後半に崩れて2失点。悔やまれる連敗。

「連敗だけは絶対に避けなければならない」と意気込んで臨んだアウェイのヴァンフォーレ甲府戦だったが、勝利を手にすることはできなかった。ポジティブな前半にゴールを奪えなかったジェフは、立ち上がりから崩れた後半、2つの失点を喫して試合運びを難しくしてしまった。

スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から田坂祐介、チャン ミンギュ、鳥海晃司、安田理大の4人。ダブルボランチに田口泰士と熊谷アンドリューが入り、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップにはクレーベと山下敬大が並んだ。

5-4-1のフォーメーションで強固な守備ブロックを形成する甲府との対戦は、戦前の予想どおり、ボールを保持するジェフがパスをつなぎながら攻撃の糸口を探す展開となった。

それでも、前半の内容はポジティブだった。田口のフリーキックからゴールネットを揺らした山下のヘディングシュートはオフサイドの判定だったが、15分には左サイドの安田のクロスから山下が左足ボレーシュートを放ち、30分には右サイドを突破した矢田のクロスから再び山下が見事な反転シュートを放つなど立ち上がりから多くのチャンスを作った。

20分過ぎの給水タイム以降、甲府はビルドアップ時に3バック中央の新井涼平が中盤に上がる4-3-3システムに変形するが、それにもうまく対応した。前半唯一のピンチは37分。相手のカウンターからDF今津佑太にシュートを放たれるが、安田が身体を張ってこれをブロックするなど集中力を途切らせなかった。前半アディショナルタイムには田口のクロスから矢田がヘディグシュートを放ち、いい手応えをつかんだまま後半に臨んだ。

しかし、後半はその流れを維持することができなかった。矢田が言う。

「相手のクサビのパスに対してプレスにいけない場面が何回かあったし、裏のスペースを何度か使われて押し込まれる時間帯がありました。僕らは後半も立ち上がりから、積極的に前から行こうと話していた中で受け身になってしまったので、そこが大きかったと思います」

開始直後の49分、左右に展開されて押し込まれると、クロスのこぼれ球を新井涼平に蹴り込まれて失点。大事な先制点を奪われたことでリズムが狂った。尹監督が振り返る。

「後半は相手が前から狙ってくるから、もっと集中しなければならないという話をしましたが、後半の序盤に失点をして集中力が落ちてしまった部分があると思います。追加点によって難しいゲームになってしまいましたし、リードしている状況での相手の守備の堅さは知っていました。だから失点をしないような努力をしたのですが、失点を喫したことで難しくなってしまいました」

流れを引き戻せないまま、63分には右サイドから崩されてCKを与える。最後はジュニオール バホスに押し込まれて失点。0-2となったことで甲府はさらに守備を固め、ジェフは難しい状況に追い込まれた。

尹監督は75分に見木友哉、櫻川ソロモン、船山貴之の3人、86分に増嶋竜也と米倉恒貴の2人を投入して形勢逆転を図り、クレーベと櫻川の高さとパワーをフル活用する割り切ったスタイルにシフトした。しかし、残されたわずかな時間で奪えたのは1点のみ。試合は1-2のまま終了し、ジェフは前節の東京ヴェルディ戦に続く連敗を喫することになった。

中3日で行われるモンテディオ山形戦は、再びアウェイでの戦いとなる。連敗による悪い流れを断ち切るためにも、なんとしても勝点3を持ち帰りたい。