今シーズン初の3連勝をかけて挑んだツエーゲン金沢戦は先制点が勝負の分かれ目となった。
先発は3-4-2-1の布陣。GKに佐藤優也。3バックは右から新井一耀、増嶋竜也、エベルト、そしてダブルボランチには、田坂祐介と矢田旭が形成し、右サイドにゲリア、左サイドに下平匠が位置。シャドーには堀米勇輝、工藤浩平が並び、1トップにクレーベが構えた。
前節・今シーズン無敗だったFC琉球を撃破し、波に乗るジェフは立ち上がりからアグレッシブに攻めるが、リーグ2位の得点力を誇る金沢は、速い展開とタイミング、そしてロングボールを集めることでジェフ陣内に侵入する。
10分には際どいシュートを放たれヒヤッとする場面もあったが、縦パスへのチャレンジでスイッチを入れ、押し返す。
クレーベがキープすると2シャドーが裏に抜けるプレーで金沢の最終ラインを揺さぶった。両サイドも果敢なオーバーラップで攻撃に厚みを加えた。
チームとして守備への意識を共有。カウンターを受けても帰陣を速めながら、増嶋を中心にリスクマネジメントを徹底すると28分、金沢に与えたフリーキックを佐藤優也がファインセーブ。ピンチを救った。
一進一退の攻防が続き、スコアレスで迎えた後半、最初のチャンスは金沢だった。ドリブル突破を許し強烈なシュートを打たれるも、佐藤優也がブロック。背番号23がきっちりとゴールに鍵をかけた。
江尻篤彦監督は、51分に堀米から茶島雄介へとカードを切る。すると66分には茶島がペナルティーエリア手前でシュートを狙うがキーパーにキャッチされてゴールには至らなかった。
しかし、72分、右サイドからのクロスを一旦はクリアするが、ゴール前の混戦を小松蓮に押し込まれてしまった。
ここでクレーベからアラン ピニェイロを投入すると、続く81分には佐藤寿人を送り、2トップの形にし、得点をもぎ取りにかかる。
84分には、ゲリアのクロスをアラン ピニェイロがボレーシュートを放つが僅かに外れてしまう。
苦しい時間帯が続くが、黄色の戦士たちは誰も諦めることなくゴールを目指した。
佐藤優也は、攻撃陣の気持ちに呼応し、90分、90+2分にも素晴らしい反応をみせゴールを死守。
チームは猛攻を見せたが0-1の惜敗となった。
江尻監督は試合を振り返り、「選手は一生懸命に戦ってくれました」と言うと「金沢さんの縦に速い攻撃を何とか、食い止めたかったのですが、その中で、やれていること、やれていないことが明確になってきました」と手応えと課題を口にした。
ゴールまで、あと一歩が届かず、最後まで1点が重くのしかかる結果となった。
田坂は「自分たちが構えた状況から跳ね返し、そこからうまくつないで前へ出ていくことを目指してやっていました。でも守備で後手に回った部分はあったと思うので、そこは前から奪いに行くときと引いて守るときのメリハリをもってやれればよかったと思います」と話した。
ジェフにとっては、この敗戦を引きずらないことが重要となり、次節はホーム・フクアリに戻りファジアーノ岡山と対戦をする。
アラン ピニェイロは力強く言う。
「次の岡山戦に向けて、また準備していきます。毎日のトレーニングから、全力で取り組んでいるので、次にまたチャンスがあったら、ゴールを決めて勝利して、みんなと喜べるようにしたいと思います。次はホーム・フクアリでゴールを決められるように頑張ります」
出来たこと、出来なかったことを整理し、自分たちの力を信じて前に進んで行く、それだけだ。