前半の失点を取り返すことができず、今シーズン初の3連敗を喫した。
スタメンは4-3-3の布陣。GKは鈴木椋大。最終ラインは右から米倉恒貴、鳥海晃司、エベルト、乾 貴哉の4人。中盤はアンカーのポジションに小島秀仁が入り、インサイドハーフに工藤浩平と熊谷アンドリューが位置。前線は2列目は右サイドに船山貴之、中央にクレーベ、左サイドに為田大貴が並んだ。
立ち上がりの主導権を奪ったのは、1トップのロビン シモヴィッチをシンプルに使う攻撃でジェフを押し込んだ大宮だった。
8分、最終ラインを下げられたジェフは、3-4-2-1を採用する大宮とのフォーメーションの組み合わせからギャップが生まれる左サイドを使われ、MF茨田陽生にミドルシュートを打たれる。これはGK鈴木がはじき出してCKとしたが、そのCKからDF河本裕之にヘディングシュートを決められ、先制ゴールを奪われた。
攻撃面では組織的に構える大宮を攻めあぐね、縦パスを入れられない時間が続く。ミスからボールを奪われるとショートカウンターを仕掛けられ、その展開からピンチを招くと徐々にリズムを失った。ジェフはトップ下の工藤が下がることでパスを引き出したが、その次の動きが生まれず攻撃が停滞する。
迎えた27分、やはりカウンターからジェフの左サイドを使われ、小島幹敏がラストパス。大外から走り込んだ奥井 諒にフィニッシュを決められ、ビハインドは2点となった。
前半はその後も打開策を見いだせず、0-2のまま終了。フォーメーションに修正を加えたことで、後半はジェフが主導権を握り始める。
57分には高い位置でパスを受けた乾が縦に仕掛け、そのままシュート。わずかに上に外れたが、サイドを使った攻撃で相手を押し込んだ。ジェフは右サイドに起点を作り、米倉のタッチ数が増え始めたことで攻撃が活性化した。64分には小島に代えて見木友哉を投入し、パスワークのテンポが上がり始めた。その流れを見た江尻監督は74分、船山に代えて安田理大を投入する。これによってジェフの攻勢は一層強くなった。
安田が言う。
「『前に前に』ということを心がけましたし、とにかく流れを変えようと思って、積極的に前に行こうと思っていました。前半はヨネ(米倉)が高い位置を取れていなかったので、自分が中に入ってヨネに行かせようと思っていました」
この狙いは見事に奏功した。ジェフは積極的に安田の足元にボールを預けると、安田はシンプルなクロスとドリブル、キープを巧みに使い分けてリズムを作った。86分にはその安田のクロスからチャンスが生まれ、最後は果敢に飛び込んだ見木のヘディングシュートで得点。1点差に迫り、ジェフの攻撃はさらに勢いを増した。
しかし、最後まで同点ゴールを生むことはできず、1-2で敗れたジェフは今シーズン初の3連敗。厳しい結果について、江尻監督はこう振り返った。
「早い失点があり、前半はペースが掴めなかった。それがすべてじゃないかなと思っています」
ジェフは17位に後退。次節はホーム・フクアリに戻り、7位のヴァンフォーレ甲府と対戦する。