最近5試合は2勝1分2敗。しかし直近3試合は勝ち星なし――。第29節終了時点で勝点35の16位にいる現状は近年においても最も厳しい。それでも、可能性がある限りあきらめる必要はない。フアン エスナイデル監督は強気の姿勢を崩さない。
「順位表、勝点に関して言うと、我々は悪いところにいます。でもまだ、期待はあります。今のウチのチームは、多くの部分で良いところが見えます。残りの試合も、良いレベルで戦えると確信しています。不可能でないのなら、続けるべきです」
今節、フクアリに迎える相手はJ1昇格プレーオフ進出圏内の6位に位置する東京ヴェルディ。指揮官の言うとおり、その差は11ポイントと決して逆転できない数字ではない。まずはこの試合で勝利を手にし、その差を詰める。ジェフにできることは“目の前の1試合”に全力を注ぐことだけだ。
東京Vは好調の波に乗っている。最近のリーグ戦5試合は3勝1分1敗で、直近2試合は白星から遠ざかっているものの、浦和レッズとの天皇杯4回戦でも敗れたとはいえ好ゲームを演じた。7月25日のアルビレックス新潟戦は4-3と打ち合いを制したが、続く京都サンガF.C.戦、大宮アルディージャ戦とも1点差の接戦をモノにしており、粘り強く勝利を手にするスタイルが定着している印象だ。
もとより個の能力の高さに定評があるチームであるから、警戒すべき選手は多い。エースのFWドウグラス ヴィエイラは10得点で得点ランキング6位タイに位置。右サイドには開幕戦で苦しめられたルーキー・藤本寛也、左サイドには6月にガンバ大阪から加入したドリブラー・泉澤 仁と突破力に優れたタレントがいる。中盤の主導権争いで優位に立ち、彼らへの配給をシャットアウトできるか。または、積極的なラインコントロールでその存在をゴールから遠ざけることができるか。そのあたりにゲームの行方を左右するポイントがありそうだ。
矢田 旭が展望する。
「インテリオールとして相手のアンカーの脇を使えれば、気持ち良くプレーができると思いますし、逆にそこを使われたらフラストレーションが溜まるゲームになってしまいます。中盤の位置取りを取る戦いでもあります」
ここのところ安定してきた守備については、近藤直也が「全員守備」の重要性を強調した。
「チーム全員で守りたいと思います。1人がサボると一つずつズレが生じ、真ん中にシワ寄せがきます。一瞬でマークを外されてやられてしまうこともあるので、当たり前ですが“守備でサボらない”ことを全員で徹底したいです」
前節の水戸ホーリーホック戦では、頼れる戦力がピッチに戻ってきた。迎えたビッグチャンスを逃したことを悔やみながら、町田也真人は勝利への意欲を高めている。
「期待に応えたかったし、だからこそ前節のあのシュートシーンは決めたかった。フクアリでは(第14節の)新潟戦以来ですし、まだサポーターの皆さんにも「大丈夫?」と心配されている感じもあるので、“大丈夫!”というところをしっかり見せたい」
ここからの戦いは、1試合の重みやプレッシャーが右肩上がりに増す。チームとしての底力を発揮し、まずはホームで、勝点3を奪いたい。
フアン エスナイデル監督何度も同じことを言うかもしれませんが、なぜ試合に勝てないかを説明するのはとても難しいです。(水戸戦は)勝ちに値するかどうかでいうと、値したと思いますし、少なくとも負けない試合の戦い方をしたと思います。ただ、今シーズンを通して良くないところが出てしまいました。大事なところで集中力を欠いてしまうことです。水戸戦の失点場面に関しては、相手選手が(ボールを)受けたとき、我々の選手がいるべきところにいなかった。それに関しては(選手たちと)話をして、トレーニングもしました。
順位表、勝点に関して言うと、我々は悪いところにいます。でもまだ、期待はあります。今のウチのチームは、多くの部分で良いところが見えます。残りの試合も、良いレベルで戦えると確信しています。良いところが見えているから、チームに期待をしています。計算上も、順位を上げられる可能性は残っています。不可能でないのなら、続けるべきです。
下平 匠(東京Vは)自分たちよりも上(の順位)にいるチームなので、しっかりと勝って自分たちの順位を上げなければいけません。勝たなければ(J1プレーオフに進出できる)6位以内に入ることさえどんどん難しくなってしまいます。僕らは全然諦めていないので、しっかりと頑張りたいと思います。
個人としても、フクアリでのプレーを楽しみにしています。(町田戦、水戸戦と2試合を通してのパフォーマンスは)町田戦よりも水戸戦のほうが、自分のやりたいことや周りとの兼ね合いも良かったと感じます。自分が加入してから、流れの中で得点を取れていません。相手のボックス(ペナルティエリア)前までは良い形で持っていけるので、チームとして最後の精度を高めたいと思います。
近藤 直也(東京V戦は)チーム全員で守りたいと思います。1人がサボると一つずつズレが生じ、真ん中にシワ寄せがきます。一瞬でマークを外されてやられてしまうこともあるので、当たり前ですが“守備でサボらない”ことを全員で徹底したいです。
ピンチを防ぐことができれば、チャンスは来ます。まずは守備で統一感を持って、守り切る気持ちを持つこと。そうすれば失点は減っていくと感じます。攻撃面では、最後のところを決め切るかどうかで試合は変わります。サイドから決定的なチャンスがあるので合わせること、あとはセットプレーで得点を取れれば楽に試合を運ぶことができます。良いボールが上がってきたときに決め切りたいと思います。
鳥海 晃司(開幕戦でJリーグデビューを果たした相手が東京Vだったが)緊張していたので全然覚えていません(笑)。(デビュー戦と同じ相手だからといって)特に意識することはないので、普通の1試合として臨みたいと思います。前節の水戸戦では裏の対応に気を付けていたぶん、あの最後の失点が悔いが残る形となりました。ただ、長い時間をゼロで抑えることができたのは自信になりますし、メンタル的にも自信を持って臨みたいと思います。個人としても、ラインコントロールの面においても近藤選手や溝渕選手とも声を掛け合えています。しっかりとした連係も取れているので、やりやすやすさがあります。(東京Vの印象は)補強もして、良い選手がたくさん揃っています。だからこそ簡単な相手ではありません。自分たちはしっかりと準備して、チームとして勝つことを意識したいです。
矢田 旭(東京V戦に向けては)インテリオールとして相手のアンカーの脇を使えれば、気持ち良くプレーができると思いますし、逆にそこを使われたらフラストレーションが溜まるゲームになってしまいます。中盤の位置取りを取る戦いでもあります。ただ僕らにはドリブルや個の力で打開できる選手がいるので、そこに持って行く回数が多ければ多いほど、チャンスは増えます。相手はボールを大事にしてくるチームでつないでくると思うので、水戸戦や町田戦のような展開にはならないと考えます。本来のジェフの戦いをつかむきっかけにしたいです。
(開幕戦の東京V戦は)早い時間帯に退場者を出し、長い時間を10人で戦うことになりました。今回は注意を払いながら、同数でしっかと90分間を戦い抜きたいです。
熊谷 アンドリュー(水戸戦は)内容的にも蹴る部分が多くて、つなげるシーンでもなかなか味方に蹴ることができなくて苦しい展開だったのですが、守備の部分ではみんな体を張れていて、そこは良かったかなという感じです。選手一人ひとりの距離が少し遠いぶん、パスコースが少ない感じがあるので、そこをもう少し一人ひとりが意識して距離感をもっと良くしていかないと、良い試合内容にはならないのかなと感じています。
正直やってみないとどうなるか分かりませんが、(東京Vが)どのシステムでも空いてくるところはあると思うので、そこをみんなで突いていきたいと思います。ヴェルディには知り合いの選手が結構いるのでそれは楽しみですが、自分たちの状況も状況なので、勝つしかないという気持ちです。
町田 也真人復帰してすぐに試合に出たいという思いは持っていましたが、まさかこんな早く使ってくれるとは思っていなかったので(水戸戦の出場は)嬉しかったし、監督には本当に感謝しています。その期待に応えたかったし、だからこそ前節のあのシュートシーンは決めたかったです。
(東京Vには)前に強力な選手がいるのでそこは気をつけないといけないし、チームの雰囲気的にもクラブとしてもヴェルディには負けたくないです。そういうのを含めて、どの試合もそうですが、もう勝つしかないと思っています。フクアリでは(第14節の)新潟戦以来ですし、まだサポーターの皆さんにも「大丈夫?」と心配されている感じもあるので、“大丈夫!”というところをしっかり見せたいです。もしスタート(スタメン)から出るんだったら、交代枠を1つ使ってしまうかもしれませんが、前半で出し尽くすくらいの意気込みです。
[前節の結果/東京V]東京V 0-0 大分
[前節の布陣/東京V][前節の布陣/ジェフ][最近の戦績/東京V]07/25 東京V 4-3 新潟
07/29 京都 0-1 東京V
08/04 東京V 2-1 大宮
08/11 山形 2-1 東京V
08/18 東京V 0-0 大分
08/22 浦和 1-0 東京V(天皇杯4回戦)
[過去の対戦成績]16/06/12 千葉 2-2 東京V
16/09/25 東京V 1-1 千葉
17/05/17 東京V 3-0 千葉
17/09/02 千葉 2-2 東京V
18/02/25 東京V 2-1 千葉