連敗を止める勝点1。

「あと1点」が遠いゲームだった。

スタメンは4-2-3-1の布陣。GKは鈴木椋大。最終ラインは右から米倉恒貴、鳥海晃司、増嶋竜也、下平 匠の4人。
ダブルボランチには佐藤勇人と小島秀仁が並び、右サイドに茶島雄介、トップ下に船山貴之、左サイドに為田大貴が位置。1トップにクレーベが入った。

キックオフから20分前後まで、ジェフは主導権を奪われ、守勢に回る時間が続いた。
マイボールになってもミスから失い、相手の進攻をファウルで阻止してセットプレーを跳ね返す苦しい流れだった。

状況を打開するきっかけを作ったのは、米倉のサイド攻撃だった。19分には自陣後方から70メートルの全力疾走で駆け上がって高精度のクロスを放り込み、 24分にも果敢な攻撃参加からクロスを送り、チャンスを作った。いずれも跳ね返されてシュートには至らなかったが、少しずつ、防戦一方の展開に落ち着きが見られ始めた。

ところが、迎えた34分、相手のCKの流れからセカンドボールを拾うことができず、左サイドからクロスを放り込まれる。
ゴール前の混戦から最後はロメロ フランクにシュートを決められ、先制点を許した。

それでも、この失点で意気消沈しなかったことが後半の戦いにつながった。 38分にはクレーベとのワンツーで左サイドを突破した為田がクロス。茶島がフリーでシュートを放つがゴール上に外れる。
しかし直後の40分、またしても左サイドから、今度は下平が上げたクロスにクレーベが飛び込み、強烈なヘディングシュートで同点。
試合を振り出しに戻し、覇気を取り戻したジェフは前半の残り時間を攻勢に進めた。

アシストを決めた下平が振り返る。

「スペースがあると感じて縦にパスをつないだら引っかかってしまったり、相手をひっくり返すようなクリアができなくて流れを切れなかったり、 そういう細かいミスによってズルズルと流れを渡してしまった気がします。その状況の打開策として、自分とヨネ（米倉）のところで相手の背後を取るような動きをすることは、狙いとして持っていました」

後半は一進一退の攻防が続いた。ジェフは立ち上がりのピンチをGK鈴木椋大のファインセーブでしのぐと、57分には茶島がスピードを活かしたドリブル突破からチャンスメイク。
66分には相手CKのピンチを跳ね返してロングカウンターを仕掛け、為田のラスパスを受けたクレーベがシュートを放った。

70分には途中出場したばかりの見木友哉がチャンスを作り、米倉が絶好のクロス。76分にはセットプレーのチャンスから鳥海がヘディングシュートを放ったが、ゴールには至らなかった。

江尻監督は77分に船山に代えてアラン ピニェイロ、86分には為田に代えて安田理大を投入。ラスト10分間は攻勢に出て逆転ムードを作ったが、最後までゴールには届かず、1-1のまま試合終了の瞬間を迎えた。

久々のフル出場となった佐藤勇人が言う。

「失点した後も相手の勢いにのまれることなく、しっかりと対応できていたと思います。カウンターからチャンスも作りました。 その部分については今までなかったので、ポジティブに捉えていいと思います。勝点3を取らないと抜け出せないことは間違いありませんが、アウェイで取ったこの1ポイントを大事にしたいし、 次に向けてまた準備したいと思います」

アウェイでの厳しい試合が続く。次節は9月7日。アルビレックス新潟と対戦する。