シーズン後半戦の初戦となったFC岐阜との前節は、江尻篤彦監督体制のジェフにとって、新たなスタートを印象づける90分間だった。
指揮官が振り返る。
「トレーニングでやったことがよく出ていたのかなと思います。だからといって勝点1でOKなわけはないので、すごく残念なゲームでした。でも今は下を向いている場合ではありません。最後に追いついてくれた、選手が意地を出してくれたと思っているので、その点をポジティブに捉えて福岡戦に臨みたい」
スタートポジションで4-4-2、状況に応じて4-2-3-1や4-4-1-1のように変形フォーメーションを採用するジェフは、攻撃時における選手の自由度を高め、選手一人一人の活動量を上げてボールサイドで数的優位を作るスタイルをはっきりと示した。江尻監督が「残念なゲーム」と振り返る理由は、その攻撃に手応えを感じながらも先行し、リードを広げる展開に持ち込めなかったことにある。
ただし、先制点、勝ち越し点を奪われながらも最終盤に追いついて手に入れた勝点1の価値は決して小さくない。天皇杯を含めた直近の公式戦5戦で未勝利と白星から見放される苦しい時期が続いているが、3試合ぶりのホームで、この1ポイントの価値を証明できるかどうかが今節のポイントだ。
そうした意味において、この重要な一戦でアビスパ福岡と向き合えることは、ジェフにとってポジティブに捉えることができそうだ。
福岡は第22節終了時点で勝点20、19位と下位に甘んじているが、メンバーの顔ぶれを見れば江尻監督が言うとおり「決してこの順位にいるようなチームではない」。今節は司令塔の鈴木 惇が累積警告による出場停止となるが、選手層は厚く、それほど大きな影響は見られないはず。今月はFWペドロ ジュニオールと村田和哉の獲得を発表しており、さらに強力な陣容を整えつつある。もっとも、攻撃に強みを持つ相手はジェフにとって望むところだ。構えて守る相手よりずっと戦いやすい。
堀米勇輝が言う。
「(福岡の印象は)以前はポジションを取り、ボールをつないでいましたが、監督が代わりシステムも変わっています。たとえば相手が3バックで(守備時に)5枚で蓋をしてくるなら、ジェフが押し込める形が多くなると思います。単にクロスを上げるだけでは崩れないので、しっかりどこを突くのか、どこが(相手にとって)嫌なのか、ボールを動かしながら相手を動かしたい」
佐藤寿人は「良い変化は起きている」と自信を示した。
「チームとしては、意図的にチャンスを作ることをもっとやらなければいけませんし、勝利を重ねることで前に進めると思います。間違いなく良い変化は起きていると思うので、それを確固たるものにしなければダメですし、誰が出ても結果を出せるようにならないといけません」
今シーズン最初の白星は、敵地で福岡から奪ったものだった。今度はホームでその瞬間を味わい、生まれつつある「良い変化」を自信に変えたい。
江尻 篤彦監督
(前節・岐阜戦は)トレーニングでやったことがよく出ていたのかなと思います。だからといって勝点1でOKなわけはないので、すごく残念なゲームでした。あらためてビデオを見返してみても、ホームで(岐阜と)戦ったような形に持っていけるかなと思っていたので、非常に残念な結果というのが率直な感想です。でも今は下を向いている場合ではありません。最後に追いついてくれた、選手が意地を出してくれたと思っているので、その点をポジティブに捉えて福岡戦に臨みたいなと思っています。
昨年は良い順位(7位)だったチームですし、基本的に選手一人ひとりの力は高いと思います。我々もそうですけど、決してこの順位にいるようなチームではないと思っていますし、警戒しなきゃいけない選手もたくさんいます。(元ジェフの)森本も松田力も本当に良い選手たちで、彼らも福岡のために全力を尽くして戦っていると思うので、負けないように頑張るだけだと思います。
堀米 勇輝
(福岡の印象は)以前はポジションを取り、ボールをつないでいましたが、監督が代わりシステムも変わっています。たとえば相手が3バックで(守備時に)5枚で蓋をしてくるなら、ジェフが押し込める形が多くなると思います。単にクロスを上げるだけでは崩れないので、しっかりどこを突くのか、どこが(相手にとって)嫌なのか、ボールを動かしながら相手を動かしていきたいと思っています。自分が自由に動いてボールを受け、スペースをうまく狙いたい。ただ攻めているときはバランスを崩しているので、切り替えのところで、もう一度ボールを奪えるように距離感を近くしなければいけません。素早い攻守の切り替えはベースなので、強度を高くして臨みたいと考えます。
見木 友哉
(フクアリは)サッカー専用スタジアムということもあるし、他のスタジアムにはない雰囲気なのかなと思っています。雰囲気がめちゃめちゃすごかったら緊張しちゃうかもしれないですけど、でももうだいぶ慣れたので大丈夫だと思います。前節の岐阜戦は内容的に勝たないといけなかった試合だとは思いますが、最後に追いついたところをプラスに捉えて、このあとホーム2連戦なので、ここで2連勝したいと思っています。
(福岡戦は)ホームでの試合なのでまず勝たないといけないし、自分がもし出たらホームデビュー戦となります。そこでゴールを決めることができれば、ファン・サポーターの皆さんからも「いいぞ!」と信頼してもらえると思うので、試合に出たらまず得点することが重要かなと思っています。
佐藤 寿人
(福岡を指揮する)久藤清一監督は尊敬する人で、(2002年の)C大阪時代に一緒にやってお世話になりました。敵として対峙するのは複雑ですが、自分たちが置かれている状況を考えると勝たないといけませんし、自分が得点を取らないといけないのは事実です。そのためにも自分はトレーニングからアピ―ルをしてピッチに立たないといけません。
(岐阜戦でワンタッチシュートを決めたが)味方がシュートを打ったときは「決まれ」と思いません。そう思った瞬間に、足と頭が止まってしまうからです。「自分のところに“来い”」とポジションを取り、その次を予測することが大事だと考えます。フォワードは得点で評価が変わりますし、どれだけ良い準備ができるかだと思っています。
チームとしては、意図的にチャンスを作ることをもっとやらなければいけませんし、勝利を重ねることで前に進めると思います。間違いなく良い変化は起きていると思うので、それを確固たるものにしなければダメですし、誰が出ても結果を出せるようにならないといけません。
[前節の布陣/福岡]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/福岡]
J2第19節 06/22 vs 徳島(A) 1●2
J2第20節 06/30 vs 山口(H) 2●4
天皇杯2回戦 07/03 vs 鹿児島(H)2○1
J2第21節 07/06 vs 岐阜(H) 1●3
J2第22節 07/14 vs 町田(A) 2○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第19節 06/22 vs 柏(A) 0●2
J2第20節 06/29 vs 町田(H) 1●2
天皇杯2回戦 07/03 vs 岡山(H)0●3
J2第21節 07/07 vs 徳島(A) 1△1
J2第22節 07/14 vs 岐阜(A) 2△2
[過去の対戦成績]
17/06/10 千葉 0-0 福岡
17/10/22 福岡 0-1 千葉
18/04/22 福岡 3-1 千葉
18/09/18 千葉 3-3 福岡
19/03/30 福岡 0-1 千葉