
東京V 3-0 栃木
[前節の布陣/栃木]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/栃木]
05/27 栃木 0-1 大宮
06/03 松本 1-0 栃木
06/10 栃木 1-2 水戸
06/16 金沢 2-0 栃木
06/23 東京V 3-0 栃木
[過去の対戦成績]
13/03/17 栃木 0-0 千葉
13/11/17 千葉 1-1 栃木
14/03/02 千葉 0-2 栃木
14/07/20 栃木 0-2 千葉
15/03/21 栃木 1-1 千葉
15/09/23 千葉 2-0 栃木