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2019 SEASON MATCHES試合日程・結果

ついに手にした勝点3。



悲願の初勝利の瞬間が、アウェイの地・福岡でついに訪れた。

スタメンは前節に続いて3-4-2-1の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは右に新井一耀、中央に増嶋竜也、左にエベルトの3人。ダブルボランチの一角として出場予定だった佐藤勇人はウォームアップ時のケガによってメンバー外となり、代わりに田坂祐介が入り、矢田 旭とのコンビを形成した。右サイドにはケガから復帰したゲリア、左サイドには下平 匠が入り、2列目には今シーズン初スタメンとなる工藤浩平と同2試合ぶりの堀米勇輝が位置。1トップにはアラン ピニェイロが入った。

立ち上がりから理想的な展開だった。3分に堀米が得意のドリブルで仕掛け、6分には下平のクロスから長い距離を走った工藤がシュート。2列目に位置した堀米と工藤は相手のワンボランチ、鈴木 惇の脇のスペースに何度も飛び込んでボールを受け、フィニッシュに持ち込むことで相手を押し込んだ。

ボランチに入った田坂も効果的な縦パスで攻撃を組み立て。7分には見事なミドルパスで相手最終ラインの背後を突き、堀米のシュートを演出。右サイドからはゲリア、左サイドからは下平も攻撃に絡み、厚みあるチャンスメイクでいくつかのチャンスを演出。15分以降はやや落ち着いた試合展開となったものの、23分にはアラン ピニェイロのポストプレーから工藤がシュートを放つなど、ジェフは時間の経過とともにボール支配を強めていった。

迎えた後半は、その色がさらに濃くピッチに表れる。

48分にはエベルトがヘディングシュート、50分には下平がミドルシュート、53分には矢田が同じくミドルシュートを放ち、56分には田坂のシュートがわずかに枠を外れた。守備陣の集中力も高く、ロングフィードを跳ね返してはセカンドボールを拾い、また攻撃に転じてチャンスを作り続けた。迎えた64分、江尻監督は工藤に代えて茶島雄介を投入。直後の65分にはその茶島が決定的なチャンスを作ったが、アラン ピニェイロのフィニッシュは失敗に終わった。

それでもジェフの勢いは衰えなかった。69分、堀米に代えて佐藤寿人が投入されると、むしろその勢いはさらに加速した。そして迎えた80分、絶好の位置で得たFKを茶島が直接決め、ジェフがリードを奪った。

茶島が振り返る。

「ひとつ前に同じようなシーン、同じような位置からのFKがあったので、僕は蹴らなかったけどいいイメージができていました。FKを取った瞬間に(佐藤)優也さんに呼ばれて『(相手の)GKが寄っているから、ニアを巻いたら入るぞ』と言われたので、そのとおりに蹴りました」

残り約10分間の試合運びは危なげなかった。守備陣は集中力を維持し、攻撃陣はボールをキープして時間を使いながら、相手のカウンターの威力を軽減するためできるだけ深いところまでボールを運んだ。

佐藤寿人が言う。

「自分は点を取りに行くという役割でピッチに入って、リードしてからは試合をきっちりと締めるという仕事があったと思います。目の前の相手に負けない、走り勝つ、球際で戦う、そういう勝つためのプレーを全員がピッチの上で表現できていたと思います」

試合前、江尻篤彦監督はこんな言葉で選手たちをピッチに送り出したという。

「今、我々が置かれている状況は逆にチャンスだ」

全員で掴んだチャンスだ。これを活かすためにも、勝利を積み重ねたい。