水戸ホーリーホックをホーム・フクアリに迎えた前節、ジェフはまさかの5失点で屈辱的な大敗を喫した。試合後、尹 晶煥監督は選手たちに次のような言葉をかけたという。
「大敗するときもあるけれども、何が悪かったのかそれを自分たちで考えないといけないということと、試合のコンディションをしっかり自分で管理しないといけない、その中でもやることをしっかりやらないといけないということをまず伝えました」
立ち上がりこそアグレッシブな姿勢を見せて互角の展開を見せたものの、23分に先制点を奪われると直後の26分にも追加点を献上した。前半のラスト15分間は圧倒的な攻勢を示したが、結局ゴールを奪えずラストプレーでPKを与えて3失点目。守るべきところで守れず、決めるべきところで決められない悪循環が結果に直結し、途中出場の堀米勇輝のゴールで一矢報いるのが精いっぱいだった。
もちろんこの敗戦のショックは小さくない。為田大貴はこう話した。
「うまくいっていない理由がある。失点をしないチーム作りをしている中で失点が多いというのは、チームとして我慢して守備をしているぶんつらい部分もあります」
もっとも、こういう時にこそ気持ちを切り替え、チーム一丸となってポジティブなきっかけとしなければならないことは全員がよく理解している。尹監督自身も、指揮官としての自身が取るべき態度についてこう話した。
「自分がまずブレずに、自分がやりたいことを負けても悪くても続けていくことが大事だと思っています。うまくいかないからといって、変にフォーメーションを変えたり、いろいろ変えたりすると、選手が迷ってしまうので、やることは変わらないようにしていきたい」
今は我慢の時。敵地で挑む大宮アルディージャ戦は、チームとしての忍耐力が問われるゲームとなるだろう。
状況は違えど、J1昇格候補の有力チームである大宮も、本来の力を発揮できずに苦しんでいる印象だ。第25節終了時点では、ジェフとの勝点差「3」の12位。最近5試合は2勝1分2敗と星を五分に戻したが、8月には4連敗を喫するなど足踏み状態が続いた。ここ2試合は攻撃面で結果が出ておらず、ジェフと同様に得点力が課題とされている。
とはいえ、リーグ再開後の初戦で体感したこのチームのタレント性は強烈だ。最前線には横浜FCからイバが加入。前回対戦で圧倒的な存在感を示したイッペイ シノヅカは依然として好調で、最終ラインの個の能力も極めて高い。為田が言う。
「(大宮は)失点が少ないチームだったんですけど、失点しているシーンが今年は多いと感じています。ウチもそうですけど何かしらの隙があったりうまく連動できていなかったりする部分があると思うので、自分たちもいつも以上に攻撃で人数をかけられれば得点できる機会も増えてくる」
見木友哉は相手の個の能力にスポットを当てた。
「個人で力をもっている選手が多く、後ろからボールを大事につないでくる印象です。ドリブルで力を持っている選手もいますし、フォワードには体の強い選手もいるので、そういったところに注意しながらやっていければと思います」
難しい状況にあるからこそ、気持ちが伝わるプレーで勝利を手に入れたい。ショックの大きな敗戦の直後だからこそ、ここでどういう戦いを見せるかが大事だ。
尹晶煥監督
(水戸戦の敗戦を受けて、選手には)大敗するときもあるけれども、何が悪かったのかそれを自分たちで考えないといけないということと、試合のコンディションをしっかり自分で管理しないといけない、その中でもやることをしっかりやらないといけないということをまず伝えました。選手それぞれの気持ちを一人ひとりから確認はできていませんが、ショックは受けていると思います。ただどこまで選手がそのショックを受け入れて、次につなげていくかは明日になってみないと分からないですね。
(大宮戦は)結果は別にして、やりたいことをもっと徹底してやらないといけないなと思います。結果は自分たちのサッカーができればうまくついてくると思うし、それができなかった場合は、この前の(水戸戦の)ような結果になってしまうと思うので、まずはしっかり切り替えて戦わないといけないと思っています。チームがやりたいことを毎試合やるのはすごく難しいのですが、そういう風にしないと成長はないと思うので、あまりブレずにやり続けることが大事だなと思います。
為田 大貴
大宮に対しては、前回対戦(第2節)で負けています。調子が上がっていないチーム同士になりますし、相手も何らかの問題を抱えていると思うので、僕らが勝つチャンスはあると思います。ただ僕らにもうまくいっていない理由がある。失点をしないチーム作りをしている中で失点が多いというのは、チームとして我慢して守備をしているぶんつらい部分もあります。クロスからの失点がちょっと多い気がしていて、もちろん中で競り負けているのもありますけど、僕たちみたいなサイドの選手がクロスを上げさせているのも原因だと思っています。まずはボールホルダーにしっかりチェイシングに行くことが大事になるし、大宮も中に大きい選手が多いので、自分たちはクロスを上げさせないようにスライドを心がけながらやっていきたいと思います。
(大宮は)失点が少ないチームだったんですけど、失点しているシーンが今年は多いと感じています。ウチもそうですけど何かしらの隙があったりうまく連動できていなかったりする部分があると思うので、自分たちもいつも以上に攻撃で人数をかけられれば得点できる機会も増えてくるでしょう。アグレッシブなところを見せられればと思います。
見木 友哉
思い切りの良さが欠けていると自分自身も思いますし、もっと思い切り良くミドルシュートなどを自分が打っていければと思います。(先発出場が続いているなかで)もっとできると自分は思っていますし、前節・水戸戦で言えば、(奪われては)いけないところでボールを奪われてしまっているので、まずはそういうミスを減らして、いかに縦パスをつけられるか。そして、シュートを打つこともそうですけど、もっとゴールに絡んでいきたいという気持ちはあります。守備でもまだやるべきことはありますが、もっと攻撃で違いを生み出さなければいけないと思っています。自分としてもそれが特長だし、それができると思っているので、そういうシーンを作っていきたいです。
(今節・大宮戦の会場であるNACKは)去年、初ゴールを決めたスタジアムで、思い出はあります。次の試合でもゴールを決められれば、自分にとってもプラスになると思います。(大宮は)個人で力をもっている選手が多く、後ろからボールを大事につないでくる印象です。ドリブルで力を持っている選手もいますし、フォワードには体の強い選手もいるので、そういったところに注意しながらやっていければと思います。
[前節の布陣/大宮]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/大宮]
J2第21節 09/23 vs 徳島(H) 1●2
J2第22節 09/26 vs 京都(A) 4○2
J2第23節 09/30 vs 水戸(H) 2○1
J2第24節 10/03 vs 東京V(A) 1●3
J2第25節 10/10 vs 栃木(H) 0△0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第21節 09/23 vs 山口(H) 1●2
J2第22節 09/27 vs 琉球(A) 1○0
J2第23節 09/30 vs 京都(H) 0△0
J2第24節 10/04 vs 群馬(A) 0●1
J2第25節 10/10 vs 水戸(H) 1●5
[過去の対戦成績]
18/05/06 大宮 0-1 千葉
18/07/07 千葉 1-3 大宮
19/04/28 千葉 0-0 大宮
19/08/18 大宮 2-1 千葉
20/06/27 千葉 0-1 大宮