TOP TEAM選手・試合情報

2019 SEASON MATCHES試合日程・結果

防戦一方も、手にした勝点1。



チーム全員で集中力を維持し、身体を張って手に入れたアウェイでの勝点1だ。

試合後に「準備していた」と話した江尻監督は4-4-2のシステムを採用。GKは鈴木椋大。最終ラインは右にゲリア、中央に鳥海晃司と増嶋竜也、左サイドに乾 貴哉の4人。中盤の右サイドに6月21日に来季加入内定と2019シーズンのJFA・Jリーグ特別指定選手登録が発表された見木友哉、左サイドに為田大貴が入り、ダブルボランチに熊谷アンドリューと佐藤勇人が位置。2トップにはクレーベと船山貴之が入った。

幸先のいいスタートだった。先制点を奪ったのはジェフ。試合開始直後の4分のことだ。

敵陣ペナルティエリアに相手を押し込むと、クリアミスを拾った佐藤勇人がクレーベに縦パスを入れ、自らペナルティエリア内に突進する。クレーベがノールックで佐藤勇人に折り返したパスは通らなかったが、右サイドから猛然と追いかけた見木が相手GKより1足速く追いつき、ファウルをもらってPKを獲得。これを船山が冷静に決め、ジェフに先制点をもたらした。

しかし、これ以降は防戦を強いられた。

徳島はサイドチェンジを多用してジェフ守備陣を揺さぶり、高い位置でフリーの状態を作ると迷わず縦に仕掛けた。見応えがあったのは、徳島の右サイドに位置した岸本武流とジェフの左サイドを務めた乾のマッチアップだ。ジェフは20分前後の時間帯から何度も左サイドを突破されかけたが、そのたびに乾が身体を張って簡単にはフィニッシュに持ち込ませなかった。27分はカウンターからその岸本にシュートを打たれ、29分にはCKからヨルディ バイスにヘディングシュートを打たれたが、なんとかしのいでゴールを割らせなかった。

しかし後半に入っても、その流れは変わらなかった。

徳島のリカルド ロドリゲス監督は後半開始と同時にDF石井秀典に代えてMF渡井理己を投入。システムを3バックに変更した。ジェフはこの渡井の動きを捕まえきれず、起点を作られてさらに守勢を強いられる。この時間帯に存在感を際立たせたのは、GK鈴木。49分には見事な飛び出しでクロスをパンチングすると、51分にも同様に判断のいい飛び出しでピンチを回避。直後の52分には佐藤晃大との1対1の場面でビッグセーブを見せた。

鈴木が振り返る。

「後ろは耐える時間が長くなることを予想していたので、なんとか点を取られないように。攻め込まれてはいましたけれど、みんなも最後のところで身体を張って守ってくれていました」

しかし、迎えた59分、ジェフの左サイドを縦パスで攻略され、グラウンダーのクロスから渡井理己にゴールを決められる。これで1-1。試合は振り出しに戻った。

最後の最後まで防戦は続いた。それでも、ジェフは高い集中力と粘り強い守備で最後までゴールを守り続けた。特に後半はほとんど攻撃の機会を作ることができなかったが、システムを変更して臨んだゲームで、勝点1を確保できたことはポジティブに捉えられそうだ。佐藤勇人が言う。

「もちろん、順位を上げるためには3ポイントが必要であることは間違いないので、リードした展開であった以上、3ポイントを取りたかったというのが本音です。ただ、次もアウェイで岐阜との対戦になりますが、今日の結果を踏まえた上で、岐阜戦では3ポイントを取ることが本当に重要だと思います」

キャプテンが言うように耐え抜いて手に入れた勝点1だからこそ、次のゲームで勝点3を取りたい。アウェイの戦いが続くが、ここが踏ん張りどころだ。