3連勝を懸けて挑んだ首位・松本山雅FCとの一戦は、2-3の黒星に終わった。
スタメンは4-3-3の布陣。GKはロドリゲス。最終ラインは右から溝渕雄志、鳥海晃司、近藤直也、乾 貴哉の4人。アンカーのポジションに佐藤勇人が入り、その両脇に工藤浩平と矢田 旭が位置。前線は右に船山貴之、左に清武功暉、中央にラリベイが並んだ。
立ち上がりの主導権を握ったのはジェフだった。
前線からのプレスを特徴とする松本の“重心”がやや低かったことも手伝って、ジェフのハイプレス&ハイラインが機能。中盤でインターセプトを狙ってボールを引っ掛け、セカンドボールを拾ってサイドに展開する攻撃からチャンスを作った。
5分には左サイドからの矢田のクロス、13分には相手最終ラインの裏に落とす矢田のスルーパスなど攻撃の形を作り、16分には溝渕のクロスから工藤がボレーシュートを放つなど相手を押し込む時間が続いた。松本はスピードのあるカウンターで何度かジェフゴールに迫ったが、松本の反町康治監督が「前半はハーフコートゲーム」と振り返ったほど前半はジェフが主導権を握った。
いい流れはゴールを生む。32分には左サイドを突破した清武がクロス。船山が落として工藤がシュートを放ち、35分には工藤の縦パスをラリベイが落として船山が決定機を迎える。そして迎えた41分、溝渕のクロスが相手のファウルを誘い、獲得したPKを船山が決めてジェフが先制した。
しかし、前半終了間際の45分、ジェフ最終ラインの背後に出たパスは近藤が処理しかけたが、猛然と追いかけた前田大然にボールを奪われ、そのままシュートを決められた。
佐藤勇人が振り返る。
「PKという形でしたけど先制することができて、相手とすれば『0-1のまま前半を終えたい』という展開だったと思います。あの先制点によって相手が守備を変えたわけではなかったので、そういう意味では、同点ゴールがもったいなかった」
同点にされたとはいえ、前半は満足できる内容だった。ところが後半、戦術を変更してきた相手にうまく対応することができず、逆に押し込まれる時間が続いて失点を重ねた。
52分、ジェフの右サイドから縦パスをつながれ、逆サイドでフリーになった岩上祐三に逆転ゴールを蹴り込まれる。61分には前田大然に左サイドを突破され、クロスを岩間雄大に押し込まれて3失点目。ジェフは53分に清武に代えて為田大貴、66分に佐藤勇人に代えて茶島雄介を投入し、フォーメーションを4-2-3-1に変更。攻勢を強めて相手ゴールに迫ったが、守備を固める相手を崩せない時間が続いた。
反撃は90分。為田のクロスを途中出場の指宿洋史が押し込んだが、あと1点を奪うことができず、試合はそのまま2-3で幕を閉じた。
佐藤勇人が言う。
「結果的には、今シーズンの特徴的なゲームになってしまったことが残念です。前半は自分たちのリズム。セカンドボールを拾い、何も問題なく試合を進めていた。だけど、そこから追いつかれて逆転されて、負けてしまう。こういう大事な試合でそれが出てしまったことを反省しなければならないし、逆に松本はこういう試合をモノにするチームで、その勝負強さは今のジェフになくて、松本にあるものだと思います」
3連勝を狙った重要なゲームでの手痛い黒星だ。足りないものがはっきりと見えているからこそ、この苦境を脱するきっかけを自分たちの力で作りたい。