3失点で初戦敗退。

取るべき時間に取り、守るべき時間に守る。今のジェフが直面している大きな壁に、またしても行く手を阻まれる結果となった。

天皇杯初戦となる2回戦。ホームフクアリにファジアーノ岡山を迎えたジェフは、リーグ戦での出場機会が少ないメンバーを中心とする3-4-2-1の布陣を敷いた。GKは佐藤優也。3バックは右にベラスケス、中央に新井一耀、左にエベルトの3人。ダブルボランチに矢田旭とキャプテンマークを巻いた小島秀仁が並び、右サイドには山本真希、左サイドには下平 匠が位置。2列目に堀米勇輝と工藤浩平、1トップにアラン ピニェイロが入った。

立ち上がりから主導権を握ったジェフは、12分に最初のチャンスを作った。斜めのランニングで最終ラインからの縦パスを引き出したアラン ピニェイロが、相手DFを背負いながらも振り向きざまにボレー。強烈なシュートは枠を捉えたが、GK金山隼樹の好守に阻まれてゴールを割ることはできなかった。

一方、守備面ではミスからピンチを招いた。16分には中盤でボールを奪われると岡山のカウンター攻撃を受け、岡山のFW中野誠也に決定機を作られる。前半はボールをキープして攻撃を仕掛けるジェフと、ボール奪取からのカウンターを仕掛ける岡山という構図に終始。ジェフは20分、CKからエベルトが強烈なヘディングシュートを放ったが、直後の25分にはサイドを崩されてピンチを招いた。そうした攻防の中で、先制点を奪ったのは岡山だった。

前半終了間際のアディショナルタイム。岡山のCKからDF増田繁人にヘディングシュートを決められて失点。ジェフは1点のビハインドで前半を折り返したが、やはりこの失点は大きく結果に響いた。山本真希が言う。

「失点の時間帯がよくなかった。ゼロで終わるべき時間帯でしたし、あの時間帯は僕のサイドで何度か崩された中で奪われたCKだったので、その点については責任を感じています」

後半の立ち上がりも攻勢に出たのはジェフだった。

53分には中盤でテンポよくパスをつなぎ、中央に飛び込む形で小島からの縦パスを受けた山本がGKと1対1に。しかしシュートはゴール右に外れ、同点のチャンスを逸した。ジェフはその後も波状攻撃を仕掛けるが、54分、56分のチャンスもゴールには至らず。逆に70分には岡山のカウンターを受け、中野誠也のラストパスから福元友哉に決められてビハインドは2点となった。

江尻監督は失点直後の70分に堀米に代えて船山貴之、76分に矢田に代えて為田大貴、79分にはベラスケスに代えて安田理大を投入するが、終盤の猛攻も実らず、アディショナルタイムに3失点目を喫して万事休す。天皇杯は初戦で幕を閉じた。

公式戦デビューとなったベラスケスは、力を込めて今後への意気込みを口にした。

「自分にとっては8カ月ぶりの公式戦だったのですが、今後は自分もメンバーの一人として、ピッチに立つ時間が増えるようにさらに努力したいと思います。自分はこのチームの戦力になるために日本に来ました。少しでも力になって、チームの勝利に貢献したいと思います」

舞台はJ2リーグに戻り、週末の7日には徳島ヴォルティスと、翌週の14日にはFC岐阜とのアウェイ連戦が待っている。もう一度気持ちを切り替えて、次なる試合に臨みたい。