ロアッソ熊本を相手に3得点を奪ったジェフは、4試合ぶりの白星と勝点3を手にした。
スタメンは4-2-3-1の布陣。GKは大野哲煥。最終ラインは右から5試合ぶりの復帰となったゲリア、近藤直也、エベルト、下平 匠の4人。ダブルボランチに小島秀仁と熊谷アンドリューが並び、2列目は右に町田也真人、左に矢田 旭、トップ下に船山貴之が位置。1トップには指宿洋史が入った。
決していい立ち上がりではなかった。
失点は2本目のCKを与えてしまった7分。ファーポスト際に流れたボールを熊本のDF鈴木翔登に押し込まれ、最も警戒しなければならない序盤に手痛い失点を喫する。
守備意識の高い熊本に対し、ジェフはサイド攻撃で応戦した。14分には船山からのラストパスを受けた矢田が相手をひとりかわしてシュート。21分には同じくサイド攻撃からCKを獲得し、エベルトがヘディングシュートを放つがこれはゴール上に外れた。しかし、その後はなかなか決定機を作れない時間が続く。全体が下がってスペースを埋める熊本に対してジェフは攻めあぐね、時折受けるカウンターからピンチを招いた。
それでも、迎えた前半終了間際にジェフのエースが流れを変えるゴールを決める。フアン エスナイデル監督の指示でシステムを4-3-3に変更した直後の45分、左サイドでパスを受けた船山がトップスピードでボールを運び、ペナルティーエリア内で相手DFをかわしてシュート。これがゴール右隅に決まり、試合を振り出しに戻した。
後半は充実の試合運びだった。
51分には高い位置でボールを奪い、ショートカウンターから決定機を演出。55分にはCKのこぼれ球に反応した矢田がボレーシュートを放ち、さらに指宿、船山との連係から下平が決定機を迎えた。
逆転ゴールは61分。CKに合わせた近藤のヘディングシュートは相手に当たってこぼれたが、それを拾った船山が見事なポストプレー。丁寧に落としたパスを近藤が押し込んだ。
さらに直後の63分、プレッシャーをかけて相手からボールを奪った指宿が、ペナルティーエリアの左角付近からミドルシュート。これがゴール右隅に決まり、ジェフのリードは2点に広がった。
反撃を試みる熊本に対し、ジェフは冷静な守備で時間を進めた。82分には船山に代えて工藤浩平、89分には町田に代えて茶島雄介を投入。ボールの収まりどころを増やして相手をいなした。2点をリードしてからの約30分間は、ほとんど危なげなく、冷静な試合運びでリードを守り抜いた。ようやく手に入れた4試合ぶりの白星は、ポジティブな内容が詰まった90分間だった。
熊谷アンドリューが言う。
「正直、試合内容としては良くなかったと思います。それでも、みんなで一つになって戦うことができたし、攻守にわたって締めるところをしっかり締められた」
残り6試合。文字どおり一つになって、1戦1戦を全力で戦うだけだ。