今シーズンのジェフが目指す“ベース”が見事に発揮された、理想的な勝利だった。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、新井一耀、鳥海晃司、安田理大の4人。
中盤の底に田口泰士と高橋壱晟が並び、右サイドに堀米勇輝、左サイドにアラン ピニェイロが位置。
2トップには船山貴之とクレーベが並んだ。
立ち上がりの10分はジェフのペース。しかしその後はポゼッションスタイルを特徴とする新潟が主導権を握った。
20分にはセットプレーからピンチを招き、新潟のDF田上大地にシュートを打たれるが身体を張ってブロック。
組織的な守備からのカウンターを狙うジェフは、直後の22分に左サイドからチャンスを作り、さらに23分には右サイドからカットインした堀米がミドルシュートを放った。
ボール支配率は新潟が60%を超える展開だったが、ジェフは努めて冷静に、ブロックを安定させてカウンターを狙った。
完成度の高い守備を披露することができた反面、なかなかチャンスを作れなかった攻撃面においては後半の立ち上がりから改善が見られた。
前線からのプレスの強度を1段階上げたジェフは、後半開始直後の47分、田口のインターセプトから始まったショートカウンターで最後はクレーベが決定的なシュートを放った。
この攻撃で勢いに乗ったジェフは徐々に相手を押し込み、迎えた55分にやや左寄りの位置でFKを獲得。
堀米のキックをファーサイドでクレーベが潰れ役となり、こぼれ球に反応したゲリアが空中戦に競り勝つと、セカンドボールを拾った新井一耀が冷静にバックパス。
待ち構えたアラン ピニェイロが豪快に右足を振り抜き、ゴール右隅に突き刺さる先制点を奪った。
60分には自陣深くからのロングボールでチャンスを作り、アラン ピニェイロがシュートに持ち込む。
64分には堀米に代えて米倉恒貴を投入して活動量を増やした。
新潟は積極的な選手交代でシステムを変更してきたが、そうした変化にもジェフは最後まで冷静に対応し続けた。
そして迎えた81分、前線でのボール奪取からショートカウンターで決定機を作り、最後は飛び出したGKをかわしたクレーベが追加点。実質的には、勝負を決める2点目だった。
82分には“3枚替え”によってシステムを5-4-1に変更したジェフは、ラスト10分を最後まで守り抜いて勝点3を獲得。
今シーズン3度目となる2連勝で5連戦を締めくくった。
尹監督が振り返る。
「FWはもちろんのこと、中盤の真ん中の2人のスライドも素晴らしかったと思います。
また、今日の試合に関しては、相手のボールホルダーに対するアプローチも良かったですね。
距離感が良く、前を向いて前進していく守備ができました。前節の松本山雅FC戦もそうでしたが、
守備の意識は非常に高まってきていると感じています。(新潟との)前回対戦で起きたミスについても、うまく修正することができました」
最後の砦として守備を支えたGK新井章太も充実の表情を見せた。
「自分たちは守備のチームなので、我慢するところでしっかり我慢して。我慢をしていれば、いつか攻撃で必ずチャンスが来るので。
そういう部分をみんなで統一してやっていきたいと思います」
1週間の“間”を取って、次節はフクアリに舞台を戻す。
首位を争うV・ファーレン長崎から勝点3を奪って、この勢いを“本物”にしたい。