佐藤勇人の言葉に強い危機感を感じ取れる。
「結果プラス内容の部分も、今は必要なのかもしれないと思います。それくらい前節の新潟戦の負けというのは大きなものがありました。山口戦は、チームとしても、個人個人の良さを出せるようにしていきたいと感じています。それがすべてだと思います」
絶対的な目標として「優勝」を口にする今シーズン、しかしそのスタートは1分1敗と出遅れた。特に前節、アルビレックス新潟にフクアリで喫した完敗のショックは小さくない。試合後、キャプテンは円陣の中心で「誰のせいでもない」と口にしたが、このままではいけないことは本人が一番よくわかっている。この悪い流れを断ち切るなら、幸運にもホームでの連戦となるこのレノファ山口FCとの第3節で結果を残すしかない。
「4失点は自分のせい」
そう振り返った副キャプテンの熊谷アンドリューも言葉に力を込めた。
「チームには申し訳ないと思っています。これを改善しないといけません。プレスのかけ方や球際でできることがまだ多いので、しっかりと意識高く取り組まないといけない。そこを試合でやらなければ、勝点を取りこぼしてしまいます。今週は必ず体現をしたいと思っています」
昨シーズン、8位でリーグ戦を終えたレノファ山口FCもJ1昇格を争うライバルのひとつと言えるだろう。昨シーズンのメンバーからは得点ラキング2位となる22得点を奪ったオナイウ阿道を大分トリニータへ、MF高橋壱晟をモンテディオ山形へ、MF大崎淳矢を栃木SCへ、さらにベテランDFの福元洋平と渡辺広大も放出。新たにサンフレッチェ広島からFW工藤壮人、FC岐阜からMF田中パウロ淳一、FC町田ゼルビアからMF吉濱遼平らを獲得して戦力を入れ替え、2年目の霜田正浩監督体制をスタートさせている。
開幕戦は柏レイソルを相手に1-2、第2節はヴァンフォーレ甲府を相手に2-5とホーム連戦で手痛い連敗を喫しているものの、やはり昨シーズンから評価の高い“内容”は決して悪くなく、ミスから失点を喫している印象が強い。丁寧に、テンポよくパスをつなぐスタイルは今シーズンのチームにも健在で、圧倒的な突破力を誇る田中パウロ淳一もアクセントとして機能している。この甲府戦でもサイドからチャンスを作り、左ウイングに位置する山下敬大が2つのゴールを奪った。
中盤のキーマンはキャプテンの三幸秀稔だ。甲府時代のチームメイトであり、2試合連続でスタメン出場している堀米勇輝が言う。
「今は山口のキャプテンになっていて、うまくチームを機能させている印象があります。彼が気持ち良くボールを触り出したら面倒になるので、その起点をつぶすこと。タイトに行くことで(相手は)嫌がると思っています。そこは一つのポイントです」
中盤の主導権争いは試合の流れを左右するだろう。前節の新潟戦で途中出場から良い流れを作った工藤浩平が意気込む。
「チャレンジャーの気持ちで、相手を上回る気持ちを持ってやっていかないといけないと思います。ホーム開幕戦でああいう負け方をしてしまい、(ファン・サポーターの皆さまを)すごくがっかりさせてしまったと思うので、しっかり切り替えて、次の試合からという気持ちで1試合1試合戦っていきたい」
まずは1点、まずは1勝。難敵の山口から勝点3を奪い、前へと進む活力にしたい。
フアン エスナイデル監督
山口戦は、先週日曜日の新潟戦とはまた別の試合になります。別のストーリーが待っている試合になると、私は思っています。我々のやり方は、いつも同じ。試合を支配する。ただそのためにはアグレッシブさが必要になってきます。攻撃をするときは覚悟を決めて行く。シュートをするときもそう。そういうことが必要になるかと思いますので、そういう意味でも先週の日曜日よりも良い状態になると、私は思っています。
(昨シーズンの山口との)アウェイは、今できていない“攻撃するときには必ずゴールまで到達する、行き切る”というところができていました。何度も言いますが、どんな試合も新しいページがめくられるわけであって、その前の試合は今回とはまったく関係なくなります。相手も同じではありませんし、我々も違います。選手も違いますし、同じ試合が繰り返されることはありえません。
あの試合は良かったです。だた、あの試合とはまた違う展開になると思います。もちろんあの試合と同じような、“行けるところは行く”ということは繰り返さなければいけないと思っています。アグレッシブさを忘れず秩序を保ちながら同じようなパフォーマンスを繰り返してほしいですが、“同じこと”は難しいです。もしかしたら、より良い試合になるかもしれませんしね。
乾 貴哉
前節の新潟戦は途中からの出場でしたが、短い時間の中でアピールをすることができたという手ごたえを感じています。周りを生かすことや守備面など試合を重ねるごとに良くなっているので、しっかりとチームメイトとコミュニケーションを取り、継続的にこれを続けていきたいと思います。
次の山口戦では、先発でも途中出場でも、どちらでも出られる準備をして初勝利を目指したいと思います。山口はトータル的にもうまい選手が多く、しっかりとボール回しをする印象もあります。自分たちは(ボールの)取りどころをハッキリさせ、ハメていきたいと考えます。自分の特長は攻撃面でのアグレッシブさです。今シーズンはシュートを意識しているので(ゴールも)狙っていきたいです。
田坂 祐介
(今節対戦する)山口のパウロ(川崎Fでチームメイトだった田中パウロ淳一選手)は足元の技術があるし、シュートもできる選手なので、良い形でボールを持たせないようにすることがチームとして大事になってきます。それ以上に、自分たちがどれだけボールを持って試合を支配できるかが、今は重要です。新潟戦は4失点し、得点もセットプレーからしか取れていません。そういう意味でも攻撃のコンビネーションがすごく重要になってくると思うので、それをしっかりやっていきたいと思います。
新潟戦では途中から浩平くんが入って中でタメができ、周りの選手が動き出しやすい形になりました。自分も上がれるチャンスができていましたし、サイドチェンジから良い形でクロスを入れることができました。ああいう形がもっと増えてくればチームとして押し上げられるし、シュートまで行けるチャンスが増えると思っています。
佐藤 勇人
新潟戦は(田中)達也のすごいシュートが決まってから少し難しくなってしまったかなと。どっちに転んでもおかしくない状況の中、あの一発で新潟に勢いが出たし、ウチは厳しい状況になってしまいました。
ホームでプレッシャーを感じる必要はありませんが、ホームで2連戦だからこそ、ここで自分たちがどういう結果をもぎ取れるか。もしかしたら、結果プラス内容の部分も、今は必要なのかもしれないと思います。それくらい前節の新潟戦の負けというのは大きなものがありました。次の山口戦で内容と結果をしっかり出せれば、また一つ自信を取り戻すこともできるし、いろいろな雑音も消せるのかなと思っています。山口戦は、チームとしても、個人個人の良さを出せるようにしていきたいと感じています。それがすべてだと思います。
堀米 勇輝
(山口の)三幸秀稔選手が(甲府在籍時代の)後輩で、ずっと一緒にいました。今は山口のキャプテンになっていて、うまくチームを機能させている印象があります。彼が気持ち良くボールを触り出したら面倒になるので、その起点をつぶすこと。タイトに行くことで(相手は)嫌がると思っています。そこは一つのポイントです。
チームとしてコンパクトでないと“強い塊”にはなれませんし、そうしないと山口にやられてしまいます。距離感とコンパクトを意識して、全体で戦いたいです。フクアリに来場してくれる皆さんに「楽しかった」と思って帰ってもらえるようにしたいですし、最高の雰囲気を作ってもらえているので、選手はそれに応えないといけません。次の試合は是が非でも勝ちたいので、頑張ります。
熊谷 アンドリュー
新潟戦は、自分のところでもう少しいろいろとできれば4失点をせずに済んだので、チームには申し訳ないと思っています。これを改善しないといけません。プレスのかけ方や球際でできることがまだ多いので、しっかりと意識高く取り組まないといけない。そこを試合でやらなければ、勝点を取りこぼしてしまいます。今週は必ず体現をしたいと思っています。
山口は後ろからつなげてくるイメージが強いので、そのぶんボールは取りやすく、カウンターを狙える機会が増えると感じています。相手に良い攻撃をさせないためにも、そこを抑えれば厳しい試合にならずジェフのチャンスになります。新潟戦では情けない試合をしてしまったので、次は頑張りたいです。
工藤 浩平
(新潟戦の)出場時間は少なかったですが、点を取りにいくために2トップと中盤の間でボールをもらって、ゴール前でチャンスを増やすことだけを考えました。ホーム開幕戦で勝点3を取れなかったのはやはり悔しいです。
(今節の相手・山口の霜田監督は)引き出しが多くて、選手のモチベーションの上げ方がうまいなという印象があって、選手がついていきやすい監督だと思います。連敗しているようですが、選手のモチベーションをしっかり上げてくると思うので、ウチもチャレンジャーの気持ちで、相手を上回る気持ちを持ってやっていかないといけないと思います。ホーム開幕戦でああいう負け方をしてしまい、(ファン・サポーターの皆さまを)すごくがっかりさせてしまったと思うので、しっかり切り替えて、次の試合からという気持ちで1試合1試合戦っていきたいです。
[前節の布陣/山口]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/山口]
02/24 山口 1-2 柏
03/02 山口 2-5 甲府
[過去の対戦成績]
17/04/15 山口 0-1 千葉
17/08/11 千葉 2-1 山口
18/06/02 千葉 2-2 山口
18/09/01 山口 0-4 千葉