尹 晶煥監督をはじめとするチーム全員が「ホームでの勝利」を強く望んでいたが、その思いは実らず、ジェフは1-2で東京ヴェルディに敗れた。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から田坂祐介、チャン ミンギュ、増嶋竜也、下平 匠の4人。中盤の中央に田口泰士と高橋壱晟が入り、右サイドに米倉恒貴、左サイドに船山貴之が位置。2トップには川又堅碁と山下敬大が並んだ。
立ち上がりの5分は東京V、その次の5分はジェフが攻勢を強めて相手ゴールに迫ったが、戦前の予想どおり、ボール支配率は東京Vに傾く。個々の技術とそれに裏打ちされたパスワークを武器とする東京Vは、ジェフが形成する8枚のブロックの“間”に入ってボールを動かす。一方のジェフはインターセプトからのカウンターを狙うため、相手に押し込まれても焦らず、まずはいつもどおり自陣に引いて我慢の時間を続けた。
20分を過ぎると相手のスピード感に慣れ始めたのか守備は安定し、26分には田口のインターセプトから迫力のあるカウンターを披露。30分には左サイドから船山が突破、直後の31分には再び田口のインターセプトから好機を演出するなど、ジェフは狙いどおりのサッカーを表現していた。
しかし、迎えた34分。自陣ゴール前の競り合いの場面で笛が吹かれると、東京VにPKが与えられる。これを端戸 仁に決められて先制点を献上する。
前半終了間際の42分には再び田口のインターセプトからカウンター攻撃を仕掛け、43分には右サイドからのクロスに船山が合わせるなどチャンスを作った。しかし、同点ゴールを奪うことはできず0-1のまま前半を折り返した。
後半は立ち上がりからジェフのペースだった。田口を中心とするテンポのいいパスワークで左サイドから攻撃を仕掛け、主導権を握って相手を押し込んだ。61分には川又に代えて為田大貴、高橋壱晟に代えて見木友哉を投入。為田を左、船山を2トップの一角に配置すると、左サイドを起点とする攻撃がさらに活性化された。
同点ゴールは73分。増嶋のロングスローがファーポスト際まで流れると、山下がヘディングシュートを放った。こぼれ球に反応した船山のシュートはGKに弾かれるが、再び反応した山下が押し込んだ。
これで一気に流れを引き寄せたかに見えたが、直後の78分、相手のカウンターからアーリークロスを放り込まれ、ニアサイドに飛び込んだ端戸仁に鮮やかなヘディングシュートを流し込まれた。
ラストの15分間は終始ジェフが押し込み、80分には櫻川ソロモン、85分には安田理大と矢田 旭が投入され攻勢を強めたが、同点ゴールには至らず。ジェフは1-2のまま敗れた。
指揮官も「“いい部分”も多く見られた」と振り返ったが、特に後半は試合の主導権を握り、決して単調ではない攻撃で相手ゴールに迫った。またしてもホームで黒星を喫したことは手痛いが、2失点によって突きつけられた課題を修正し、1週間後のヴァンフォーレ甲府戦に臨みたい。