FC琉球をホームに迎えた2020シーズン開幕戦、ジェフは開始1分で奪ったゴールを守りきって勝点3を手にした。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、新井一耀、チャン ミンギュ、安田理大の4人。中盤は中央に熊谷アンドリューと田口泰士が並び、右に米倉恒貴、左に堀米勇輝が位置。2トップにはクレーベと川又堅碁が入った。
2020シーズン最初のゴールは、キックオフからわずか40秒後に生まれた。
米倉のコンビネーションで右サイドを攻め上がったクレーベのクロスは相手に弾き返されたが、こぼれ球を拾った田口が左サイドに展開。堀米はファーポストにふわりと落とすクロスを選択し、そこに米倉が飛び込んでヘディングシュートを決めた。
幸先のいい先制点でリードを奪った立ち上がりだったが、その後は反撃を試みて攻勢を強める琉球と、構える守備からカウンターを狙うジェフという構図が長く続いた。特に何度もクロスを上げられるなどジェフの右サイドから突破を許し、8分には河合秀人のシュートをGK新井章太がファインセーブ。そのまま連続でCKのピンチを招くなど押し込まれる時間が続いた。
尹監督が振り返る。
「前半の序盤は本当にいいパフォーマンスを見せてくれましたし、ゴールを奪うこともできました。もちろんその後も攻撃のより良い部分が見られると思ったのですが、追加点を奪えなかったことについてはもったいなかったと思います」
16分には再び右サイドから突破を許すが、体を張ったタックルでピンチを回避。19分には池田廉にヘディングシュートを放たれたが、再び新井章太が見事なセーブを見せた。ジェフは20分に反撃。堀米のクロスにクレーベが合わせたが、打点の高いヘディングシュートはGK正面に飛んだ。23分には再びカウンターからチャンスを作り、熊谷、堀米、川又とつないでCKを奪った。
前半は1-0のまま終了。後半も立ち上がりから琉球が主導権を握って攻勢を強める時間が続いたため、尹監督は60分過ぎという早い段階で勝負に出た。負傷した新井一耀に代えて増嶋竜也を投入すると、ゲリア、チャン、増嶋を3バック、右サイドに米倉、左サイドに安田を置く5バック気味のシステムに変更して守備を固めた。
安田が言う。
「(DFが)5枚になった瞬間に『イケる』と思いました。まあ、ちょっと長いなとも思いましたけどね(笑)。その分、しっかりポジションを取って、守備で勝負するという考え方がはっきりしましたから。前線の選手、それからポジションが変わった選手はキツかったと思うけれど、それでも全員でしっかり守って、内容より勝点3を奪えたことが何より」
琉球の猛攻は約30分続いた。守り抜く。その意識統一の上に「カウンターで追加点を狙う」という戦い方に切り替えたジェフは、ほとんど攻撃の手を打つことはできなかった。それでも、一丸となった最後まで琉球の攻撃を跳ね返し続け、約3分間のアディショナルタイムをしのいでタイムアップ。ホーム開幕戦で勝点3を手に入れるという最高の結果を残した。
指揮官の言葉にはどこか余裕が感じられた。
「効率的なカウンターを仕掛けることはできませんでしたが、選手たちは最後まで一生懸命にプレーしてくれましたし、その結果として勝点3を奪えたと思います。今日うまくいかなかった攻撃の部分については修正をしたいと思いますが、今日の結果を肯定的に捉えたいと考えています。来週から試合がどんどん続くので、いいコンディションで次のホームゲームを迎えられるようにしたいと思います」
ホーム戦は続く。次の相手はFC町田ゼルビア。勝利を重ね、自信を深めたい。