5試合ぶりの白星は、4得点無失点という文字どおりの快勝だった。前線からのプレスと切り替えの速さ、守備の集中力を90分間保ち続けたジェフは、理想的な試合運びでレノファ山口FCから勝点3を獲得。敵地・維新みらいふスタジアムで選手たちが喜びを爆発させた。
スタメンは4-2-3-1の布陣。GKはJリーグ初出場となる大野哲煥。最終ラインは右からゲリア、鳥海晃司、近藤直也、下平 匠の4人。ダブルボランチに小島秀仁と熊谷アンドリューが並び、2列目は右に町田也真人、左に矢田 旭、トップ下に船山貴之が位置。1トップに指宿洋史が入った。
互いにアグレッシブな攻撃を持ち味とする両チームの対戦は、立ち上がりから攻守の切り替えが速い魅力的なゲームとなった。8分に山口がチャンスを作ると、直後の9分、ジェフは町田のミドルシュートで応戦。11分には連続攻撃を仕掛け、相手ゴールに迫った。しかし、いずれもゴールネットを揺らすことはなく、スコアレスのまま時間が流れる。もっとも、中盤でパスをつないでリズムを作っていたのは、30分時点で59%のボール支配率を記録したジェフだった。
迎えた前半終了間際、均衡を破ったのはジェフだった。アディショナルタイムにピッチ中央でパスを受けた矢田が左サイドに展開すると、下平がクロス。飛び込んだ船山がヘディングシュートを放ち、これが決まってジェフに待望の先制点が生まれた。
後半に入っても勢いは衰えず、54分には最終ラインの背後に飛び出した町田がGKと1対1のチャンス。シュートはGKの好守に阻まれたものの、ジェフは攻撃の手を緩めることなく追加点を奪いに行った。
迎えた56分、左サイドからのクロスに合わせたのは、この試合を「最後のチャンス」と位置づけていた町田だった。ダイレクトボレーが見事に決まり、ジェフがリードを2点に広げた。
反撃を狙う山口が前掛かりの姿勢を強める中、ジェフは最後まで冷静だった。67分には町田に代えてホルヘ サリーナス、72分には足を痛めたゲリアに代えて茶島雄介を投入。近藤を中心とする守備陣は絶妙なライン設定で全体のバランスを保ち、カウンターからチャンスを作り続けた。
3点目が生まれたのは77分。右サイドからの縦パスで裏に抜けた指宿が、見事なトラップで前を向き、飛び出したGKより一歩早くループシュート。これがゴールに吸い込まれ、勝負の行方を決定づける3点目を奪った。
さらにアディショナルタイムの90+6分、GK大野のロングフィードから矢田が最終ラインを突破し、落ち着いてゴール。その直後に試合終了の笛が鳴り、ジェフが5試合ぶりとなる勝利を決めた。
フアン エスナイデル監督が言う。
「我々としては完璧な試合だったと思います。結果に値する内容でした。今日、こういう戦い方をして、こういう勝ち方をしたことは驚きではありません。結果を出した選手たちを褒めたいと思いますし、これを続けたいと思います」
さあ、ここからだ。次節の相手はファジアーノ岡山。アウェイ連戦で勝点6を持ち帰り、昨シーズンと同様の“ラストに強いジェフ”の力を見せつけたい。