集中力を切らさず敵地で勝利！

2-1という僅差の勝利だったが、内容には十分な手応えを感じる90分だった。

スタメンの顔ぶれは前節V・ファーレン長崎戦と同じ4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右からゲリア、新井一耀、鳥海晃司、安田理大の4人。中盤の底に田口泰士と熊谷アンドリューが構え、右サイドに堀米勇輝、左サイドにアラン ピニェイロが位置。2トップにはクレーベと船山貴之が並んだ。

前半のジェフは、右サイドMFの堀米を起点とする攻撃からいくつものチャンスを作った。まずは7分。組織的な守備でボールを奪うとカウンターに転じ、堀米がドリブルで運んで右サイドに流れた船山にパス。クレーベへのラストパスは惜しくも合わなかったが、この攻撃でリズムを掴んだジェフはその後も攻勢を強めた。

10分、CKのチャンスからゲリアが競り合い、こぼれ球を堀米がヘディングシュート。そのこぼれ球に再び堀米が反応してシュートを放つがゴール右に外れる。18分には左CKを獲得し、ニアサイドに走り込んだ新井一耀がヘディングシュート。さらに23分にはFKからゲリアがヘディングで折り返し、クレーベがボレーシュートを放つなどチャンスが続いた。

その後も連続してセットプレーを奪ったジェフは、37分、堀米のFKをクレーベが折り返し、鳥海がヘディングシュート。こぼれ球をつないで再び鳥海がシュートを放ったが、わずかにゴールの枠を外れた。前半はスコアレスに終わったものの、主導権を握ったジェフはボール支配率でもシュート数でも相手を上回った。待望の先制点は、いい手応えを感じながら迎えた後半の立ち上がりに生まれた。

52分、前半から再三チャンスを作っていた堀米がドリブルシュート。相手にブロックされて高く浮いたボールを、クレーベが打点の高いヘディングでゴール左隅に流し込んだ。クレーベが振り返る。

「ファーサイドにボールが来るだろうと予測していましたし、予測どおりのボールが来ました。あとは自分の特長である高さを生かしてヘディングをして、うまく逆サイドネットに入れることができたので良かったと思います」

先制後は意識が守勢に回って相手に押し込まれる時間が続いたものの、ジェフは集中力を切らすことなく、努めて冷静に相手の攻撃を跳ね返し続けた。だからこそ、68分に一瞬の隙を突かれて喫した失点は“余計”だった。熊谷アンドリューが言う。

「押し込まれる時間が続いていたので、あそこはやっぱり、自分も含めてチーム全体を落ち着かせられるようにしないと。自分たちのペースでボールを持って、簡単に相手に渡さないことが大事だなと」

1-1で迎えた75分、尹監督は川又堅碁、矢田 旭、見木友哉を投入する3枚替えで勝負に出た。そして迎えた81分、相手GKのミスキックに反応した熊谷がインターセプトに成功すると、それを拾った田口が冷静にラストパス。走り込んだクレーベが右足で決めて勝ち越しゴールを奪った。試合終盤、GK新井章太を中心とする冷静な守備で相手の猛攻を跳ね返し続けたジェフは、敵地で勝点3を奪うことに成功した。

中3日で迎える次節の相手はジュビロ磐田。最近4試合で3勝を挙げている現状の手応えを感じながら、来シーズンへとつながるチームのベース作りをしっかりと進めたい。