終盤の2失点による逆転負け。勝負の難しさと厳しさを突きつけられた試合だった。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から本村武揚、チャン ミンギュ、鳥海晃司、安田理大の4人。中盤の底に小島秀仁と見木友哉が構え、右サイドに矢田 旭、左サイドに為田大貴が位置。2トップには船山貴之と山下敬大が並んだ。
互いに4-4-2のフォーメーションで“構える守備”を選択した両者の対戦は、静かな立ち上がりからスタートした。
試合が動いたのは6分。左サイドから仕掛けたジェフは、中にパスを通して矢田の足下につなぐ。トラップが大きくなったところを相手に突かれたが、それを拾った山下が巧みなコントロールから豪快に反転シュート。これがゴール左隅に決まり、ジェフが先制ゴールを奪った。
ところが直後の9分、ジェフ最終ラインの背後を狙った岡山のロングボールに対して鳥海がうまく対応したかに見えたが、ファウルの判定によって岡山にPKが与えられた。これを岡山の司令塔、上田康太に決められて1-1。試合は振り出しに戻った。
両者ともボールロストのリスクを避けるように手堅くボールをつなぎ、ロングボールを使いながら局面の打開を試みた前半は、互いに牽制し合う難しい展開が続いた。24分にはジェフの左サイドから突破を許して決定的なピンチを招いたが、岡山の白井永地のシュートはゴールの上。28分にはやはりロングフィードから最終ラインの背後を狙われるが、ここは鳥海が持ち前のスピードでうまく対応した。ジェフは何度かテンポのいいパスワークからチャンスを作りかけたが、フィニッシュに持ち込むことはできなかった。試合は1-1のまま、後半に突入した。
その立ち上がりから主導権を握ったのは、攻撃面で劇的な改善が見られたジェフだった。特に左サイドでは見木、為田、安田がテンポよくボールを動かしながら敵陣にスペースを作り出し、そこに船山が飛び込んでクサビのパスを受けた。後半は相手のギャップに飛び込む船山の動きが見事にハマり、ジェフはそこを起点とする攻撃で相手を押し込む。68分には小島に代えて高橋壱晟、矢田に代えて堀米勇輝を投入し、全体を活性化。その7分後に勝ち越し弾となる追加点は生まれた。
75分、プレスバックによる守備でハーフウェーライン付近で山下がボールを奪うと、パスを受けた船山がドリブルで独走。相手を引きつけてラストパスを送り、後方から走り込んだ高橋が見事に蹴り込んで2点目を奪った。しかし、1点のリードで迎えた試合終盤、まさかの2失点で逆転負けを喫する。
まずは87分。相手のキーマンと見ていた上門知樹に同点ゴールを決められると、アディショナルタイムの90+4分には右サイドからクロスを放り込まれ、イ ヨンジェにヘディングで押し込まれて3失点目を喫した。尹晶煥監督はこう振り返った。
「時間が経つほど集中力が落ちてしまう部分があって、試合運びの部分で“巧者”になれなかった。もったいない部分がたくさんあった試合でした」
次節は中2日。ホームに戻って愛媛FCを迎え撃つ。