第9節終了時点で3勝1分5敗。勝点10で15位。さらに、勝利から遠ざかること4試合。この戦績とチーム状況の現状について、尹 晶煥監督は静かに話した。
「焦らざるを得ない状況であることは確かです。ただ、我々がやろうとしていることの完成度はまだ80%にも達していない。だから、今はとにかく集中して勝点1でももぎ取ってくる力が必要であると考えています」
過酷な5連戦がスタートする。ここで「完成度」を上げるために必要なのは、自分たちの力を信じて、「やってやろう」という気持ちを結果に結びつけるメンタリティーだ。
「全体としては少しずつ良くなっている感覚がある。それでも、(結果が出ていないので)試合中に選手たちが焦る気持ちも伝わってくるし、そういう心理的な部分は無視できません。明日からスタートする5連戦では、そこがものすごく重要になる。この5連戦のどこかのタイミングで、結果を出すためのメンタリティーを獲得できればと思っています」
対戦相手のFC町田ゼルビアは、3勝4分2敗の勝点「13」で10位につけている。かつて大分トリニータ、町田、FC東京、セレッソ大阪を率いたセルビア人指揮官は、今シーズン、2011シーズン以来となる2度目の指揮を執る。最近5試合は2勝1分2敗と五分の成績だが、栃木SCと松本山雅FCを相手に連勝するなど、チーム状態は安定してきた印象だ。
だが、京都サンガF.C.に0-1で破れた前節は、終始ボールを支配した京都に対し、何本もの縦パスを通されて押し込まれる時間が少なくなかった。群馬戦でも浮き彫りになった課題だが、ジェフにとっては「縦パスを入れてからどのようにしてフィニッシュまで持ち込むか」が攻撃面における大きな課題だ。そこでミスが生まれれば相手のカウンターを受けることになるし、サイドをうまく使いながら効果的なダイレクトパスが生まれればいいテンポで攻撃できる。
尹監督が言う。
「大事なのは相手がどういう出方をするのであっても、ディフェンスでは組織的に守備をしないといけないですし、攻撃では焦れずにもう少し余裕を持つ。もちろん相手もタイトに強く来るとは思うのですが、それをうまく利用していなすという攻撃パターンが必要だと思います」
群馬戦で今シーズン3点目を記録した山下敬大は、町田の印象についてこう話した。
「去年、一昨年と対戦をしましたが、スタイルが変わっている印象もありますし、またメンバーも替わっているので、しっかりと分析をして、自分たちのサッカーを表現して勝ちたい。何より先制点が大事になると考えます」
GK新井章太は、結果が出ない時期だからこその「チーム一丸」を強調する。
「町田には素晴らしい選手が前線にたくさんいるので、個人の能力を把握しながらも、そこをどうつぶすかをチームに声かけしていきたいですし、攻撃がうまくいかないときにどう攻めるか、セットプレーでの得点もしっかりと考えて、みんなで一丸となって勝つための準備を頑張るだけです」
勝って、結果を出して、勢いに乗ってこの過酷な連戦を乗り切るしかない。焦らず、余裕を持って相手を攻略できるか。勝敗を左右するポイントはその1点に集約される。
尹晶煥監督
5連戦が始まります。強い相手ばかりですし、選手たちのコンディションについてはしっかり準備をしてきました。トレーニング中に負傷者が出るという状況もありましたが、我々は違う選手の準備もしっかりできています。(今節・町田戦は)アウェイですが全員がしっかりと準備をして、“連敗を断ち切る”という作業をしっかりしていきたいと思います。この暑い天候の中で日程が詰まっているのですが、初の5連戦なので、しっかり乗り越えられるように準備していきたいと思います。
大事なのは相手がどういう出方をするのであっても、ディフェンスでは組織的に守備をしないといけないですし、攻撃では焦れずにもう少し余裕を持つ。もちろん相手もタイトに強く来るとは思うのですが、それをうまく利用していなすという攻撃パターンが必要だと思います。まずは幅を広く使って深い攻撃をしようという話はするのですが、お互いのタイミングが合わない部分など、今週はそういうことにフォーカスして話をしました。個人個人の個性があり、既存の選手たちのカラーもあるので、現実それが融合するのには少し時間がかかると思います。個人的な特徴などをお互いに分かっていかなければいけないという話は常にするのですが、そうしないと攻撃はスムーズにいきません。そこは強調しましたし、難しいですけどお互いが犠牲心を持ってできるのであれば、攻撃はスムーズに出られるのではないかと思います。
新井 章太
5連戦と言っても、大事なのは1試合1試合。先を考え過ぎず目の前の試合となる町田戦に勝つことを目標にトレーニングに集中しています。毎回毎回、反省点や収穫などが出て来ると思うので、一喜一憂せずにみんなで良い雰囲気を保ったままやっていきたいと思っています。
(町田には)素晴らしい選手が前線にたくさんいるので、個人の能力を把握しながらも、そこをどうつぶすかをチームに声かけしていきたいですし、攻撃がうまくいかないときにどう攻めるか、セットプレーでの得点もしっかりと考えて、みんなで一丸となって勝つための準備を頑張るだけです。
個人としては、ここまで全試合に出場させてもらう中、パフォーマンス自体は悪くはないのですが、そこまでチームが勝っていない現実があります。ゴールキーピングだったり、もっとチームをまとめていかなければと感じていますし、やれないことはないと思っています。不運な形での失点も多いのですが、何か問題はあります。例えば全体の切り替えの遅さが原因でペナルティーエリアに侵入されPKを与えてしまったり、他にも一人ひとりの判断ミスなどもあると思っています。今は耐えなければいけない時期だとも感じています。ただ、難しい試合の中でも勝点を取っていけるかどうかでこの先の順位なども変わってくるので、個人としてもチームが勝つための働きかけをしたいと思います。
山下 敬大
(連戦は)すごく楽しみで早く試合をしたい気持ちですし、勝利してみんなで喜び合いたいという思いです。タイトな連戦になりますが、「僕たちならやれる」という自信をもっています。
(前節・群馬戦で、2トップを組んだ川又選手との連係について意識している点は)攻撃でも守備でもお互いの距離感を大事にしていて、試合中も話し合いながらやれています。映像を見返してもより良くなってきていると思っています。
(町田戦は)5連戦の1試合目になります。アウェイでの戦いになりますが、勝って帰ってきたいと思っています。去年、一昨年と対戦をしましたが、スタイルが変わっている印象もありますし、またメンバーも替わっているので、しっかりと分析をして、自分たちのサッカーを表現して勝ちたいです。自分にチャンスが来たときには、(シュートを)枠に飛ばしゴールを決めたいですね。何より先制点が大事になると考えます。
ここまでの9試合を振り返ると、相手ゴール前での最後の崩しの部分がうまくいかなかったり、クオリティーの部分で足りないものがあったりしました。「フィニッシュのところで、クロスやお互いの距離感を良くして攻撃をやっていこう」と、トレーニングの中で続けているので、ゴールへのイメージは徐々にわいてきています。
[前節の布陣/町田]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/町田]
J2第5節 07/15 vs 新潟(H) 3△3
J2第6節 07/19 vs 水戸(A) 0●4
J2第7節 07/26 vs 栃木(H) 2○0
J2第8節 07/29 vs 松本(A) 2○0
J2第9節 08/02 vs 京都(A) 0●1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第5節 07/15 vs 金沢(A) 2○0
J2第6節 07/18 vs 東京V(H) 1●2
J2第7節 07/25 vs 甲府(A) 1●2
J2第8節 07/29 vs 山形(A) 0△0
J2第9節 08/02 vs 群馬(H) 1●2
[過去の対戦成績]
17/02/26 町田 0-1 千葉
17/11/05 千葉 2-1 町田
18/04/15 千葉 3-2 町田
18/08/12 町田 3-3 千葉
19/06/29 千葉 1-2 町田
19/09/01 町田 1-1 千葉