ショッキングな大敗から2日、尹 晶煥監督は「切り替えなければ」と前を向きながら、静かに振り返った。
「始まって10分くらいは良い流れだったんですけど、そのあとから少しずつ崩れてしまって、30分を過ぎて失点したところからけっこう崩れてしまったというか、バラバラになってしまった」
敵地で圧力をかけ続けた山形に対し、ジェフは最後まで応戦し、そのプレッシャーを跳ね返すことができなかった。佐藤寿人の意地の一発はあったものの、力の差を見せつけられる完敗だったと言っていい。それでも、これで終わりじゃない。中2日でやってくる次のゲームに勝利してこの悔しさを少しでも晴らすためには、頭と身体を切り替え、万全の準備を整えなければならない。指揮官が続ける。
「負けた試合は悔しいですけど、もう(試合は)終わったので、前を向いて進まないといけないと思っています」
迎える今節の相手は、松本山雅FCだ。勝点はジェフと並ぶ「36」。9月25日に柴田峡新監督が就任すると、守備の整備に着手して着実に勝点を積み上げ始めた。その成果は結果となって表れており、最近5試合は3勝2分と負けなし。3-5-2システムのタイトな守備をベースとしつつ、両サイドを広く使ったカウンター攻撃でわずかなチャンスを仕留める。そうした戦い方がしっかりと確立されつつある。チームとしての“スタイル”である堅守速攻を取り戻した印象だ。
この5試合の結果を見ればわかるとおり、失点はわずか「2」、クリーンシートが3試合と守備における充実感は相当のものだ。前節は首位争いを演じるアビスパ福岡とのアウェイゲームに挑み、後半開始早々に奪ったゴールを最後まで守り抜いて快勝。柴田監督は「得点力が課題」と話しているが、それを補って余りある守備力でJ2リーグ屈指の強豪を退けた。その印象について、ゲリアが言う。
「監督が代わり、サッカーも変わった印象を持っています。特に守備のところは修正されて強化され、ここ数試合は負けていません。失点も少ないので、間違いなく厳しくタフなゲームになるという予想がつきます。ただ自分たちがやらなければいけないのは、勝つということを信じてプレーすることなので、そういった気持ちをもって臨めればと思います」
そうした特徴をしっかりと把握した上で、見木友哉は「自分たち」が見せるべき姿勢についてこう話した。
「自分たちが変わらなければいけない。そこは前節の敗戦で悔しい思いをみんなが持ったと思うので、この松本戦からチームが変われるように気持ちのこもった試合を見せられればと思っています。一つ勝てば自信になりますし、今、チームに必要なのは勝利だけだと思うので、ここで勝ってチームの流れを変えられればと思います」
サッカーで味わった悔しさは、サッカーで取り返すしかない。大きな失望を味わった直後のゲームだからこそ、チーム一丸となって意地を示さなければならない大切な90分になる。
尹晶煥監督
(山形戦から2日が経ち)切り替えないといけないですよね。負けた試合は悔しいですけど、もう(試合は)終わったので、前を向いて進まないといけないと思っています。
(山形戦は)始まって10分くらいは良い流れだったんですけど、そのあとから少しずつ崩れてしまって、30分を過ぎて失点したところからけっこう崩れてしまったというか、バラバラになってしまったという感じでした。前半が終わって、(ハーフタイムに)そういう話もしたんですけど、なかなか変えられなくて、ああいう負け方をしてしまいました。これからどういう風に(チームを)作っていったほうがいいのか、そういうところをもっと考えなければいけないと思いました。
(松本は監督が代わって)守備のところを改善してきて、カウンターで両サイドが仕掛けることが多くなってきているなと思います。(それに対して)自分たちがやりたいことは組織的な守備なので、それをまず忠実にしないといけないなと思います。
ゲリア
個人としてできるのは、闘う姿勢を見せること。選手一人ひとりが強い気持ちを持って、そういったところを見せていきたいです。それが少しでもチームの自信につながればいいと思っています。
(松本は)数ヶ月前に試合をしたときから監督が代わり、サッカーも変わった印象を持っています。特に守備のところは修正されて強化され、ここ数試合は負けていません。失点も少ないので、間違いなく厳しくタフなゲームになるという予想がつきます。ただ自分たちがやらなければいけないのは、勝つということを信じてプレーすることなので、そういった気持ちをもって臨めればと思います。
チームとして失点している流れがあるので、(守備面では)まずはサイドバックとして、無失点に貢献することです。ディフェンダーという意識を持って強くプレッシャーに行くことや、球際に行くことをこだわってやっていきたいと思っています。(攻撃面では)フォワードとサイドハーフとボランチのところを助けるために、ポジションを微妙に変えつつ高い位置を取っていくのが今のサイドバックのやり方なので、それは引き続きやっていきたいですし、チャンスがあればゴールにつながるプレーをやっていきたいです。
見木 友哉
一人ひとり、もっとできる能力を持っています。それが今は上手く嚙み合っていないと思うのですが、(山形戦では)自分が出たら積極性を見せてゴールに関わる仕事をしたかったです。ゴールを目指してプレーしていましたが、得点も取れなかったので悔しかったです。でもすぐに試合が来るので、切り替えてやっていきたいと思います。
(松本は)以前の監督のときには、後ろからボールをつないで組み立てるイメージがありましたが、(現在は)監督も代わり、つなぐときはつなぎますが、そこまで無理をせず、できるだけ早くアタッキングサードに入ってくるというイメージがあります。セルジーニョ選手など個の能力がある選手も多いので、そういうところは注意したいです。(考えることが)相手ばかりになるだけでなく、自分たちが変わらなければいけない。そこは前節の敗戦で悔しい思いをみんなが持ったと思うので、この松本戦からチームが変われるように気持ちのこもった試合を見せられればと思っています。一つ勝てば自信になりますし、今、チームに必要なのは勝利だけだと思うので、ここで勝ってチームの流れを変えられればと思います。
[前節の布陣/松本]
[前節の布陣/ジェフ]
[最近5試合の戦績/松本]
J2第28節 10/21 vs 大宮(H) 1△1
J2第29節 10/25 vs 北九州(A) 1○0
J2第30節 11/01 vs 山口(H) 2○1
J2第31節 11/04 vs 栃木(H) 0△0
J2第32節 11/08 vs 福岡(A) 1○0
[最近5試合の戦績/ジェフ]
J2第28節 10/21 vs 金沢(H) 2○0
J2第29節 10/25 vs 福岡(A) 0●1
J2第30節 11/01 vs 岡山(A) 2●3
J2第31節 11/04 vs 愛媛(H) 1△1
J2第32節 11/08 vs 山形(H) 1●5
[過去の対戦成績]
17/03/19 松本 3-1 千葉
17/10/14 千葉 5-1 松本
18/06/23 松本 4-2 千葉
18/08/04 千葉 2-3 松本
20/08/12 千葉 3-0 松本