28試合を消化したジェフにとって、残る試合数はシーズンの3分の1に相当する「14」。10勝5分13敗と黒星が先行し、勝点35で16位に低迷する現状は「厳しい」と言わざるを得ない。
ただし、もちろん誰ひとりとして可能性を諦めていない。混戦が続くJ2リーグは、首位に立つ松本山雅FCが勝点56、2位の大分トリニータが同50、さらにプレーオフ出場圏内となる6位の東京ヴェルディが同45と大差なく、今後の戦いにおける巻き返しも“射程圏内”にある。ここで踏ん張り、着実に勝点を積み重ねる戦いをして上位陣に迫りたいところだ。
ラリベイの言葉が、チーム全員の姿勢を示す。
「可能性がある限り、諦めずに戦っていく」
前節、FC町田ゼルビアとのアウェイゲームを3-3で終えたジェフは、今節もアウェイ戦に臨み、水戸ホーリーホックと対戦する。
今シーズンの水戸は、シーズン序盤に快進撃を見せた。第4節終了時点で15年ぶりに首位に立ち、ジェフとは第2節で対戦して0-0のスコアレスドロー。その後は勢いに衰えが見られているものの、第28節終了時点で勝点36の13位とジェフよりも高い順位で“3分の2”を終えている。最近5試合は1勝2分2敗と黒星が先行しているが、第26節まで7試合負けなしと粘り強く勝点を積み重ねてきた。難しい相手であることは間違いない。
熊谷アンドリューが展望する。
「前回対戦は0-0でしたが、やりづらいイメージはありません。前線に構えるジェフェルソン バイアーノ選手は馬力があり、そこに当てて展開をしてきました。(水戸は)町田ほど絞ってコンパクトにしてこないとは感じるのでインテリオールやアンカーで受けられます。うまく(ボールを)回せる位置取りができれば、自分たちのペースで試合を進められると思います。町田戦で取った勝点1を、水戸戦で生かさないとダメ。勝ちに行きます」
おそらく水戸は、新加入のバティスタがピッチに立つだろう。
ブラジルのCAリネンセから加入した192センチの長身FWは、1995年生まれの23歳。これまではブラジル国内のクラブを転々としてきたが、抜群の高さを活かしたパワフルなポストワークとゴール前の強さを特長とする。長谷部茂利監督率いる水戸は丁寧にパスをつなぐ“地上戦”を得意としているが、そのオプションとして彼が加わる効果は大きい。警戒したい。
一方のジェフにとっては、“やるべきこと”は常に決まっている。ラリベイが言う。
「サッカーはチームスポーツなので、ゴールを決めたときはもちろんチームの力だし、守備のときも一緒です。守備の選手だけに任せるのではなくて、チーム全体で守るのが守備なので、チーム全体で堅固になるということを目標に戦っていきたいと思います」
前節の町田戦、最後まで諦めない姿勢と3つのPKで奪った勝点1を活かすためにも、勝点3を持ち帰りたい。すでにシーズンの3分の2を消化したと考えれば、残り3分の1の戦いを、これまでと同じ結果で終えることはできない。
フアン エスナイデル監督
今回の試合(水戸戦)は、我々がインテンシティ高くいければ、勝つチャンスはあると思っています。我々は良いサッカーをするし、主導権を握って試合も支配する。それは絶対です。ただ、アグレッシブさを失ってはいけません。攻撃でも守備でも同じです。
(これまでの試合では)インテンシティを下げてしまったところで、失点につながったところがあります。反対に、アグレッシブさが高くなったところでは得点が入りました。そういう意味では、今回の試合も同じようになると思っています。
(長谷部茂利監督との再戦については)一緒に仕事をした人と対戦するのは楽しみなことですが、試合自体に関しては、それとは関係ないことです。もちろん挨拶をしたり、少し話をしたりすることはあるでしょうが、試合とは別。知り合いだろうが、そうでなかろうが、試合が始まれば関係ありません。
佐藤 優也
町田戦では0-3の状況から3点を取れたことはプラスの材料ですし、モチベーション的にも大きいです。町田戦の勝点1を生かし、これをどうつなげるかは自分たち次第です。この勝点1を無駄にしないためにも、水戸戦では絶対に勝点を拾いたいと思います。(水戸の監督は長谷部監督だが)以前にも(自分が在籍していたチームで)指揮を執っていた監督との対戦経験はありますし、どのチームも自分たちに対しての研究や対策はしてくるものなので、気にせずに自分たちのプレーをしたいと感じます。
また、合流して間もない下平選手も(町田戦で)ピッチに立ち、ボールを預ければやってくれましたし、久々のゲームで90分間、走ったと思います。これからコンディションもどんどん上がってくると思うので期待をしています。
鳥海 晃司
前節の町田戦は、僕のオウンゴール(1失点目)がチームに悪い流れを与えてしまったので、すぐに反省をしました。得点を取ってくれたフォワード陣には感謝をするしかありません。個人としては次に向けて切り替え、ポジションを修正などを細かく分析して水戸戦に臨みたいと考えます。
守備面では近藤選手との距離感が大事になります。守備陣は守備陣でしっかりとコミュニケーションを取りながらやって行きたいです。町田戦で取った勝点1を、水戸戦に生かしたいです。難しい試合になると思いますが、前回のように最後まで諦めない姿勢を出したいです。“諦めるのは試合が終わってから”。最後まで粘り強く、勝利のためにプレーをしたいと思っています。
熊谷 アンドリュー
(水戸との)前回のホームでの対戦は0-0でしたが、やりづらいイメージはありません。前線に構えるジェフェルソン バイアーノ選手は馬力があり、そこに当てて展開をしてきました。そこは抑えたいです。町田戦でボールを保持できなかったので、ボール保持率を高められるようにプレーをしたいと思います。(水戸は)町田ほど絞ってコンパクトにしてこないとは感じるのでインテリオールやアンカーで受けられます。うまく(ボールを)回せる位置取りができれば、自分たちのペースで試合を進められると思います。先に失点をしてしまうと相手が勢いに乗ってくるので、こちらが先制点を決めて、自分たちのサッカーで勝ち切れるようにやっていきたいと思います。町田戦で取った勝点1を、水戸戦で生かさないとダメ。水戸には勝ちに行きます。
矢田 旭
(町田戦は)3点を取られた後も、諦めるという気持ちは全然なく、まずはしっかり1点を取っていこうという声はピッチ内でも出ていました。そういうことが結果につながったのかなと思います。
前回の対戦は開幕してすぐのときで、点が取れなくて引き分け(0-0)でした。今度はしっかり点を取り切って、守備ももっと安定させて勝点3を持って帰って来たいと思います。(水戸は)行くところ行かないところがハッキリしているだろうし、“チーム全員で”という部分が大きいと思うので、そのチーム一丸となって来るところをどう崩していくか。もちろん個の局面で打開するのもそうだし、チームのボールの動かし方で打開していくのもそうだし、工夫しながら戦っていきたいと思います。
茶島 雄介
町田戦は、攻撃でロングボール一辺倒になってしまった部分がありました。インテリオールの2人が高い位置でプレーしていこうという狙いはありましたが、相手のプレスで蹴ってしまう感じになってしまったので、水戸戦では試合状況を見ながら後ろでサポートをしつつ、前を向いてボールをもらう動き、そして自分たちがボールをうまく握って攻撃する回数を増やしたいと思っています。セカンドボールを拾って前を向くプレーが大事で、裏のスペースを使うなど流れ引き寄せることが重要です。自分たちは、もう勝つしかありません。勝って上を目指すしかないので、とにかく勝ちたいです。
ラリベイ
自分に(ゴールを)決めるチャンスが来たときにはしっかり決めるという気持ちは、常に持っています。ただ自分にそのチャンスが来なくても、タカ(船山)、タメ(為田)、イブ(指宿)など、前線の選手の動きは今非常に良い状態だと思います。チームとして堅固になってきていますし、それを守備の面でも発揮することが大事だと思います。サッカーはチームスポーツなので、ゴールを決めたときはもちろんチームの力だし、守備のときも一緒です。守備の選手だけに任せるのではなくて、チーム全体で守るのが守備なので、チーム全体で堅固になるということを目標に戦っていきたいと思います。シゲさん(水戸の長谷部監督)が素晴らしい人であることは分かっていますし、みんなから愛されていた方です。自分たちにとって嫌な相手になってくると思いますが、可能性がある限り諦めずに戦っていきます。
[前節の結果/水戸]福岡 2-0 水戸
[前節の布陣/水戸]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/水戸]
07/21 山口 2-2 水戸
07/25 水戸 0-0 栃木
07/29 水戸 4-1 愛媛
08/04 徳島 1-0 水戸
08/11 福岡 2-0 水戸
[過去の対戦成績]
16/04/29 水戸 1-0 千葉
16/07/10 千葉 0-1 水戸
17/06/17 水戸 3-1 千葉
17/09/16 千葉 2-1 水戸
18/03/04 千葉 0-0 水戸