シーズン後半戦の幕開けとなる第22節。相手はJ2リーグ屈指の戦力を誇り、昇格争いのライバルである大宮アルディージャ。舞台がホーム・フクアリであったことを考えれば、なんとしても勝点3を手に入れたい重要なゲームだった。
しかし、ジェフはまたしても課題を克服することができなかった。結果は1-3。十分な手応えがあった前半に先制ゴールを奪ったものの、前半のうちに同点ゴールを奪われ、流れが一変した後半はそれを引き戻せず、失点を重ねて完敗を喫した。
試合後、フアン エスナイデル監督は大宮との“決定力”の差を敗因に挙げた。
「またしても、前半と後半でまったく違う内容のゲームになってしまいました。前半の決定力が高ければ違う結果になっていたと思います。相手の同点ゴールにダメージを与えられてしまった。かなりのハードワークをしましたが、フットボールは決定力が高いチームが勝つスポーツです。我々はすべてのチャンスを決めることができませんでした」
この日のスタメンは4-4-2の布陣。GKはロドリゲス。最終ラインは右から茶島雄介、近藤直也、増嶋竜也、乾 貴哉の4人。中盤は熊谷アンドリューと矢田 旭がダブルボランチを組み、右サイドに船山貴之、左サイドに為田大貴が位置。2トップには指宿洋史とラリベイが並んだ。
キックオフ直後は前線から積極的にプレスを仕掛けてきた大宮にやや押し込まれたものの、一瞬の隙を突いて仕掛けたカウンターから先制点を奪う。
左サイドでボールを受けた為田が得意のドリブルで縦に仕掛け、グラウンダーのクロス。飛び込んだラリベイがうまく合わせてゴールに流し込んだ。
為田が振り返る。
「ちょっと落ちたところにホアキンがいるのが見えたので、少しマイナス気味に。球質が良くなかったので、ホアキンが良く流し込んでくれたと思います」
このゴールで流れを引き寄せたジェフは、17分にも矢田がシュート。25分には船山のクロスから指宿と茶島が立て続けにシュートを放つなど、いくつものチャンスを作った。しかし追加点を奪うことができずに迎えた30分、ジェフの左サイドからグラウンダーのクロスを送り込まれ、マテウスに決められて失点。このゴールを機に、それまでの良かった流れが大宮へと傾き始めた。
指揮官が言う。
「1-1のスコアになってから、あたかも負けているかのような雰囲気を自ら作ってしまった。しかし、実際のところはスコアは同点で、相手よりもいいプレーをしていました。そこをコントロールしなければならない。ただ、我々が先制点を奪った直後も、同じように4、5回のチャンスがあったことを忘れてはいけません」
迎えた後半、ジェフは最終ラインを下げて試合を落ち着かせようとしたが、逆に相手のプレスを受けて押し込まれる形となり、セカンドボールを拾われてサイドに攻撃の起点を作られた。
69分にはジェフの左サイドからクロスを上げられ、富山貴光に決められて失点。悪い流れを断ち切ることができず、直後の71分には不用意にボールを奪われると逆サイドに展開され、大前元紀にゴールを決められビハインドは2点に広がった。
増嶋が言う。
「失点してから難しい試合になってしまった。後半は少しラインを下げる形でスタートしたんですが、プレッシャーを受けて、サイドで起点を作られるようになって、それにうまく対応できなかった」
ジェフは早めの交代策でハーフタイムに小島秀仁、58分に清武功暉、74分に山本真希を投入したが、最後まで相手ゴールを脅かすことはできず。試合はそのまま1-3で終了した。
課題は明確だ。ハードルは高いが、チーム一丸となって克服し、乗り越えるしかない。