ピッチに立ったすべての選手がハードワークをした好ゲームだったからこそ、何としても勝利を手に入れたかった。しかし、スコアレスのまま終盤を迎えた激闘は、最後の最後にゴールを奪った水戸ホーリーホックに軍配。ジェフはいくつものチャンスを作りながら、ゴールを生む決定力が足りなかった。
スタメンは4-3-3の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは右から溝渕雄志、鳥海晃司、近藤直也、下平匠の4人。アンカーのポジションに熊谷アンドリューが入り、両脇に茶島雄介と矢田旭が位置。前線は右に船山貴之、左に為田大貴、中央に指宿洋史が並んだ。
90分を通じてほぼ互角のゲームだったが、前半からより多くのシュートを放ったのは水戸だった。
6分にはDFジエゴ、7分にはMF木村祐志にシュートを打たれ、8分にはカウンターからピンチを招いて押し込まれる。ジェフの反撃は12分、ショートコーナーからクロスを入れて指宿がヘディングシュートを放ったが、これはゴールの右。16分には再び水戸の連続攻撃を受け、ジェフはこの時間帯を何とか無失点で切り抜けてチャンスを待った。しかし、ボール支配率では相手を上回ったものの、相手の組織的な守備を崩すことができず膠着状態が続く。
35分には為田の突破から、36分には熊谷のスルーパスからチャンスを作ったが、いずれもゴールには至らず。前半をスコアレスのまま折り返し、勝負の行方は後半に委ねられた。
後半も立ち上がりの時間帯は水戸に攻め込まれたものの、59分の指宿のヘディングシュートをきっかけとして、徐々にジェフがペースを握り始める。63分には下平のアーリークロスからゴールに迫り、その勢いを加速させるべく70分には茶島に代えて町田也真人を投入。さらに79分には矢田に代えて工藤浩平を投入した。
一方の水戸も、76分に今夏加入したばかりの長身FWバティスタを投入。組織的な守備の精度を落とすことなくジェフの選手交代に対応し、サイドを広く使った攻撃を仕掛けてきた。80分を過ぎても一進一退の攻防が続き、82分にはジェフが、直後の83分には水戸が決定機を演出。88分にはジェフが見事なパスワークから決定機を作ったが、ゴールを奪うことはできなかった。
そして迎えた試合終了間際の90分。ジェフの右サイドから突破を許し、クロスのこぼれ球を拾われて途中出場の伊藤涼太郎にミドルシュートを叩き込まれる。アディショナルタイムに見せた猛反撃もゴールには届かず、そのまま0-1でタイムアップ。フアン エスナイデル監督は厳しい表情で「負ける試合ではなかった」と話し、こう続けた。
「今シーズン何度も起きている現象のひとつとして、またしても不注意から失点してしまいました。ペナルティエリア付近で簡単にシュートを打たせてしまったことは、明らかなミスです」
90分を通じて、両チームが球際で気迫あふれるプレーを見せ続けた好ゲームだった。それでも、結果的にジェフはゴールを奪うことができず、最後の最後に失点を喫して黒星を喫した。
ホームに戻る次節の相手は東京ヴェルディ。追い込まれた状況にあることは間違いないが、何としてもホームで意地を見せたい。