劣勢を強いられたゲームをスコアレスで終え、勝点1を獲得した開幕戦を「昨シーズンからの成長」と解釈するなら、なおさらこのホーム開幕戦で勝点3を奪いたい。
キャプテンの佐藤勇人が「難しい」と振り返ったとおり、敵地で迎えた愛媛FCとの開幕戦は我慢の90分だった。前半から矢田旭と茶島雄介を故障で失うアクシデントもあり、ゲームプランを変えざるを得ない難しいゲームだったことも間違いない。それでも最後まで集中力を切らすことなく、身体を張ってゴールを守り続けた。その末に手にした勝点1が昨シーズンからの進化であることを証明するために、アルビレックス新潟をフクアリに迎える今節はなんとしても“結果”を残したい。
フアン エスナイデル監督が言う。
「新潟が素晴らしいチームであることはわかっています。ただ、いつも言っていますが、まず大切なのは、我々がやるべきことをやること。それができれば勝てる可能性は高い。次の試合もそうなると信じています」
もちろん新潟も、J1昇格を争う強力なライバルと言えるだろう。
敵地で迎えた京都サンガF.C.との開幕戦はスコアレスドロー。序盤から主導権を握った新潟は、昨シーズンはガイナーレ鳥取でJ3リーグ得点王となったレオナルドと元日本代表FW田中達也の2トップを軸にアグレッシブな攻撃を仕掛け、何度も相手ゴールに迫った。
この2トップは大きな脅威だ。守備面の貢献度も高く、京都戦では高い位置でボールを奪ってショートカウンターを繰り出し、フィニッシュにつなげるシーンもあった。右サイドはDF川口尚紀の積極性、左サイドはMF高木善朗のテクニックを活かした攻撃が特徴で、組織的な守備からのカウンターを得意とする。この開幕戦では途中出場だったが、かつて日本代表の一員としてW杯の舞台に立った矢野貴章の存在感も際立つ。昨シーズンのホーム戦では、やはり途中出場から矢野の技術と高さに苦戦を強いられた。
愛媛戦でゲームキャプテンを務めた船山が言う。
「主力選手の多くが(昨シーズンから)残っていますし、良いチ―ムなのは間違いありません。昨シーズンの対戦成績は1勝1敗。アウェイで勝ちましたがホームで負けてしまったので、今シーズンは勝ち切りたいと思っています。どんな状況でも闘う姿勢を見せることをチーム全体で続けたいと思っています」
また、新潟の開幕戦における大きなトピックとして取り上げられているのが、4-4-2のセンターバックとして最終ラインを統率した大卒新人、新井直人だ。
キャンプ中の2月9日に加入が発表された新潟経営大出身の22歳は、開幕までのわずかな期間で頭角を現し、開幕スタメンを獲得。173センチと決して大柄ではないが、周囲とうまく連動した守備で無失点に貢献し、正確なフィードからチャンスを演出した。開幕戦を無得点で終えたジェフ攻撃陣にとっては、その新潟最終ラインをどのようにして攻略するかがポイントとなるだろう。
熊谷アンドリューが言う。
「(愛媛戦は)攻撃のときに厚みが作れていなかったので、ラスト3分の1のところをもう少しみんなで工夫していきたいです。個人としてもゴールに関わるプレーをしないと選手としてレベルアップできないと思っているので、(今シーズンは)もっともっと貪欲にトライしていきたい」
キャプテンの佐藤勇人は今シーズンの目標を「優勝」と明言する。その目標に近づくためにも、今シーズン最初の勝点3をこのホーム開幕戦で手にしたい。
フアン エスナイデル監督
スタジアムの雰囲気は間違いなく素晴らしいものになると思っています。ここのスタジアムで試合をさせていただくというのは、本当に私は大好きです。良いトレーニングをしてきたので、チームにも期待をしています。試合に関しては期待していますし、早く始めたいと思っています。
対戦相手が素晴らしいチームだということも分かっています。ただいつも言っているのですが、まず大切なのは、我々がやるべきことをやること。しっかりできれば、勝つ可能性が高いということです。次もそのようになる。良いサッカーをして、勝つ可能性が高まると私は思っています。
多くの方に来ていただければ来ていただくほど、環境や雰囲気は良くなると思います。私が言う必要もないほどファンの方たちに来ていただけると、私は確信しています。我々がやるべきことというのは、ファンの期待にいかに応えるか。良い試合をいかに見せるかということだと思っています。
佐藤 優也
(愛媛戦は)前半から交代枠をアクシデントで使うことになって、(守勢に回ってしまったのは)仕方ない部分もあったかもしれません。でもその中でもちゃんと失点ゼロで抑えることができました。昨シーズンはああいった状況で失点をしてしまうこともあったかもしれませんが、前節そこを0-0で終えることができたのは、ポジティブに捉えていくべきだと思います。(最終ラインでは)エベルトが良い。今シーズンは自信を持ってやっているのかなと思うし、コミュニケーションもしっかり取ることができているので、こちらとしても非常に助かっています。
新潟で接点があるのは(前節の出場メンバーの中では)高木善朗選手くらいです。ホーム開幕戦はたくさんのお客さんが来てくれると思うので、頑張りたいと思います!
熊谷 アンドリュー
(開幕戦で対戦した)愛媛は組織としてしっかりしていたチームで、攻守両面でどっちも後手に回ってしまった部分は改善しなきゃいけないと思っています。攻撃のときに厚みが作れていなかったので、ラスト3分の1のところをもう少しみんなで工夫していきたいです。個人としてもゴールに関わるプレーをしないと選手としてレベルアップできないと思っているので、(今シーズンは)もっともっと貪欲にトライしていきたいと思います。
ホーム開幕戦は(他の試合とは)全然違います。(新潟に)しっかり勝ち切って勢いをつけたいし、フクアリは嫌なスタジアムだという印象を他のチームに持たせられるようにやっていきたいです。新潟のサポーターはすごいという印象がありますが、ジェフのファン・サポーターの皆さんもすごいです。試合に勝って、サポーターの人数などでも勝つ。全部勝ちたいです。
小島 秀仁
(新潟は)個々の能力が高いチームなので、フリーにさせるとやられてしまいます。今、自分たちは失点しないことを継続してできています。それを継続しつつ、攻撃の部分でもっとチャレンジができれば素晴らしいものが見せられると思っています。(浦和でチームメイトだった大谷幸輝選手と田中達也選手については)大谷選手は、昨シーズンの後半戦(の対戦で)出場していませんでしたが、今シーズンは先発出場をしているようなので、ピッチで会えるのが楽しみです。田中選手については言うことありません(笑)。裏への飛び出しが脅威で、相手にしたら難しい選手です。ただ、お世話になった二人なのでピッチでお互いが良い部分を出しながら戦いたいと思います。その先にチ―ムが勝てれば良いですね。
堀米 勇輝
(開幕戦の相手・愛媛のように)引いてくる相手にはどうしても難しくなりがちですが、でももう少しサイドから勢いをもってゴールに向かってプレーできれば良かったなと思います。
(ホーム開幕戦の相手・新潟は)質の良い選手がたくさんいますし、新潟といったら堅守速攻のイメージがあるので、まずはしっかりポジションを取って自分たちのサッカーを表現することが大事だと思います。
ジェフのホームでプレーできるのはすごく楽しみです。対戦相手としてきたときのフクアリは、球技専用スタジアムということもあって応援に本当に勢いがあるなと感じましたし、味方になったときには頼もしいんだろうなと思っています。(ファン・サポーターの皆さんに)本当に心の底から認めてもらえるように、頑張りたいなと思います。
船山 貴之
前節の愛媛戦では2名の負傷者が出たのが痛手で、流れをもっていかれてしまった部分もありますが、途中から入った選手が頑張ってくれました。厳しい試合の中で、歯車が合わないところがあっても勝点1を拾えたのは、昨シーズンよりも成長している部分です。もちろん全員がこの試合に満足しているわけではありませんが、チームメイトも分かっている中での成長だと感じています。
(新潟は)対戦する主力選手の多くが(昨シーズンから)残っていますし、良いチ―ムなのは間違いありません。昨シーズンの対戦成績は1勝1敗。アウェイで勝ちましたがホームで負けてしまったので、今シーズンは勝ち切りたいと思っています。どんな状況でも闘う姿勢を見せることをチーム全体で続けたいと思っています。
クレーベ
だいぶアダプト(順応)してきています。フィジカル的にも仲間との連係面でも、以前に比べて良くなってきていると思います。(愛媛戦は)難しい状況での出場ではあったのですが、勝点1が取れたということをポジティブに捉え、これを次につなげていきたいと思っています。
新潟のカウエ選手とはポルトガルリーグでけっこう多く試合をしたことがあるので、良い選手であることは知っています。チームのために働く選手という印象で、フィジカルを生かしたボール奪取などに長けているので、警戒すべき選手だと思っています。
チームとしても自分としても、このホームゲームに向けてすごく気合が入っているので、気持ちのこもった良い試合になると思っています。
[前節の布陣/新潟]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/新潟]
02/24 京都 0-0 新潟
[過去の対戦成績]
2009/04/29 新潟 2-2 千葉
2009/09/12 千葉 0-1 新潟
2018/05/12 千葉 1-2 新潟
2018/07/29 新潟 1-2 千葉