前節・アビスパ福岡戦の完勝は、シーズン後半戦の巻き返しを図るジェフにとって明確な指針となった。

大きな改善が見られているのは、このゲームで3得点を記録した攻撃だ。江尻篤彦監督も自信を示した。

「4バックに変えて、距離感をすごく重視しています。その距離感と、裏腹の部分もあるのですが、守備に変わったときの切り替えのところは意識してやれています。攻撃だけではなくて守備も機能しているから、良い攻撃ができている」

ボールを保持する時間は選手それぞれの個性を引き出す“距離感”を作るために“自由”を与え、選手自らが主体的に動き始めることで流動性が生まれ始めた。2トップの一角なのか、それとも4-2-3-1のトップ下なのか。自身が意識するポジションについて聞かれた船山が「わからない。ある程度は自由にやっています」と答えたことが現チームの攻撃的な考え方を象徴している。右サイドをスタートポジションとしながら逆サイドにまで流れる堀米勇輝、左サイドで攻撃の起点を作る為田大貴、下平 匠、熊谷アンドリューらの連係は試合を重ねるごとに良くなっており、狙い通りの形で相手ゴールに迫る回数も着実に増えてきた。

クレーベが振り返る。

「福岡戦は、普段のトレーニングから江尻監督が言っていることを試合にぶつけることができたという、良い試合でもありました。サイドや中央からいろいろなバリエーションを持って攻撃すること、そして最後はフィニッシュで終わる形を作ることができていました」

迎える今節の相手は、リーグ戦では現在5試合負けなし、4連勝中と絶好調の状態にある横浜FCだ。今夏の補強でジュビロ磐田から中村俊輔を獲得し話題となったが、既存戦力の連係と組織力はここのところ右肩上がり。ジェフは4月に行われた敵地での第10節で、攻撃的な舵取りをして戦った結果、3失点完敗を喫した。

下平が言う。

「横浜FCは監督が代わり、やり方も変わっていると思います。選手も補強をしているので、前半戦で戦ったときのチームとは違う印象があります。前回対戦ではイバ選手が途中出場して、そこで起点を作られてしまったので、その展開に持ち込ませないことが大事。イバ選手にボールを出されても、そのあとの対応をチームとして共有したいと考えています」

福岡戦後、江尻監督は「サイド攻撃をもっと強調する」と口にした。一方の横浜FCも右サイドにレアンドロ ドミンゲスと北爪健吾、左サイドに気鋭の17歳・斉藤光毅とかつてジェフにも在籍した武田英二郎がいる。この攻防を制してゴールにたどり着けるか。そこがこのゲームのポイントとなるだろう。

迎える3連戦について、江尻監督はその重要性を強調した。

「気持ちはもちろん、3つ勝つつもりです。本当に総力戦ですし、調子のいい選手を引き出してあげないといけないのかなと。すごく重要な3連戦じゃないかなと思います」

勢いにのる横浜FCから勝点3を奪い、今シーズン2度目の連勝を成し遂げたい。


江尻 篤彦監督
（前節・福岡戦で3点を取った）攻撃に関しては4バックに変えて、距離感をすごく重視しています。その距離感と、裏腹の部分もあるのですが、守備に変わったときの切り替えのところは意識してやれています。攻撃だけではなくて守備も機能しているから、良い攻撃ができているのかなという感じです。 （今節の相手・横浜FCは4連勝中で）なぜか調子のいい相手といつも当たってしまう（笑）。自分たちが上向きかけたときにいつもそういう（好調な）相手なので、すごく大変な状況ですけど、（勝利を）続けられるように。続けないと上にはいけないので、続けさせられるようにまた一工夫していきたいと思います。
（3連戦への）気持ちはもちろん、3つ勝つつもりです。本当に総力戦ですし、調子のいい選手を引き出してあげないといけないのかなと。すごく重要な3連戦じゃないかなと思います。

鈴木 椋大
横浜FCは4連勝中で勢いに乗って（フクアリに）乗り込んでくると思いますが、その勢いを止めるというか、それを食うくらいの、逆に勢いで返すくらいの気持ちで挑みたいと思います。連勝できれば順位も上がると思いますが、ただそれをあまり気にし過ぎずに前節・福岡戦のようなゲームができれば一番いいと思うので、この横浜FC戦に向けてしっかりみんなで準備していきたいです。
（ゴールキーパーとして）横浜FCに対しては、セットプレーからの得点が多いことと、カウンターに気を付けたいと思います。自分たちが前がかりになるぶん、後ろのスペースがあいてくると思うので、そこはしっかりキーパーとしてリスクマネジメントしながらやっていきたいなと思います。

下平 匠
横浜FCは監督が代わり、やり方も変わっていると思います。選手も補強をしているので、前半戦で戦ったときのチームとは違う印象があります。出場するかは分かりませんが、（中村）俊輔さんとやりたいですね（笑）。
前回対戦ではイバ選手が途中出場して、そこで起点を作られてしまったので、その展開に持ち込ませないことが大事。イバ選手にボールを出されても、そのあとの対応をチームとして共有したいと考えています。前節・福岡戦では、自分たちがボールを持つ時間も長く、奪われた後の切り替えもチーム全体としてやるべきことをやれていました。一つ勝っただけでは、なかなか順位が上がりません。自分たちの目標を達成するために連勝をする。負けないことが大事なので、しっかりと準備をして頑張りたいと思っています。

クレーベ
ここからできるだけ多くの試合で勝点3につながるプレーをしたいと思っています。前節の福岡戦は、普段のトレーニングから江尻監督が言っていることを試合にぶつけることができたという、良い試合でもありました。サイドや中央からいろいろなバリエーションを持って攻撃すること、そして最後はフィニッシュで終わる形を作ることができていました。この横浜FC戦は、福岡戦以上の結果となるように頑張りたいです。ジェフのホームゲームでもありますし、前回の試合で出た課題を修正しつつ、自分たちが良いプレーをし有利に試合を運べるように頑張りたいです。ジェフの一員として勝利を目指し、連勝をしたいと思っています。



［前節の布陣／横浜FC］


［前節の布陣／ジェフ］



［最近5試合の戦績／横浜FC］
J2第20節　06/29　vs 岡山（H）　 5○1
天皇杯2回戦　07/10　vs 仙台大（H）2○1
J2第21節　07/06　vs 東京V（A）　3○2
J2第22節　07/13　vs 新潟（A）　 2○0
J2第23節　07/20　vs 栃木（H）　 2○1


［最近5試合の戦績／ジェフ］
J2第20節　06/29　vs 町田（H）　 1●2
天皇杯2回戦　07/03　vs 岡山（H）0●3
J2第21節　07/07　vs 徳島（A）　 1△1
J2第22節　07/14　vs 岐阜（A）　 2△2
J2第23節　07/20　vs 福岡（H）　 3○0


［過去の対戦成績］
17/04/22　横浜FC 4-0 千葉
17/11/19　千葉 2-1 横浜FC
18/05/20　横浜FC 3-3 千葉
18/09/23　千葉 0-1 横浜FC
19/04/21　横浜FC 3-1 千葉