自分たちのスタイルで相手と向き合い、理想的な展開で先制点を奪った。しかしラストの20分間で流れは大きく変わり、ジェフは勝点3を手に入れることができなかった。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、チャン ミンギュ、新井一耀、安田理大の4人。中盤の底に田口泰士と見木友哉が構え、右サイドに堀米勇輝、左サイドに船山貴之が位置。2トップには山下敬大と川又堅碁が並んだ。
前半のパフォーマンスは素晴らしかった。
まずはキックオフ直後の1分、左右に相手を揺さぶり、安田のクロスから山下がヘディングシュート。13分には右サイドの攻撃から堀米がクロスを入れ、左から飛び込んできた船山がうまく身体をコントロールして振り向きざまにシュートを放った。さらに16分にはチャンのロングフィードからカウンター攻撃。船山、安田、田口とつなぎ、スルーパスに見木が反応して敵陣深くまで進入した。20分には山下のシュートのこぼれ球を堀米が拾い、ふわりと浮いたクロスに川又がヘディングで合わせた。いずれもゴールを割ることができなかったが、前線からの積極的なプレスと組織的な守備はしっかりと機能し、ジェフが主導権を握る時間が続いた。
30分には相手に決定的なチャンスを作られたが、安田のビッグプレーで失点を阻止。すると34分には左サイドから見木がクロスを入れ、川又が再びヘディングシュートを放った。しかし、このシュートの際の競り合いで相手と交錯した川又は、一度はピッチに戻ったものの回復せず42分に交代。2トップの守備が機能していただけに、ジェフにとっては痛いアクシデントだった。
それでも迎えたアディショナルタイム、右サイドでパスを受けた田口が高精度のクロスを放り込み、逆サイドから飛び込んできた船山がヘディングで合わせる。これが決まり、ジェフは最高の時間帯に待望の先制点を奪った。
迎えた後半、序盤から相手に押し込まれる時間が続いたが、ゴール前の最終局面では身体を張って守り、組織を大きく崩されることなく“耐える時間”が続いた。存在感が際立ったのは、守護神の新井章太だ。53分には相手のFKをビッグセーブ。58分には佐藤晃大のヘディングシュートを指先で止め、直後の60分にはまたしてもビッグセーブでチームを救った。
劣勢の中でもジェフはチャンスを作り、54分と57分にはカウンターから決定機を演出した。結果的には、この2つのチャンスを決めきれなかったことが結果に響いた。尹監督は70分に鳥海晃司と為田を投入して5バックへの変更を指示したが、守り切るための戦術変更はうまく機能せず、ジェフはさらに押し込まれて後手を踏んだ。
尹監督が振り返る。
「後半もいい流れだったのですが、あまりにも早く選手を交代してしまったことによって、人数は足りていても相手に揺さぶられて安定しなくなってしまったと思います。すべてにおいて、私自身の判断が少し早かったと思います」
73分にジェフの右サイドからのクロスを押し込まれて同点とされると、試合終了間際のアディショナルタイムにはCKから再び失点。相手の猛攻をしのぎ切ることができず、劇的な逆転ゴールで黒星を喫した。
尹監督は言葉を続けた。
「こういう試合を何としてもモノにできるチームを作らなければなりません。次にはまた、良い方向に変化した姿を見せられるようにしっかり準備したいと思います」
1週間の準備を経て、再び5連戦に挑む。この悔しさを、次のゲームにぶつけたい。