勝点3を手に入れたいゲームだった。1-1という結果に、監督も選手も悔しさをにじませた。
スタメンは3-4-2-1の布陣。前節と同じメンバーが顔を並べた。
GKは佐藤優也。3バックは右から新井一耀、増嶋竜也、乾貴哉。ダブルボランチに熊谷アンドリューと矢田 旭が並び、右サイドMFに茶島雄介、左サイドMFに為田大貴が位置。2列目に船山貴之と堀米勇輝、1トップにクレーベが入った。
立ち上がりの3分。為田と船山のコンビネーションで左サイドを突破し、ペナルティーエリア内に飛び込んだ熊谷を経由してクレーベへ。相手2人を茶島とのワンツーパスでかわしてクレーベがシュート。素晴らしい形でのフィニッシュだったが、このシュートは惜しくもGKの正面に飛んだ。
先制点が生まれたのは、立ち上がりからいい流れを作って迎えた11分。矢田が左サイドに展開すると、為田がニアサイドにクロス。走り込んだクレーベのヘディングシュートは惜しくもポストに当たったが、素早く反応した船山が落ち着いてゴールに流し込んだ。
勢いは止まらない。14分には熊谷から左サイドに展開し、為田がクロス。堀米が競って右サイドに流れるが、フリーの状態でこのボールを受けた茶島がワントラップから強烈なシュートを放った。GKのビッグセーブに阻まれたものの、これも相手を揺さぶって生まれた決定機だった。
圧倒的に押し込んだ前半について、ゴールを挙げた船山は追加点を奪えなかったことを悔やんだ。
「前半はほぼウチのペースだったと思います。追加点を取れなかったことが今日のこういうゲーム展開を招いてしまった原因のひとつ。攻撃にも守備にも課題があって、だからこういう結果になってしまう。チームとしての未熟さが出てしまいました」
それでも、後半最初の決定機を作ったのはジェフだった。
52分、右サイドからパスをつないで矢田が左に展開すると、為田のクロスに飛び込んだ堀米がボレーシュート。ビッグチャンスだったが、シュートはゴールの上に大きく外れた。堀米が言う。
「いい形で押し込めていたので、自分自身もしっかり決めきらないとこういう試合になってしまう。最後の質の部分で、試合を決定づける役割を自分自身に求めているし、そういう部分で結果を残さないとポジションもなくなってしまうので。そこにはもっとこだわらないといけません」
ここから流れは一変し、後半は守備に修正を加えた東京Vにペースを握られる。62分に左サイドからのクロスのこぼれ球を河野広貴に決められて1-1の同点。途中出場のレアンドロを起点とする東京Vの攻撃に押し込まれ、試合開始前に30度を記録した暑さの影響から徐々に運動量が落ち、セカンドボールを拾えなくなって再び攻勢に出ることができなかった。
試合は1-1のまま終わって勝点1を獲得したが、前節のFC岐阜戦で手にした勢いを拡大するためには、なんとしても勝利をつかみたいゲームだった。江尻篤彦監督が言う。
「我々にとっては勝点3を挙げなければいけない大きな試合だったと思います。それが勝点1になってしまって、上にあがるために大事な勝点を落としてしまった」
次節の相手はV・ファーレン長崎。ホームでもう一度歓喜の瞬間を味わいたい。