まさかの5失点を喫したジェフは、水戸ホーリーホックに完敗。力の差を見せつけられた90分間だった。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から本村武揚、チャン ミンギュ、鳥海晃司、安田理大の4人。中盤の底に田口泰士と見木友哉が構え、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップにはクレーベと船山貴之が並んだ。
まずは2分、ジェフは左サイドの為田のクロスから矢田が落として田口がミドルシュート。テンポのいい攻撃で最初のチャンスを作ったが、その後が続かず主導権は水戸に移った。
水戸は8分に木村祐志が、10分に山口一真がミドルシュート。基本システムはジェフと同じ4-4-2だが、ビルドアップ時はMF木村祐志が最終ラインに下りて組み立て役を担い、そのエリアでジェフの2トップに対して数的優位を作ると細かいパスワークでボールを前に運んだ。ジェフは20分、田口の縦パスを船山が落として見木が左サイドへ展開。為田がクロスを入れるいい攻撃を見せたが、この直後に連続失点を喫する。
23分にはこぼれ球を拾った木村祐志に強烈なミドルシュートを蹴り込まれて先制点を奪われると、直後の26分には山口一真のミドルシュートを新井章太が弾き、それを村田航一に押し込まれて失点。いずれも決して簡単ではないミドルシュートからの失点は防ぐのが難しかったかもしれないが、この時間帯に連続失点するところにチームの厳しい現状が垣間見えた。
その後の時間帯、ジェフは猛反撃を見せた。30分には安田が左サイドから、33分には本村が右サイドからクロス。34分には為田のドリブル突破からチャンスを作り、クロスに船山が合わせたが枠を外れた。さらに35分には安田のクロスから為田のヘディングシュート。37分にはFKのチャンスから最後はチャンが決定機を迎えたが決め切れず、40分には本村のクロスから船山がシュートを放ち、さらに42分には素晴らしいカウンター攻撃から最後はクレーベが決定的なヘディングシュートを放った。
しかし、そのどれもがゴールネットを揺らさなかった。アディショナルタイムにPKから3失点目を喫したジェフは、3点のビハインドを負って後半に向かった。
時間は多く残されていたが、それでも流れを引き戻すことはできなかった。
59分にはボール奪取から攻撃に転じようと縦パスを入れたが、そこを相手に狙われて再びボールを奪われ、クロスを放り込まれる。セットプレーの流れからゴール前に残っていた水戸のDFンドカ ボニフェイスにヘディングシュートを決められて4失点目。さらに65分には右サイドからクロスを放り込まれ、山口一真に技アリのゴールを決められて0-5となった。
67分には途中出場の堀米が得意の形からゴールを決めて1点を返したが、反撃はここまで。ホームでの5失点大敗という最悪の結果に終わった。
尹晶煥監督は「相手との力の差」についてこう話した。
「選手たちは90分間努力してくれたと思います。しかし相手との大きな差を見せてしまいましたし、この一週間何をやってきたのかと感じるくらいの信じられない差があったと思います。もう一度奮起して、また次の試合に向けた準備をしたいと思います」
一矢報いるゴールを決めた堀米は、厳しい表情でこう話した。
「いくら引きずっても時間は戻らないので、次に何をするかが大事だと思う。でも、この敗戦は絶対に忘れちゃいけないと思います。ホームで5失点はあり得ない。そこはしっかり、チームとして受け止めてもう1回選手みんなでまとまってやっていきたいと思います」
その言葉のとおり、試合は続く。下を向いている時間はない。