7試合ぶりの勝利だ。愛媛FCとのアウェイゲームは2-0の完封勝利。まさに理想的な展開で勝点3を掴み取った。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から本村武揚、チャン ミンギュ、鳥海晃司、安田理大の4人。中盤の底に小島秀仁と見木友哉が構え、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップには山下敬大と川又堅碁が並んだ。
もっとも守備時のポジショニングについては、“いつもの形”である4-4-2ではなく4-1-4-1の形を選択した。中盤の「1」に小島を置き、見木は1つ前に出て、2トップの一角と2列目の中央に入る。その理由について、尹晶煥監督はこう話した。
「最初は(小島秀仁の)1ボランチ、(見木友哉と山下敬大の)2シャドーという形でやっていたんですけれど、ちょっとうまくいかなかったので、選手たちに話をしていつもどおりの形に戻して戦いました」
幸運だったのは開始3分で先制点を奪えたことだ。左サイドで粘ってボールを奪った為田がうまく相手を引きつけながらラストパスを送り、同じく絶妙な駆け引きでマークを外した川又が流し込んだ。川又は「9割、為田の得点」と振り返った。
「合わせるのは得意なので、本当に普通にミートしただけという感じです。今まで前半の開始早々にゴールを奪われていたので、逆にこっちがそれをできたということは、すごく試合の運びとしてよかった」
その後は「1ボランチ2シャドー」の守備がうまく機能せず相手に押し込まれるが、それを察知し、ベンチとピッチがコミュニケーションを取って修正した。本村が言う。
「相手のクサビのパスを入れさせないという守り方をしていました。でも、慣れていなかったこともあってクサビが入ってしまったし、そういうタイミングでうまくスペースを使われることもあったと思います。ピッチの中では相手のやり方に対して2シャドーの守備より4-4-2のほうがハマりやすいと中で話していて、尹さんも途中で同じことを言ってくれたので自分たちで修正しました」
迎えた前半終了間際、その本村がペナルティエリア内に進入すると果敢に突破を試み、相手に倒されてPKを獲得する。これを川又が冷静に決めてリードを2点に広げた。本村が言う。
「相手が3バックであることは知っていたので、ウイングバックが上がったところのスペースが空くと思っていました。だから、ボランチが前を向いた段階で自分が高い位置を取れれば裏を取れるんじゃないかなと。右サイドハーフの(矢田)旭さんと話していましたし、それがうまくできました」
後半、守備の修正がうまく機能したジェフは、いくつかのピンチを迎えながらも最後はゴール前で身体を張り、集中力を維持して失点を防いだ。攻撃面ではカウンターからチャンスを作り、苦しい時間帯に押し返すこともできた。68分には矢田に代えて船山貴之、76分には川又に代えてクレーベ、鳥海に代えて岡野 洵、本村に代えてゲリアを投入し、チーム一丸となって勝利を目指した。
尹監督も充実の表情を見せた。
「選手たちの気持ちがすごく入った試合で、2-0で、クリーンシートで勝ったことはすごく嬉しいし、選手たちにはそういう言葉を伝えたいと思います。最後まで、集中して戦ってくれたのでこういう結果につながったと思います。それと、本当にみんなが闘志を見せて、戦う姿勢をすごく見せてくれていたので、これが次につながるように頑張っていきたいと思います」
かねてから「きっかけにしたい」と話していた試合で結果を残すことができた。この大きな勝点3を持ち帰って、1週間後のファジアーノ岡山戦に臨む。