待ちに待ったJリーグの“再開”だ。
4カ月ぶりにリスタートするJ2リーグ、その初戦の相手は大宮アルディージャ。高木琢也監督率いるチームはシーズン開幕前からの優勝&昇格候補であり、ジェフにとっては今後の戦いを占う大一番となる。
チームとしての活動が再開してから約1カ月、尹 晶煥監督とチームはいち早く“中断前”の状態に戻すことを意識しながら戦術的な確認に多くの時間を費やしてきた。指揮官が振り返る。
「中断期間が長くなって、選手たちのコンディション調整がうまくいかなかった部分があり、それをもう一度作り直すのに時間がかかりました。その時と今とでは少し精神的な部分でも違いがありますので、それを重点的にこの2~3週はやってきました。試合が始まってみて分かることですが、明日の試合に向けての準備はよくできたと思います」
FC琉球の猛攻を最後までしのいで虎の子の1点を守り抜いた開幕戦のように、今季のジェフの戦術的な特徴は“整備された組織”に現れる。特に守備面では最終ラインの4人とフラットに並ぶ中盤4人、計8人が相手にとって有効なスペースを消すゾーンディフェンスを徹底し、ボール奪取からカウンターへのスムーズかつ効率的な流れを実現することが課題だ。開幕戦以降の練習試合ではその“形”に対する手応えをつかんでいただけに、いかにしてそれを取り戻し、実戦で使えるものに仕上げるかがこの1カ月のテーマだった。
川又堅碁が言う。
「全体トレーニングが始まってからは、しっかりとゾーンで守って数少ないチャンスを決めることや、ポジションによっては前から行ってショートカウンターから得点につなげることなど、しっかりと準備ができている」
一方の大宮も、守備の構築に定評のある高木琢也監督が率いて2年目。昨シーズンはJ1参入プレーオフで敗れたものの、就任1年目ながらチームをリーグ3位に導いた。迎えた今シーズンは、オフに大胆な動きを見せ、コーチにはかつて柏レイソルで活躍した北嶋秀朗が就任。FW大前元紀、MF茨田陽生、DF菊地光将らがチームを離れ、V・ファーレン長崎からMF翁長 聖、湘南ベルマーレからMF菊地俊介、愛媛FCからMF近藤貴司らを獲得して戦力を刷新した。
チームの印象について、尹監督が言う。
「個人個人の能力が高い。良い選手が揃っていますし、前の攻撃の選手たちの2列目からの飛び出しや、ポゼッション、ボールをつなぐサッカーをするなと。反面、カウンターの攻撃という部分でも目立っていましたし、J2の中では上位にいるという感じを受けています」
副キャプテンの新井一耀も警戒心を強める。
「組織的なサッカーでボールを持てるチーム。(ジェフにとっては)最初に失点をしないことが大事で、先に得点を取れば、しっかりブロックを引いて相手が出てきたところでカウンターを仕掛けて、追加点を取ることでベストな試合運びになると考えます。まずは先に失点をしないこと。先制することがキーになります」
待ちに待った“再開”の初戦、しかもリモートゲーム(無観客試合)という誰もが経験したことのない難しい環境での一戦となるが、チームを後押しする特別な力はいつもフクアリだけにあるわけじゃない。サッカーがある日常の喜びを感じながら、その力を結集し、一丸となって勝点3をつかみ取りたい。
尹晶煥監督
正直、始まるということでドキドキしている部分もすごくありますし、最初の開幕とは少し違った気持ちでいます。サポーターの方々が(スタジアムで)観られない、選手だけの試合になりますが、そういう雰囲気にどう適応するかというのが、少し心配ではあります。
(リモートマッチだが)「これは“普通の試合”なんだ」と。正式な試合なので、まずは常にやってきたことを今までどおりやるということが大事ですし、サポーターがいないという点しか変わりはありません。我々には据える目標というのがあるので、再開する試合の重要性をまず理解して試合に入ることが重要だと思います。
(大宮は)まずは個人個人の能力が高い。良い選手が本当に揃っていますし、前の攻撃の選手たちの2列目からの飛び出しや、ポゼッション、ボールをつなぐサッカーをするなと。反面、カウンターの攻撃という部分でも目立っていましたし、J2の中では上位にいるという感じを受けています。強かった印象があります。
新井 一耀
開幕戦で勝って良い流れでいけると思ったのですが、中断という形になり、各々が「悔しい気持ち」と「早く試合をしたい気持ち」を持っていました。公式戦が再開することになってチームの雰囲気は良いですし、みんな良い準備ができていると思っています。
(大宮は)一人ひとりに技術があります。組織的なサッカーでボールを持てるチーム。(ジェフにとっては)最初に失点をしないことが大事で、先に得点を取れば、しっかりブロックを引いて相手が出てきたところでカウンターを仕掛けて、追加点を取ることでベストな試合運びになると考えます。まずは先に失点をしないこと。先制することがキーになります。
(大宮には)イッペイ シノヅカ選手や畑尾大翔選手など知っている選手もいて、同じピッチで戦えることは嬉しいことです。負けたくない思いもあるので絶対に勝ちたいです。
(リモートマッチで注意したいこととして)フワッとした気持ちで入ると相手に主導権を握られてしまいます。そこの雰囲気作りは、一人ひとりが意識してやっていかなければ勢いにのまれてしまう。いつもなら大勢のサポーターが後押ししてくれますが、それがないぶん、自分たちで盛り上げていきたいです。いつも以上に声を出すことで、コーチングの声もピッチの隅々まで通ると思うので、必要以上に声を出して、リスク管理できたらと思っています。
(再開から)数試合はリモートマッチになりますが、画面越しにサポーターがたくさんいてくれると思うので、勝利への強い気持ち、戦う気持ちを見せられたらと。皆さん、一緒に戦ってください。
川又 堅碁
サッカーができることが嬉しいですね。プレーで嬉しさを表現して、勝ちを求めていきたいと思います。全体トレーニングが始まってからは、しっかりとゾーンで守って数少ないチャンスを決めることや、ポジションによっては前から行ってショートカウンターから得点につなげることなど、しっかりと準備ができているので試合は楽しみです。
(大宮には)うまい選手が多く、テンポが良いサッカーなので、カウンターがハマればいいと思いますし、その中でサイドが空くところをうまく突ければいいですね。(大宮の三門雄大選手は)アルビレックス新潟時代に一緒にプレーをしていたので(対戦は)楽しみですし、しっかりとゴールを見せたいと思います。
(リモートマッチの)難しさはあります。サポーターがいてこそのスタジアムの雰囲気というものがあります。サポーターの声援は自分たちが持っている力やそれ以上のモノを発揮させてくれます。難しいところですが無観客という状況でもリモートで見てくれていると思うので、プレーを伝えること(を考えて)、良いメンタルを持ってプレーしたいです。自分はゴールパフォーマンスをするほうではありませんが、得点を決めたあとはサポーター席を指差したいと思っています。
[前節の布陣/大宮]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/大宮]
J2第1節 02/23 vs 水戸(A) 2○1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第1節 02/23 vs 琉球(H) 1○0
[過去の対戦成績]
15/04/11 千葉 2-0 大宮
15/09/27 大宮 2-1 千葉
18/05/06 大宮 0-1 千葉
18/07/07 千葉 1-3 大宮
19/04/28 千葉 0-0 大宮
19/08/18 大宮 2-1 千葉