力の差を見せつけられた完敗だった。
スタメンは4-2-3-1の布陣。GKは佐藤優也。最終ラインは右から米倉恒貴、新井一耀、増嶋竜也、下平 匠の4人。ダブルボランチに熊谷アンドリューと佐藤勇人が入り、2列目は右にアラン ピニェイロ、トップ下に工藤浩平、左に矢田 旭の並び。1トップにはクレーベが入った。
立ち上がりは悪くなかった。
左サイドは累積警告による出場停止で為田大貴を欠いたが、代わりに左サイドに入った矢田と下平のコンビで起点を作る。12分には2人のコンビからクロスを入れ、クレーベが競って流れたボールに米倉が反応。走り込んで強烈なミドルシュートを放った。さらに、21分には右サイドからチャンスを作り、米倉のクロスのこぼれ球に反応した佐藤勇人がシュート。しかし惜しくも枠の外に飛ぶ。
すると、25分を過ぎたあたりからゲームの主導権は山形に移り、27分には佐藤優也の2本のスーパーセーブで失点を回避。しかし、迎えた35分、自陣でのパスミスから一気にショートカウンターを喰らい、最後は本田拓也に押し込まれて相手に先制を許した。
40分には負傷したクレーベが途中交代を強いられ、船山貴之がピッチに入る。迎えた後半、ジェフはキックオフ直後から前線でプレスを仕掛けて圧力をかけると、米倉が右サイドをえぐってクロス。ファーポスト際に飛び込んだ矢田がボレーで合わせて同点ゴールを奪った。
しかしここから、ジェフは3失点を喫する。
57分には山形のジェフェルソン バイアーノにカウンターから持ち込まれ、こぼれ球を山田拓巳に押し込まれて失点。61分には佐藤勇人に代えて佐藤寿人を投入するが流れは変わらず、増嶋はこの失点時に足を痛めて77分に鳥海晃司と交代する。その直後の79分、最終ラインでのパス回しはGK佐藤優也の足元に収まったが、切り替えしたところを山形の大槻周平に奪われて3失点目。アディショナルタイムの90+2分には、途中出場の井出遥也にゴールを決められ、大量4失点でタイムアップを迎えた。
ピッチの中で悔しさをあらわにした米倉は、試合後にこう話した。
「ここのところ数試合は守備の形ができつつあったし、手応えがありました。だからこそ、たとえ逆転するのが難しい状況になってしまったとしても、それでも、自分たちにできること、やらなきゃいけないことを最後までやりきらなきゃいけない。絶対にそこで集中を切らしちゃいけないと思うんです。それは試合でしか確認できないことでもあるからこそ、あの時間帯がああいう展開になってしまったことが残念だったし、悔しかった」
下平は相手との力の差を認めた上で、「踏ん張れる」と力を込めた。
「結果的には相手との力の差があったと思います。山形はやりたいサッカーがはっきりしていたし、スタメンの選手も途中から入ってくる選手もハードワークをしていました。そういうところが、上位にいるチームと自分たちの違いであり差なのかなと感じています。それでも、1つでも多くの勝利、1ポイントでも多くの勝点を取るために残り7試合を戦うべきだし、現状をちゃんと受け止めて、だけどやるべきことを続けていくべきだと思います。この悔しさを忘れずに、踏ん張るしかない。自分たちは踏ん張れると思うし、絶対にできると信じています」
残り7試合。下平の言葉のとおり、ジェフとしての意地を見せたい。