取り戻した“守備の安定”によって、ジェフは連敗を止め、3試合ぶりに勝点を手に入れた。
スタメンは前節ヴァンフォーレ甲府戦と同じ顔ぶれの4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から田坂祐介、チャン ミンギュ、鳥海晃司、安田理大の4人。中盤の中央に田口泰士と熊谷アンドリューが構え、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップにはクレーベと山下敬大が並んだ。
互いに守備意識が強い両チームの対戦は、静かな立ち上がりとなった。
ファーストシュートはジェフ。為田が長い距離を走って左サイドから仕掛け、最後は中央に侵入してシュートを放ってCKを獲得する。その後は再び膠着状態が続いたが、構える山形に対し、ボール主導権を握ったジェフは両サイドをワイドに使う攻撃でいくつかのチャンスを作った。飲水タイムを挟んだ25分時点でのジェフのボール支配率は「65%」。シュートなしの相手に対し、ジェフは3本のシュートを放つなど攻勢に出た。
しかし飲水タイム終了後、28分にはジェフの右サイドから山田拓巳にクロスを上げられ、山岸祐也のポストプレーからヴィニシウス アラウージョにシュートを打たれるなど徐々に山形も攻撃を仕掛け始める。32分には安田のクロスのこぼれ球を田口が拾い、絶妙のクロスに山下が飛び込むがわずかに届かず。直後の33分にはカウンターからピンチを招くなど一進一退の攻防が続いた。42分には負傷のクレーベに代わって櫻川ソロモンが投入された。
迎えた後半も、互いに守備を強く意識する手堅い試合展開が続いた。
ジェフのチャンスは56分。左サイドからの安田のクロスを山下が落とし、櫻川がフィニッシュに絡むがわずかに届かなかった。直後の59分には山形にチャンスが生まれるが、これはジェフ守備陣が身体を張ってクリア。70分には相手のクリアを拾った為田のボレーシュートが枠を捉えるが、相手GK櫛引政敏のビッグセーブに阻まれる。さらに、74分には右サイドのFKから田口がヘディングシュート。この試合最大の決定機だったが、ボールはGK正面に飛んだ。
後半、尹監督が動いたのは終盤に突入する81分のことだった。為田に代えて船山貴之、矢田に代えて米倉恒貴を投入。その理由について、指揮官はこう説明した。
「為田(大貴)と(矢田)旭、それから(山下)敬大のプレーが悪くなかったので、彼らがやってくれるという期待から少し時間を引っ張ることになりました。もちろん交代で入った選手たちにも期待しているのですが、今日はそう判断したということです」
70分過ぎからの約15分間は、ジェフの時間帯だった。インターセプトからカウンターを仕掛け、圧力をかけて相手ゴールに向かった。しかし、最後までゴールをこじ開けることはできず、試合はスコアレスのままタイムアップを迎えた。
フル出場した安田理大が言う。
「これまで守備をベースとするチームでありながら失点を食らっていたので、今日は絶対に集中してゼロに抑えようと言っていました。アウェイで勝点1は悪くないと思います。もちろん勝ち切れればよかったけれど、まずは連敗を止めることができたので悪くないと思う。まずは守備を固めて、きっちりとゼロに抑える戦いをこれからも続けていきたい」
確かに、敵地で連敗をストップさせ、勝点1を持ち帰って3連戦のラストゲームをホームで戦えることをポジティブに捉えたい。次の相手はザスパクサツ群馬。再開後のホーム初勝利を、なんとしても手に入れたい。