理想的な試合運びで、ジェフが4試合ぶりの白星を奪った。
スタメンは4-2-3-1の布陣。最終ラインは右から米倉恒貴、新井一耀、エベルト、下平 匠の4人。ダブルボランチに熊谷アンドリューと鳥海晃司が並び、2列目は右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴、トップ下に工藤浩平が位置。1トップにはクレーベが入った。
16分、ジェフは左CKにクレーベがヘディングで合わせ、右ポスト際にいた下平が押し込んでゴールネットを揺らす。しかし、これはわずかにオフサイドの判定でゴールならず。
27分には中盤の激しいプレスで鳥海がボールを奪い、そのこぼれ球に反応した熊谷がスルーパス。ペナルティエリア内に進入したクレーベがシュートを放ったが、惜しくもゴール左に外れた。
32分は長崎の攻撃。GK富澤のフィードからMF大竹洋平がジェフのプレスをかいくぐって前を向き、前線にスルーパス。最終ラインの背後に走り込んだ呉屋大翔がシュートを放ったが、ゴール右にわずかに外れた。
後半、先に動いたのは江尻監督だった。
60分、矢田に代えて堀米勇輝を投入すると、試合が一気に動き始める。直後の61分、堀米は工藤とのワンツーで為田の決定機を演出し、この攻撃で得たCKから米倉が惜しいヘディングシュートを放ち、チームに勢いが生まれ始める。
すると、迎えた69分。カウンターを発動しようとした相手から下平がボールを奪うと、左サイドを突破してふわりとした軌道のクロスを上げる。
ゴール前で待ち構えたクレーベのヘディングシュートはポストに弾かれたが、素早く反応した堀米が身体ごと押し込んでゴール。ジェフが待望の先制点を奪った。
1点をリードしたジェフは、その後何度かピンチを招きながらも身体を張った粘り強い守備を見せた。
71分には鳥海に代えて佐藤勇人を投入し、守備の態勢を整えて相手の反撃に対応。すると、81分にはCKを獲得。
堀米の鋭いキックにクレーベが飛び込み、身体を投げ出して値千金の追加点を奪った。この2点のリードを最後まで守り抜き、ジェフが敵地・長崎で白星を飾った。
後半からの投入によって試合の流れを変えた堀米について、江尻監督は次のように話した。
「僕のゲームプランの中で彼を入れてアクセントを作りたいと考えていました。一生懸命に毎日のトレーニングに取り組み、トレーニングやトレーニングゲームで表現をしてくれていたので、こういう状況の時に使えば必ず打開してくれると思っていました」
さらに、守備面については前線で“スイッチ”となっている工藤の存在に言及した。
「最近のほとんどの試合で彼がディフェンスのスイッチをやってくれています。ある意味、今のところは彼が生命線かなと。
彼のプレスのスイッチで、全体がコンパクトやら縦パスの制限やらプレッシャーの表現やらが決まっているので、すごくいい働きをしてくれていると思います」
工藤自身も手応えを口にした。
「『しっかりとした守備から』という部分はちゃんと続けたい。個人としても、ディフェンスは意識すればできることなので、スイッチを入れることに対する意識は持っています。
ただ、個人的には攻撃にも力を使えるようにしないといけないと思います」
次節はホーム・フクアリで迎える9年ぶりの千葉ダービーだ。結果にこだわるサッカーをしたい。