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2019 SEASON MATCHES試合日程・結果

前半に圧倒され、完敗。



試合後の記者会見で、江尻篤彦監督は敗因を口にした。

「前半は相手の圧力に対して後手を踏んでしまったという形が後半も続いてしまった」

スタメンは3-4-2-1の布陣。GKは鈴木椋大。3バックは新井一耀、鳥海晃司、乾 貴哉の3人。ボランチに熊谷アンドリューと矢田 旭が入り、右サイドに茶島雄介、左サイドに為田大貴が位置。2列目には堀米勇輝と船山貴之と並び、1トップにクレーベが入った。

江尻監督の言葉のとおり、前半の45分間は相手に圧倒された。

まずは2分、中央からジェフの右サイドに展開されると、菊池大介にクロスに飛び込んだ江坂任が反転シュート。これはゴール上に外れたが、このシュートを皮切りに柏の猛攻が続く。特にジェフの左サイド、乾貴哉の背後のスペースを執拗に狙われ、21分にはそのエリアを突破した小池龍太がクロス。決定機を演出した。

そして、柏の攻勢を止められないまま迎えた25分。ジェフはゴールキックからパスをつないで攻撃を組み立てようとしたが、そのボールを相手に奪われてショートカウンターを受ける。ポジショニングがズレていた最終ラインの“穴”をカバーすることができず、最後はフリーの状態でパスを通されたクリスティアーノにゴールを奪われてしまった。

劣勢は続く。31分にはジェフの右サイドの裏を瀬川祐輔に取られてピンチを招くが、GK鈴木椋大のビッグセーブで失点を回避。しかし39分、今度は最前線から引いてパスを受けたクリスティアーノのポストプレーに乾が釣り出され、そのスペースを小池龍太に突かれて突破を許す。正確なクロスを押し込んだのは瀬川祐輔。ジェフは2点のビハインドを負い、前半を終えた。

後半、江尻監督は修正を図った。開始から堀米に代えて佐藤寿人、乾に代えて下平 匠を投入。フォーメーションを4バックに変更し、悪い流れを断ち切ろうとした。

効果はあった。60分には熊谷からの縦パスを受けた為田がラストパス。船山にはわずかに合わなかったものの、可能性を感じさせる攻撃だった。さらに63分には下平のアーリークロスを佐藤寿人が胸トラップからボレーシュート。72分には熊谷の縦パスを受けたクレーベが敵陣深くまでドリブルで進入し、高精度のクロスを入れて決定機を作った。後半のジェフはそうして反撃ムードを演出した。しかし最後までゴールを奪うことはできなかった。

為田が振り返る。

「完全に相手のほうが上だったと思うし、ダービーにおける戦い方という意味では、僕らのほうがヘタだったと思います。自分たちで崩れた部分もあるし、自分のプレーも含めて、1対1の局面、球際のところ、すべてにおいて相手のほうが上でした」

途中出場した下平はこのゲームで露呈した課題を口にした。

「押し込むぞというシーンでボールを奪われることも多く、逆に、ボールを持てればミスマッチをうまく使えるけれど、失い方が悪いとそこを使われる。そういうシーンが多かったと思います」

為田の言うとおり、このゲームは完敗だったと言わざるを得ない。リーグ戦では9年ぶりに実現したダービーでの黒星は痛いが、もう一度自分たちを見つめ直し、ひとつずつ課題を克服して前に進むだけだ。