大敗の後の難しい試合だった。それでも、個の能力の高い大宮アルディージャの攻撃を最後まで守り抜き、スコアレスドローで貴重な勝点1を獲得した。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、チャン ミンギュ、鳥海晃司、安田理大の4人。中盤の底に田口泰士と熊谷アンドリューが構え、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップには船山貴之と山下敬大が並んだ。
中盤での激しい主導権争いと積極的なプレスが繰り広げられた結果、特に前半は両チームとも攻撃面でミスの目立つ展開だった。大宮は6分、右サイドのスローインから中央にボールを運び、黒川淳史がラストパス。ジェフにとってはピンチの場面だったが、ここは鳥海がうまく身体を入れて対応した。
守備の狙いについて、その鳥海はこう振り返っている。
「相手が3バックだったので、相手のシャドー(2列目)の選手をセンターバックがしっかり掴みに行って、タメくん(為田)が相手のウイングバックに対して前から守備に行けるようにということを意識していました。前からハメに行かないと後ろでつながれて後手に回ってしまうとわかっていたので、とにかくタメくんと(矢田)旭さんのところがしっかり前から行けるように」
前半のジェフのチャンスは28分のシーン1度だけ。高い位置からプレスをかけて相手のパスミスを誘うと、中盤でボールを奪ってショートカウンターを仕掛ける。船山が右に展開して田口がクロスを入れると、飛び込んだ船山がヘディングシュートを放った。しかしこれはGK正面に飛んだ。ジェフは43分にミスからピンチを招き、黒川のラストパスからイバにボレーシュートを放たれるが、これは安田が身体を張ってブロック。両者とも相手ゴール前になかなかボールを運べない展開で、スコアレスのまま前半を折り返した。
しかし迎えた後半は、開始直後の時間帯に両者ともチャンスを迎える。
46分は大宮。前半から再三チャンスに絡んでいる黒川が狙いすましたミドルシュートを放ち、わずかに左に外れたもののジェフにとっては危ないシーンだった。しかし直後の47分、またしても高い位置でボールを奪うと、右サイドからクロスを入れ、こぼれ球に反応した船山がシュート。決定的なシーンだったが、GKのファインセーブに阻まれてゴールを奪うことができなかった。その後は再び大宮が主導権を握り、ジェフにとっては我慢の時間が続いた。
尹 晶煥監督は78分、矢田に代えてアラン ピニェイロ、為田に代えて堀米勇輝を投入し、両サイドの活性化を促す。終盤の89分にはその堀米がいい形からクロスを入れたが惜しくもフィニッシュまで持ち込むことができず。4分間のアディショナルタイムは大宮に押し込まれながらもなんとか失点を回避し、そのままタイムアップを迎えた。
尹監督は次のように振り返った。
「前節の試合で大量失点をしたことで、まずは守備面を改善しなければならないと考えていました。(スタメンの)何人かの選手の交代によって、ディフェンスの面では90分通して集中できたと思います。ただ、いい守備からいい攻撃につなげられなかった部分が課題として残ると思いますし、アウェイで勝点1を拾ったことに大きな意味があると思っています」
次節は中2日でホームに戻る。この手応えを、次に生かしたい。