5連戦が連続する今シーズン、その最初の戦いを終えた手応えについて、尹晶煥監督はこう話した。
「いい感触がありますし、いい経験を積むことができたと思います。最も重要なのは、すべての選手を活用したことで、それぞれの価値がはっきりと見えたことです」
結果は3勝2敗。通算成績を6勝1分7敗としたジェフは、第14節終了時点で10位につけている。
首位に立つV・ファーレン長崎との勝点差は「13」と大きく開いているが、この5連戦では長崎、徳島、磐田ら上位陣と戦ったことで自分たちの立ち位置を把握することもできた。
もちろん十分に戦えるという感触を得たからこそ、今後の戦いではチーム戦術の浸透をさらに深め、確固たるベースを確立して手堅く勝点を積み上げる展開に持ち込みたい。
尹監督が続ける。
「選手たちの戦術理解が100パーセントの状態にあるわけではないし、それによって集中力が90分間続かないところもある。だからこそ戦術に関するコミュニケーションをさらに深め、完成度を上げなければなりません。5連戦でできなかった部分を少しずつできるようにしなければなりません」
再び迎える5連戦、その初戦の相手となるのは、現在のJ2リーグで最も波に乗っているギラヴァンツ北九州だ。
リーグ再開後の5試合は2勝2敗1分けと五分の戦績だったが、その直後から破竹の8連勝。
長崎と勝点1差の2位につけ、J3からの昇格チームでありながら、シーズン序盤のJ2リーグに大きな旋風を巻き起こしている。
チームを率いるのは、過去に大分トリニータ、モンテディオ山形、徳島ヴォルティス、清水エスパルスをJ1昇格に導いた“J1昇格請負人”小林伸二監督。
昨シーズンから指揮を執る北九州では1年目にJ3優勝を成し遂げ、今シーズンは見事な快進撃で上位に導いている。
脚光を浴びているFWディサロ 燦シルヴァーノは現在8得点。
5得点を記録している町野修斗との2トップには若さと勢いがあり、状況に応じて縦関係のポジショニングを形成するなど柔軟性もある。
中盤でゲームを作る高橋大悟はレフティーのテクニシャンで、守備力に長ける加藤弘堅との相性は抜群。
両サイドを広く使った攻撃は変化に富み、豊富な運動量で攻撃の厚みを生む。
躍進する北九州について、小島秀仁は印象を話した。
「今年J3からJ2に昇格をしてきて、とても勢いのあるチーム。一人ひとりが『やってやろう!』という気持ちを前面に出しプレーをしている選手が多い印象で、それがリーグ2位という結果につながっている」
中盤のセカンドボール争いは主導権争いを左右するポイントになるだろう。
攻守の切り替えが速い展開になれば、必然的にミスは増え、だからこそセカンドボールをより多く拾うチームにリズムが生まれる。小島が言う。
「自分たちは受け身になってはいけません。特に球際の争いは一つのキーポイントになります。そこで負けていたら試合にはならないので重要視したいですし、相手は攻撃的なチームなのでサイドバックが高く位置を取ってきたところを裏返しし、カウンターを狙っていきたい」
いい手応えを掴んでいるとはいえ、長崎と徳島には連敗を喫した。
特に徳島戦の逆転負けはショッキングな展開だったからこそ、その悔しさを“最も勢いのあるチーム”にぶつけたい。
新たに迎える5連戦は、“結果”が必要だ。そのためにアウェイの初戦できっちり勝利を手に入れたい。
尹晶煥監督
2度目の5連戦が明日から始まります。まず明日は、いま8連勝している北九州と対戦しますが、本当にいいチームだと思っていますし、なぜああいう風に勝てているのかという理由も明確なチームだと思っています。アウェイで難しい試合になると思いますが、我々も試合に負けないようにしっかり準備をしていますし、この4日間精神的にも肉体的にも選手たちは良くなったと思っています。いろいろな選手を起用できる活用法の幅も広がっているので、最大限コンディションの良いメンバーが今回(北九州戦)のアウェイメンバーに選ばれると思っています。(5連戦の)最初、良いスタートを切りたいと思っていますし、難しい相手ですが、しっかり準備をして、いい結果を持ってこられるように頑張りたいと思います。選手が相手を怖がったり自信をもっていない試合をするのであれば、結果はついてこないと思っていますし、体のコンディションもしっかり準備して整っていないといけないと思います。
相手は運動量だったり、当たり合いであったり、そういう部分が本当に強いチームですが、しっかりそれを我々も90分間できるなら、十分に良い結果を持ってこられると思っています。
小島 秀仁
試合に絡めない時期が長く、前回の5連戦で出場したことで第一歩を踏み出せた実感があります。しかしチームとして3勝2敗は満足のいく結果ではありません。ここから5連戦が続く中で、最低でも4勝しなければいけないと僕の中では思っています。必ずチャンスは来ると思うので、ここから巻き返せるようにしたいです。その中で自分がチャンスをもらった時に100%の力でチームの勝利に貢献できるよう、準備をしていきたいと思っています。
(北九州は)今年J3からJ2に昇格をしてきて、とても勢いのあるチーム。一人ひとりが「やってやろう!」という気持ちを前面に出しプレーをしている選手が多い印象で、それがリーグ2位という結果につながっていると思います。そのチームに対し自分たちは受け身になってはいけません。特に球際の争いは一つのキーポイントになります。そこで負けていたら試合にはならないので重要視したいですし、相手は攻撃的なチームなのでサイドバックが高く位置を取ってきたところを裏返しし、カウンターを狙っていきたいと思っています。
クレーベ
個人として、フィジカルトレーニングにフォーカスしていたのでコンディションは非常に良いと感じています。リーグ戦が始まる前に自分の目標を考えた時、一つの答えとして得点を狙うことを考えていましたが、今は意識を変え、まずは「みんなのために、しっかりと守り、そしてジェフのために力を使うこと」にフォーカスし、プレーしています。得点へのチャンスは自然の流れで訪れるものだと思っています。自分にとっては守備から攻撃へ移る作業は負荷のかかるものですが、そこに関しての意識の持ち方も変わってきているので気分よくプレーすることができています。
(北九州は)ボールを持っている時に何をすべきかを分かっているチームだと思っています。前線には数多くのゴールを決めているフォワードがいますし、非常によく訓練されているチームだとも感じています。自分たちは尹監督から言われたことを遂行して試合を進める中で、少ないチャンスで決め切ることが重要になりますし、絶対に失点をしてはいけないと思っています。
[前節の布陣/北九州]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/北九州]
J2第10節 08/09 vs 群馬(A) 2○1
J2第11節 08/12 vs 金沢(H) 2○1
J2第12節 08/15 vs 町田(H) 2○1
J2第13節 08/19 vs 大宮(A) 4○1
J2第14節 08/23 vs 東京V(H) 2○1
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第10節 08/09 vs 町田(A) 2○0
J2第11節 08/12 vs 松本(H) 3○0
J2第12節 08/16 vs 磐田(A) 2○1
J2第13節 08/19 vs 長崎(A) 0●2
J2第14節 08/23 vs 徳島(H) 1●2
[過去の対戦成績]
15/05/24 千葉 1-3 北九州
15/09/20 北九州 3-1 千葉
16/06/26 千葉 1-2 北九州
16/08/11 北九州 0-2 千葉