敵地で迎える第38節の相手は、レノファ山口FC。前半戦は第3節で対戦し、ホーム・フクアリで5失点を喫した因縁の相手だ。何としても敵地で“お返し”を見舞い、目の前の目標であるJ2残留に近づかなければならない。
ジェフは前節、J2リーグの首位を走る柏レイソルとの千葉ダービーで0-3と完敗を喫し、文字どおりの実力差を見せつけられた。クレーベが振り返る。
「柏はボールを簡単に失わないチームだったので、難しいゲームになりました。(自分が走り出したタイミングでボールが出てこないことが)何回かありましたが、そこは判断を早くする必要があると思います。柏戦は(ボールが)なかなか来なかったですが、トレーニングから早く自分にパスを出してもらえるようにということを意識しています」
的確なプレスで的を絞られ、セカンドボールに対する反応で上回られたことで終始後手に回った。そうした流れによってミスを誘発され、失点を繰り返して最後まで主導権を握ることができなかった。
順位とは関係なく絶対に負けられない相手に完敗を喫したことを前向きに取られることはできないが、それでも、まずはJ2残留という目標を達成するために気持ちを切り替えなければならない。そうした状況で迎えるアウェイの山口戦は、今のジェフの底力が問われる一戦となりそうだ。
相手の印象について、江尻篤彦監督が語る。
「(山口は)すごくチームが変わったなというイメージですね。守備的なところからしっかり入ってきているなということがすごく感じられるチームです。こちらも前節の柏戦でうまくいかなかったところを修正して、試合に臨みたいなと思っています」
最近5試合で2勝2分1敗と白星が先行している山口は、着実に勝点を積み上げながら中位をキープしている。第37節終了時点では、勝点44で14位に位置。J1参入プレーオフ圏内からはやや離れているものの、江尻監督の言うとおり、特に最近は守備の安定感が光る印象だ。
前節、鹿児島ユナイテッドFCとの“薩長ダービー”はスコアレスドロー。得点は奪えなかったものの、組織的な守備で相手を完封し、勝点1を獲得した。田中 パウロ淳一と工藤壮人が途中出場した後半は、積極的に裏を狙う攻撃にも迫力があった。堀米勇輝が言う。
「(山口は)対戦相手によって形や狙いに変化をつけているイメージがあります。また、ボールを動かすことが好きな選手も多いと思いますし、チームにベースがあるので良いチームだという印象があります。佐藤健太郎選手と三幸秀稔選手のところでボールを動かしながら、個の力を使ってワイドから攻める選手もいますし、オーガナイズした守備をしてくると思うので、相手の嫌がるゾーンでボールを引き出す作業や受ける作業を徹底して、しっかりとタイトに寄せていくことが重要だと考えます」
ジェフにとっては、相手の戦術的な狙いをピッチの中で把握し、いかに早くそれに対応できるかが勝敗を左右するポイントとなりそうだ。相手のプレスをどのようにしてかいくぐり、どこを突いてゴールを狙うのか。1週間のトレーニングで積み上げたものをしっかりと発揮したい。
最終ラインの中核を担う新井一耀はリベンジを期す。
「前回対戦したホームゲームでは2-5で負けているので、今回はアウェイゲームになりますが良い戦いをして、残り試合の弾みとなる試合にできるよう、努力をしたいです」
残り5試合。すべての試合で全力を発揮し、気持ちのいいゲームをしたい。
江尻 篤彦監督
(山口は)すごくチームが変わったなというイメージですね。守備的なところからしっかり入ってきているなということがすごく感じられるチームです。こちらも前節の柏戦でうまくいかなかったところを修正して、試合に臨みたいなと思っています。
(得点を奪うためには)やっぱり相手の背後を突けるかというのは一つ大きなテーマになると思うし、うまい言葉で言うと、「相手のプレスをうまく利用しながら」というようなことになってくると思います。そういう風に言うと綺麗ごとで終わってしまうような感じがしてしまうので、相手のやりたいサッカーをぶち壊すということが必要なのかなと思います。ちょっと不格好でも、そういうことは自分たちも我慢してやらなきゃいけないのかなと思います。
新井 一耀
前節の柏戦は痛い敗戦となりましたが、試合はすぐに来るので“次戦に向けて準備を整える”、その考え方でみんなトレーニングをしていて、切り替えもできています。対戦相手の山口は組織でまとまって守備をしてくるイメージで、一人ひとりが粘り強く、ボールの動かし方も上手だと感じます。ジェフのやり方も研究して対策や狙いを出してくると思うので、そこで負けないようにしたいと思います。試合の中でコミュニケーションを取っていけば問題はないと考えていますし、ボールを回して前に行くためにも運動量を多くすることが重要になると思っています。前回対戦したホームゲームでは2-5で負けているので、今回はアウェイゲームになりますが良い戦いをして、残り試合の弾みとなる試合にできるよう、努力をしたいです。
堀米 勇輝
(山口は)霜田正浩監督の下で明確なプレービジョンを持ち、対戦相手によって形や狙いに変化をつけているイメージがあります。また、ボールを動かすことが好きな選手も多いと思いますし、チームにベースがあるので良いチームだという印象があります。佐藤健太郎選手と三幸秀稔選手のところでボールを動かしながら、個の力を使ってワイドから攻める選手もいますし、オーガナイズした守備をしてくると思うので、相手の嫌がるゾーンでボールを引き出す作業や受ける作業を徹底して、しっかりとタイトに寄せていくことが重要だと考えます。
先発でも途中出場でも自分の出番が訪れたときにやるだけですし、残留はチームとして最低限の目標です。チームとして1つでも多くの勝点を積み上げたいと思っています。
クレーベ
(前節対戦した)柏はJ2の中でも上位を走っていて、すごく良いチームだったし、ボールを簡単に失わないチームだったので、難しいゲームになりました。(自分が走り出したタイミングでボールが出てこないことが)何回かありましたが、そこは判断を早くする必要があると思います。柏戦は(ボールが)なかなか来なかったですが、トレーニングから早く自分にパスを出してもらえるようにということを意識しています。個人的には、どちらかというと、後ろからの長いロングパスよりも、中盤からの短いスルーパス、斜めの短いパスが欲しいですね。ぱぱっと中盤からパスが入って、自分が一番ゴールに近いところで受けられたらいいんじゃないかなと思っています。一番のチームとしての目標はJ1にいくことだったんですが、(次の山口戦は)みんなで勝ち点を奪いにいって、今の目標であるJ2に残るということに向かって頑張りたいと思います。
[前節の布陣/山口]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/山口]
J2第33節 09/21 vs 金沢(A) 1●0
J2第34節 09/28 vs 福岡(H) 2○0
J2第35節 10/06 vs 岐阜(A) 1△1
J2第36節 10/12 vs 京都(H) 1○0
J2第37節 10/20 vs 鹿児島(A)0△0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第33節 09/22 vs 徳島(H) 1△1
J2第34節 09/29 vs 岡山(A) 0△0
J2第35節 10/06 vs 山形(H) 1●4
J2第36節 10/12 vs 長崎(A) 0○2
J2第37節 10/20 vs 柏(H) 0●3
[過去の対戦成績]
17/04/15 山口 0-1 千葉
17/08/11 千葉 2-1 山口
18/06/02 千葉 2-2 山口
18/09/01 山口 0-4 千葉
19/03/10 千葉 2-5 山口