TOP TEAM選手・試合情報

2019 SEASON MATCHES試合日程・結果

次につながる勝点1。



価値ある勝点1を手に入れて、新体制はその初陣を終えた。

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインの3バックは右から新井一耀、増嶋竜也、エベルトの3人。中盤はダブルボランチに佐藤勇人と小島秀仁が入り、右サイドに田坂祐介、左サイドに下平 匠が位置。2列目に船山貴之と為田大貴が並び、1トップにクレーベが入った。

立ち上がりの5分は京都がボールを動かし、ジェフはやや構える形からのカウンターを狙った。ただし、守勢に回っているように見えたこの時間帯も「やられている」という感覚はなかった。増嶋が振り返る。

「立ち上がりも少し相手がボールを持つ時間が長かったと思いますが、相手の状況を見ての対応でもあったし、『相手に来させる』という意識がありました。『やられている』という感覚もなかったと思います」

ジェフは8分に為田、9分にクレーベと立て続けにシュートを放ち、10分には田坂の見事なインターセプトからチャンスを作ったが、為田のシュートは枠に飛ばない。すると、直後にはアクシデントによってゲームプランの変更を余儀なくされる。15分、相手選手との接触で倒れた小島はプレーを続けることができず、18分、ケガからベンチに戻ったばかりの矢田旭がピッチに送り込まれた。

イヤな流れは続いた。直後の21分、ジェフは自陣でのボール回しを相手に奪われ、左サイドから上げられたクロスをファーポスト際に飛び込んだ小屋松知哉に押し込まれ、ビハインドを負う展開となった。

もっとも、30分を過ぎたあたりから試合の流れはジェフに傾き始めた。32分には前線からのプレスで相手を追い込み、パスコースを読んだ佐藤勇人がインターセプト。クレーベのミドルシュートはゴール右に外れた。その後もジェフは両サイドの田坂と下平が高い位置を取り、相手を押し込んで中盤の主導権争いでも優位に立った。矢田や船山が中盤を組み立て、下平と為田の左サイドから仕掛ける攻撃で何度もチャンスを作った。

後半に入っても勢いは衰えなかった。58分には再びケガのアクシデントからクレーベに代わってアラン ピニェイロがピッチに送り込まれたが、アラン ピニェイロは左右に流れてスペースを作り、船山や為田の動きをうまく引き出した。65分には増嶋の見事なインターセプトから一気に攻勢を強め、波状攻撃を仕掛ける。ゴールには届かなかったがジェフの時間が続き、スタジアムの盛り上がりも加速した。

そして迎えた76分、船山が蹴った左CKはファーサイドに流れ、飛び込んだ新井がきっちりと押し込んで同点弾を奪う。82分には為田に代わって堀米勇輝が送り込まれ、ジェフは逆転ゴールを狙って攻勢を強めた。

ただし、ピッチの中は終始冷静だった。佐藤勇人が振り返る。

「試合終盤は勝ちにいく雰囲気があったと思うのですが、もちろん3ポイントを狙うけれど、失点だけは絶対に避けようと。そういうリスク管理を共通理解として持てていたので、そこはすごく良かったと思います」

逆転ゴールを奪うことはできなかった。それでも、ジェフは最後までアグレッシブな攻撃姿勢を貫き、守備のリスク管理も忘れなかった。この勝点1の意味は間違いなく大きい。江尻監督が言う。

「選手たちは準備したことをきちんと遂行してくれたし、戦ってくれたと思います。同点に追いついて、最後にもうひとつ取れればとは思っていましたが、そんなに簡単なリーグではないので。これをポジティブに捉えて、次の試合で勝点3を奪えるようにしたい」

次節は敵地・福岡に乗り込む。大きなエネルギーとなる勝点3を奪いに。