「一戦必勝」の態勢で臨むジェフにとって、今節、フクアリに迎える大分トリニータは何としても倒したい相手だ。
アウェイの第1戦は特別な悔しさが残るゲームだった。カマタマーレ讃岐と京都サンガF.C.を相手に2連勝を収め、3連勝を懸けて臨んだ第7節。しかしジェフはボール支配率で圧倒しながら大量4失点を喫し、0-4で完敗。その後はツエーゲン金沢にも敗れ、手に入れかけた勢いを逃すゲームとなってしまった。
フアン エスナイデル監督は、その印象について次のように話した。
「とてもいいチームです。あの順位にいるのは、彼らがいいところを発揮できているから。もちろん監督も良い仕事をできている、選手も監督についていっています。嫉妬するくらいのモチベーションを持って、彼らは試合に臨んでいますし、そのモチベーションがあるから勝てているのだと思います」
結果について、ジェフと大分は対象的と言わざるを得ない。第37節終了時点で、大分は勝点66の3位に位置。J1自動昇格圏内である2位・町田ゼルビアとの勝点差はわずか2、首位に立つ松本山雅FCとの差は3と優勝争いに加わっており、最近5試合も4勝1敗と好調だ。
一方のジェフは前節までの2連勝で14位に浮上したものの、J1昇格プレーオフ圏内である6位横浜FCとの勝点差は15と、今節にも可能性が消滅するギリギリの戦いが続いている。ロアッソ熊本、モンテディオ山形から手にした2連勝でチームは自信を取り戻しつつあるが、崖っぷちの状況に変わりはない。
もっとも、だからこそチーム一丸となってこの難敵から白星を掴み取りたい。指揮官を中心とするチームにはそんな雰囲気が漂っているし、この一戦にすべてを懸けようとする選手たちの意気込みの強さは十分に伝わってくる。
熊谷アンドリューが言う。
「前回対戦は自分たちのミスでやられました。そこまで怖い感じはありませんが、試合を見ると前線が強力で推進力がある選手がいる印象です。ジェフとしては、そこをしっかりと抑えれば勝てる。ボールを回してくれたほうがハイプレスが効きやすいですし、奪ってからのショートカウンターを仕掛ける流れを作りたいと思います」
矢田 旭の頭の中にも“勝利の方程式”が浮かんでいる。
「大分はチームとして完成されているイメージがあります。後ろからつないだ上で前線の崩しとバリエーションが豊富で、“形”ができています。相手は優勝争いをしていますが、自分たちにとっては少しでも順位を上げるために勝たなければいけない試合です。前節・山形戦ではプレスが良く、ボールを奪い返せてしっかりと攻撃につなげられました。そのシーンを増やせば、支配と結果が変わります」
指揮官はこの試合について「楽しみ」と口にした。相手が順位表の上にいるチームでも、自分たちのち力を出し切れば勝てる自信はある。上位争いを演じる大分に借りを返し、可能性をつなぐ。指揮官の下、チームはこの一戦への士気を高めている。
矢田が言葉を続けた。
「(残り5試合は)一つひとつ勝つしかありません。一つでも順位を上げてシーズンを終えることが来シーズンにつながります。気持ちで負けてもいけません。自分たちのプライドのためにも、目の前の試合を勝ちたいです」
プライドを懸けて――。何としても大分に勝つ。
フアン エスナイデル監督
(大分は)とてもいいチームです。あの順位にいるのは、彼らがいいところを発揮できているから。もちろん監督も良い仕事をできている、選手も監督についていっています。フォワードだけが攻撃するのではなくて、全員が攻撃をする、勇気を持って攻撃をしてくるチームだと思います。嫉妬するくらいのモチベーションを持って、彼らは試合に臨んでいますし、そのモチベーションがあるから勝てているのだと思います。
私と同じようなスタイルでやってくるチームと対戦するときが一番楽しみです。どちらが強いかということを証明できるからです。そのほうが、“楽しみ”という言葉が正解か分かりませんが、“挑戦”というか、もっと考えさせられる状況にもなるし、相手の良いところを消す、もしくはどこかで弱点を突くとかいろいろ考えることができると思います。
大野 哲煥
(山形戦で)1対1の場面がありましたが、もし決められていたら相手の主導権になっていたのは間違いなかったし、あの時間帯は自分たちがすごく良い攻撃をしていて、自分たちがゲームを支配していたので、そこで(止めて)主導権を渡さなかったのは良かったと思います。(ここ7試合先発出場しているが)自分としてはそんなに慌てることなく、良いモチベーションで試合に臨めているなと感じています。普段どおりが一番なので、何か特別に持ち上げることはないのかなと思うし、自分の自然な感じでプレーできているので、それはいいのかなと思っています。
(次の相手・大分は)試合を見る限り、裏も狙ってきますし、全員が攻撃に上がっていこうという印象がありますが、そこは自分たちの守備をしっかりして、堅い守りで抑えていきたいと思います。
エベルト
(山形戦では)勝利を得られたことが大きかったなと、非常に良いゲームだったなと自分でも思っています。一番大事なことはその勝利によって、次の試合に向けての自信が得られるということですね。自分がピッチに立ったときはチームに貢献するために、勝利のためにベストを尽くすという気持ちで常に臨んでいます。
(次は大分戦だが)我々は相手によって戦い方を変えるということはしていません。どのチームも我々の裏を狙ってくることが多いですし、それに対して準備はできているので、そのリスクを恐れずに自分たちのやり方を貫いていきたいです。我々は良いチームだと思うので、本来ならもっと良いシーズンになっていたはずなのですが、残りの試合、毎試合毎試合魂を込めて戦って、良いシーズンの終わり方をしたいと思います。
ゲリア
山形戦は、(町田)也真人とのプレーを楽しめました。彼の動きの特徴をつかめるようになってきたし、彼も自分がどうするかを分かってくれている。お互いに良い関係を保てていると思います。
大分との前回対戦(第7節)は非常に厳しいゲームになったのを覚えています。ベンチで見ていて、日本のサッカーのペースを学べた良い試合でした。今回も絶対に良いゲームになると思っています。現在の大分は、順位が示すとおり良いチームであることは言うまでもありませんし、タフなゲームになることは今の時点ですでに分かっています。我々は山形戦でやったような、またそれ以上のタフで厳しい姿勢を全面に出して戦いたいと思っています。アグレッシブさを全面に出せば、結果はおのずとついてきます。
下平 匠
ホームでしばらく勝てていなかったので、(山形戦で)勝てたことはとても良かったと感じています。(ボールを)失った後も近い距離に味方の選手がいるので奪い返せましたし、自分たちがやりたいことをできる時間が長かったと思います。
(次の試合の)相手が大分ということは特別に意識しません。自分たちは自分たちのサッカーを貫くだけです。個人としては、大分が3バックでサイドがフリーになる時間が多くなると思っているので、攻撃の判断を見極めて、いつもどおりのプレーをしたいです。相手の攻撃を抑えて、僕らはしっかりと得点を取るだけです。ホームゲームは、残りあと3試合あります。引き続き、勝利のために頑張ります。
熊谷アンドリュー
(大分戦との)前回対戦は自分たちのミスでやられました。そこまで怖い感じはありませんが、試合を見ると前線が強力で推進力がある選手がいる印象です。ジェフとしては、そこをしっかりと抑えれば勝てる。ボールを回してくれたほうがハイプレスが効きやすいですし、奪ってからのショートカウンターを仕掛ける流れを作りたいと思います。
前節の山形戦では90分を通して自分たちのサッカーができていました。そのサッカーをレベル高くやり続けることが重要です。また距離感も良く町田選手、矢田選手、船山選手もしっかりとプレスバックをしてくれるので中盤の自分たちは助かっていて、狙いどころが定まりやりやすくなっています。
矢田 旭
大分はチームとして完成されているイメージがあります。後ろからつないだ上で前線の崩しとバリエーションが豊富で、“形”ができています。相手は優勝争いをしていますが、自分たちにとっては少しでも順位を上げるために勝たなければいけない試合です。前節・山形戦ではプレスが良く、ボールを奪い返せてしっかりと攻撃につなげられました。そのシーンを増やせば、支配と結果が変わります。
つないでくる相手ほどジェフの良さを出せますし、プレスの部分を意識すればショートカウンターが増えます。(残り5試合は)一つひとつ勝つしかありません。一つでも順位を上げてシーズンを終えることが来シーズンにつながります。気持ちで負けてもいけません。自分たちのプライドのためにも、目の前の試合を勝ちたいです。
[前節の結果/大分]
町田 3-2 大分
[前節の布陣/大分]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/大分]
09/15 大分 5-0 讃岐
09/22 山口 1-3 大分
09/29 水戸 1-2 大分
10/07 大分 2-1 京都
10/14 町田 3-2 大分
[過去の対戦成績]
15/06/21 大分 0-1 千葉
15/10/18 千葉 2-2 大分
17/07/01 千葉 4-1 大分
17/10/28 大分 1-2 千葉
18/04/01 大分 4-0 千葉