1週間前、ジェフは決断の時を迎えた。
今シーズン初勝利を期して臨んだ敵地の水戸ホーリーホック戦は、後半アディショナルタイムの失点でまさかのドロー決着。数時間後、クラブはフアン エスナイデル監督の解任を発表し、翌日には江尻篤彦新監督の就任を発表した。
トップチームの指揮権を握るのは2010年以来9年ぶりのことだ。江尻新監督はその思いをこう話した。
「正直、複雑な部分はありました。監督を引き受けるにあたっては複雑な気持ちではありましたけども、個人的な部分も含めて、やり残したことが前回あったので、こういう状況ではあるんですけど、気持ちの中では、やってやるぞ!というような気持ちになりました」
“前回”は2009年にJ2降格を経験し、迎えた2010年のJ2リーグを4位で終えて昇格を逃した。「やり残したこと」は確かにある。その思いを、この8年間でしっかりと積み上げてきた。
そうして新体制で新たなスタートを切ったジェフだが、目標をJ2優勝、J1昇格とするなら依然として崖っぷちに立たされていることは間違いない。迎える今節は、大きな一歩を踏み出すための大事なゲームだ。フクアリに迎えるのは京都サンガF.C.。かつてジェフでプレーし、今シーズンから指揮を執る中田一三監督について、江尻が言う。
「中田一三監督は僕が(ジェフで)コーチだったときの選手で、良いチームを作っているなという印象ですね。(監督同士としての対戦は)非常に楽しみですし、順位や勝点を見てもらえれば(分かるとおり)、僕らがチャレンジャーということに変わりはないので、しっかり戦いたいなと思います」
中田新監督の下で変革のシーズンをスタートさせた京都は、白星が先行する幸先のいいスタートを切っている。
アルビレックス新潟との開幕戦はスコアレスドローに終わったものの、第2節は昇格組の鹿児島ユナイテッドFC、第3節は昇格候補の一角に挙げられるアビスパ福岡に連勝。前節は開幕4連勝の柏レイソルに敗れたものの、後半アディショナルタイムまでスコアレスを続ける粘り強さを見せた。
今シーズンの京都は間違いなく強敵だ。小島秀仁が言う。
「キャンプでも対戦をしましたが、ボールを大事につないでくるイメージがあるので、中を締めながら相手へのプレスをかけたいと思います。自由にやらせたらやれてしまう選手がそろっているので、『いつ行くのか、行かないのか』の判断が大事になってきます。プレスを外されずに行く場面を見極めて意思統一をして、ショートカウンターを仕掛けて縦への意識を強調したいと思います」
船山も決意を口にした。
「しっかりハードワークして、戦う姿勢を見せたいと思います。まずは1勝。1勝することによって、このチーム状況というのはガラっと変わる」
開幕4戦で2分2敗。監督交代に追い込まれた現状は、決してポジティブとは言えない。しかし、だからこそ次のゲームは大きなチャンスでもある。手に入れ損ねた勢いを取り戻すためにも、チームとして、クラブとしての力を最大限に発揮できるホームで何としても今シーズン初勝利を奪いたい。
江尻 篤彦監督
決して良い状態で来ている中でバトンタッチを受けたわけではないので、いろいろな問題があります。挙げればたくさんあるので、あれもこれもというよりは、改善のところを一つ二つちょっと今週は手掛けました。なおかつ(今節は)京都と試合をするので、その辺も含めて考えて準備はしているつもりです。
(キャンプ中のトレーニングゲームで対戦したときの京都と)今の京都のイメージは全然違います。中田一三監督は僕が(ジェフで)コーチだったときの選手で、良いチームを作っているなという印象ですね。(監督同士としての対戦は)非常に楽しみですし、順位や勝点を見てもらえれば(分かるとおり)、僕らがチャレンジャーということに変わりはないので、しっかり戦いたいなと思います。
鈴木 椋大
(京都戦に向けては)誰が出るかは分かりません。もし使ってもらえたならば、次こそは結果を求めていきます。京都とは、沖縄キャンプでトレーニングゲームをしました。前線にはフレッシュな選手が多く、後ろは経験のある選手がおり、バランスが取れている印象です。ボールを持つことはジェフの選手のほうがうまい。ボールを持てる時間が増えれば、攻め込まれずに済みます。ただ(京都には)縦に速い選手もいるので、カウンターを受けたときのリスク管理がゴールキーパーに求められると感じます。
チームとしての決まり事を徹底し、声を出して味方を鼓舞したいと思います。試合後、ファン・サポーターの皆さんには笑顔で帰ってもらいたい。応援してくれる方々に勝点3を届けるために、選手全員で頑張ります。
新井 一耀
(新しい体制となり、チーム内でも)また競争が生まれています。これでしっかり結果を出せれば、もっと良くなっていくと思います。(先発出場した前節・水戸戦は途中交代したが)90分をとおして試合に出て、無失点に抑えなきゃいけない。試合に出ることでついてくる体力もあるだろうし、そういう意味でも継続して試合に絡んでいきたいと思いました。
京都はしっかりとつないで崩してくるチームだと思うので、ウチがどれだけボールをしっかり持って、相手に主導権を握らせないようにするか。それが大事です。守備で前からボールを取れればこちらのチャンスもおのずと増えるので、自分たちのストロングな部分を出していきたいです。フクアリでのプレーは大学以来だし、ホームで試合に出たいという気持ちは強いです。勝って、サポーターの皆さんに勝点3をプレゼントしたいです。
鳥海 晃司
前節・水戸戦が今シーズン初出場(83分から出場)となりました。相手の左サイドハーフを抑えることはできたと思いますが、(ボールが)ゴール前にこぼれたところをやられてしまいました。アウェイで(勝点)1ポイントを取りましたが、3ポイントを取れたはずのゲームだっただけに悔しさが残ります。だからこそ、この京都戦には絶対に勝ちたい。まだ今シーズン、ホームで勝てていないということもありますが、選手全員が気持ちを全面に出したプレーを見せていきたいと思います。個人的にも出遅れてしまったので、ここからさらにパフォーマンスを上げて、ベストに持っていけるように1日1日を大切に過ごしていきたいです。
小島 秀仁
(京都とは)キャンプでも対戦をしましたが、ボールを大事につないでくるイメージがあるので、中を締めながら相手へのプレスをかけたいと思います。自由にやらせたらやれてしまう選手がそろっているので、「いつ行くのか、行かないのか」の判断が大事になってきます。プレスを外されずに行く場面を見極めて意思統一をして、ショートカウンターを仕掛けて縦への意識を強調したいと思います。
ホームでの試合となるので、自分たちは結果を残さないといけません。サポーターの皆さんにも悔しい思いをさせてしまっています。大敗をしても「顔を上げろ」と言ってくれる気持ちを考えると、やはり自分たちはやらなければいけません。下を向いている暇はありません。どんなときでも全力でのプレーを見せたいと思います。
工藤 浩平
監督交代には、僕ら選手もすごく責任を感じています。それを気持ち新たにというか、いいきっかけにしないといけないし、個人的には(2010年江尻監督時代にキャプテンを務めて)江尻さんでJ2に降格し、J1に上がれなくてという悔しいシーズンを送っています。江尻さんが監督に就任したタイミングで自分も(ジェフに)いるというのは何かの縁を感じますし、しっかり力を貸しながらチームとして進んでいけるように努力していかなきゃいけないと思います。
(古巣である京都は)楽しみな相手チームの一つです。(元チームメイトである)安藤淳選手とは、メンバーにお互い入れれば対戦は楽しみです。ジェフのDNAを持っている監督のもとで、選手がしっかりついていきながら、まずは1勝することがチームにとって一番大事なことだと思います。
船山 貴之
(監督交代に関しては)率直にフアン(エスナイデル前監督)に本当に申し訳ないなという気持ち、ただそれだけです。(江尻新監督になって)戦術だったりは変わるかもしれないけれど、サッカーに対する気持ちやジェフに対する気持ちは変わらないので、そこに関しては全然問題はないんですが、やっぱり寂しいなという気持ちはあります。監督が代わって、自分が出られるかどうかも分からないですし、しっかりアピールしていかないといけないし、気持ちも整理していかないといけないのかなと思いますね。
(京都戦は)しっかりハードワークして、戦う姿勢を見せたいと思います。まずは1勝。1勝することによって、このチーム状況というのはガラっと変わると思うので、まずは1勝して落ち着きたいですね。
[前節の布陣/京都]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近の戦績/京都]
02/24 京都 0-0 新潟
03/02 京都 2-1 鹿児島
03/09 福岡 0-1 京都
03/17 京都 0-1 柏
[過去の対戦成績]
17/04/01 千葉 2-2 京都
17/09/30 京都 2-0 千葉
18/03/25 千葉 2-0 京都
18/11/10 京都 0-3 千葉