敵地で2連勝！

敵地でファジアーノ岡山と対戦したジェフは、まさに理想的な展開で2-0と快勝。今シーズン4度目の連勝で可能性をつないだ。

スタメンは4-2-3-1の布陣。GKは前節に続いて大野哲煥。最終ラインは右から溝渕雄志、鳥海晃司、近藤直也、下平 匠の4人。ダブルボランチに小島秀仁と熊谷アンドリューと並び、2列目は右に町田也真人、左に矢田 旭、トップ下に船山貴之が位置。1トップに指宿洋史が入った。

試合は立ち上がりから大きく動いた。まずは2分、右寄りの中盤でボールを持った小島が縦にショートパスをつなぎ、町田が振り向いてタッチライン際に縦パスを通す。走り込んだ溝渕が球足の速いグラウンダーのクロスを入れると、ファーポスト際に飛び込んだ指宿洋史が見事なスライディングシュートで流し込んだ。

しかし、直後の4分、ジェフ最終ラインの背後に走り込んだ岡山のFWイ ヨンジェに対応した鳥海がファウル。岡山にPKが与えられた。しかし、正面に蹴り込んだ齊藤のシュートを大野が足でセーブ。大きなガッツポーズとともに雄叫びを上げた大野の元にチームメイトが駆け寄った。

2試合連続完封に貢献した大野が振り返る。

「素直に嬉しいです。（PKの場面は）最後まで我慢しようと思っていました。自分の足を残せたことで真ん中のコースを防げたので、それが良かったんだと思います」

船山が言うとおり、前半は「ピンチはほとんどなかった」。それだけに、唯一のピンチであり、流れが大きく変わりかねないこのPKを止めた大野のプレーは大きかった。精神的な余裕を取り戻したジェフは、引いて構える岡山に対してしっかりとパスをつなぎ、主導権を握り続けて前半を終える。次第に雨が強くなる厳しいコンディションだったが、ピッチに立つ選手たちのプレーからは余裕さえ感じられた。

後半は立上りこそいくつかのピンチを招いたが、すぐに流れを引き戻した。

58分、波状攻撃で相手ゴールに迫ったジェフは、指宿のシュートが岡山DF増田繁人の手に当たり、PKを獲得。増田はレッドカードによる退場処分となり、30分以上を残して数的優位に立った。PKスポットに立った船山は、GKとの駆け引きを制して左隅にゴール。リードを2点に広げた。

フアン エスナイデル監督は67分に町田に代えて茶島雄介、70分に鳥海に代えてエベルトを投入。岡山はFWリカルド サントス、FWジョン チュングンと個の能力の高い外国籍選手を投入して状況の打開を図ったが、ボール主導権を譲ることなく試合を優位に進めた。

茶島が言う。

「僕がピッチに入ったタイミングは2-0で勝っている状態で、雨もかなり降っていてコンディションも悪く、みんなが疲れていると思っていたので、ボールを持ったら失わずに前で勝負して押し込むということを意識していました。みんなを少しでも助けたいという気持ちでした」

そうした犠牲心はピッチのあちこちで見られ、相手のカウンターにも冷静に対応。3点目を奪うことはできなかったが、文字どおり“危なげなく”試合を終わらせ、敵地での2連勝という価値ある結果を手にした。

茶島が言葉を続ける。

「次の福岡戦は順位的にもかなり緊張感のある試合になると思うので、自分たちが食らいつくためにも、本当に次の試合が大事だと思います」

次節の相手はアビスパ福岡。真価が問われる一戦になりそうだ。