先制を許したものの前半のうちに同点弾を奪い、後半の立ち上がりに逆転。その後も主導権を握って試合を進めたが、最後の最後、アディショナルタイムにゴールを喫して勝点3を逃した。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、チャン ミンギュ、新井一耀、安田理大の4人。中盤の底に田口泰士と小島秀仁が構え、右サイドに堀米勇輝、左サイドに船山貴之が位置。2トップには山下敬大とクレーベが並んだ。
試合は序盤から動いた。ここのところ立ち上がりの時間帯にジェフの守備組織が乱れることはなかったが、7分、CKのピンチを招くとこぼれ球を増山朝陽に押し込まれて失点。一瞬の油断が招いた手痛いビハインドだった。
それでも、この日のジェフは冷静に“やるべきこと”を徹底した。最終ラインをコントロールして組織をコンパクトに保ち、いい状態でボールを奪えばカウンターに転じた。その圧力は相手に伝わり、セットプレーを獲得しながらじわじわと敵陣に押し込む。18分には右サイドから、20分には左サイドからいい攻撃を仕掛け、21分には堀米のサイドチェンジから安田がクロス。とりわけ果敢に突破を試みる堀米の存在感が際立ち、25分にはチャンのインターセプトからその堀米がドリブル突破。質の高いカウンターで相手にプレッシャーをかけ続けた。
飲水タイム後もジェフの勢いは止まらず、32分には小島のミドルシュートが右ポストを叩いた。そして迎えた42分、右サイド後方で獲得したFKを田口がファーサイドに送り込むと、待ち構えたゲリアがヘディングシュート。これがゴール右隅に決まり、ジェフが試合を振り出しに戻した。
その勢いは後半も続いた。キックオフ直後の46分には田口のインターセプトからカウンターを仕掛け、ドリブルで進入した堀米がラストパス。しかし山下のシュートはGKの正面に飛んだ。立ち上がりのこのチャンスで勢いを加速させたジェフは、57分に均衡を破る。堀米の絶妙なクロスを押し込んだのは、セットプレーのチャンスで前線に上がっていた新井一耀。見事なヘディングシュートでリードをもたらした。
65分、ジェフは堀米に変えて米倉恒貴、負傷したクレーベに代えて熊谷アンドリューを送り込むと、システムを4-1-4-1に変えて態勢を整える。70分と71分には立て続けにチャンスを作ったが、勝負を決定づける追加点を奪うことはできず。71分には小島に代えて見木友哉を投入し、前線からの守備を活性化させた。しかし――。
迎えたアディショナルタイム。長身の三國ケネディエブスを前線に入れてパワープレーを仕掛けてきた福岡に押し込まれると、90+6分、ゴール前でフアンマ デルガドに痛恨の同点ゴールを喫する。直後にタイムアップ。連敗をストップしたものの、手に入れかけた勝利は、最後の最後につかみ損ねてしまった。
尹晶煥監督が言う。
「最後の失点は集中力を欠いたというより、選手たちの足が止まってしまった。時間をもう少し有効に使えれば良かったと思います。あまりにも惜しい試合でしたが、タイトな日程の中ですぐに試合があるのでしっかり準備したいと思います」
次節はアウェイの京都サンガF.C.戦。この悔しさを、勝利につなげたい。