またしてもゴールは遠く、ジェフは1点のビハインドを跳ね返せないまま2連敗を喫した。
この日のスタメンは4-2-3-1の布陣。GKは5試合連続スタメンの大野哲煥。最終ラインは右から茶島雄介、鳥海晃司、近藤直也、下平 匠の4人。ダブルボランチに佐藤勇人と小島秀仁が並び、2列目は右に町田也真人、左に矢田 旭、トップ下に船山貴之が位置。1トップにはラリベイが入った。
“前半の前半”はジェフ、“前半の後半”は愛媛がチャンスを作った45分間だった。
ジェフは立ち上がりから積極的な守備で相手を押し込み、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けた。最初のチャンスは8分。右サイドから中に切り込んだ茶島が縦パスを通し、ラリベイのポストプレーから町田がシュート。直後の9分にはCKのチャンスから近藤がヘディングシュートを放ち、こぼれ球を拾った小島と船山が立て続けにシュートを放った。
さらに、15分にはカウンターからチャンスを作り、17分には町田のラストパスから飛び出した小島がシュート。24分と27分には矢田を中心としたパスワークで左サイドからチャンスを作り、28分には町田がミドルシュートを放ったが、これは愛媛のGK岡本昌弘に止められた。
流れが変わったのは30分が過ぎてからのことだ。愛媛の初シュートは34分。神谷優太選手のスルーパスに反応した藤本佳希選手がダイレクトシュートを放つが、これはわずかにゴール右に外れた。しかし、このシュートを機にゲームの流れは愛媛に傾く。ジェフは最後までゴールを許さなかったが、41分、43分と立て続けにピンチを招いた。
その劣勢を跳ね返して見事に主導権を奪い返した後半の立ち上がりだったが、先制点を奪ったのは愛媛だった。
57分に迎えたカウンターのピンチは一度は近藤がクリアしたが、そのボールをキープできず、右サイドを突破されてクロスを入れられる。ニアサイドに飛び込んだ藤本佳希に押し込まれ、試合の均衡が破られた。
フアン エスナイデル監督は早めの交代策で状況の打開を図った。64分、船山に代えて為田大貴、矢田に代えて工藤浩平を投入。さらに、72分には足を痛めた小島に代えて清武功暉を投入し、ボランチに工藤を配置して攻撃的な布陣を組んだ。これらが奏功し、ジェフはいくつものチャンスを作った。
中でも、82分、85分、88分と立て続けにチャンスを作り、可能性のあるシュートを放った清武の存在感は際立った。しかし、放つシュートはことごとくGK岡本昌弘の守備範囲に飛び、最後の最後までゴールネットを揺らすことはできなかった。
敗因について、指揮官は「気迫や覚悟」の欠如を挙げた。
「勝つための気迫や覚悟が足りなかった試合でした。ゲームを支配することはできていましたし、シュートチャンスも多く作りました。しかし、フィニッシュの局面で気迫や覚悟を持ってプレーしなければ、勝つのは難しいと思います」
次節もアウェイ戦。ロアッソ熊本と対峙する。