新型コロナウィルス感染症の陽性判定が出たことに伴う難しい状況の中で、それでもジェフは、敵地で行われた東京V戦を1-1のドローで乗り切り、勝点1を手に入れた。
スタメンは4-4-2の布陣。GKは新井章太。最終ラインは右から増嶋竜也、新井一耀、鳥海晃司、下平 匠の4人。中盤の底に田口泰士と熊谷アンドリューが並び、右サイドに堀米勇輝、左サイドにアラン ピニェイロが位置。2トップにはクレーべと船山貴之が並んだ。
スタメン出場は8月19日のV・ファーレン長崎戦以来となる増嶋の右サイドバックでの起用について、尹 晶煥監督はこう話した。
「ヨネ(米倉恒貴)は90分走れるコンディションではないと考えていたので、逆にマスをスタートから90分間使えれば、ヨネを前のポジションで使うことができると判断しました」
ポゼッションスタイルを特長とする東京Vに対し、ジェフは4-4-2のブロックをやや低い位置に設定して冷静な対応に努めた。対する東京Vは構えるジェフの崩し方を探る時間が続き、互いに慎重な立ち上がりは20分まで続いた。
ジェフの攻撃は23分。下平のスルーパスに抜け出した船山がシュートを放つと、相手に当たってCKを獲得。堀米のCKから新井一耀がボレーシュートを放ち、さらに続いたCKの流れからアラン ピニェイロがヘディングシュートを放った。
32分には東京Vの佐藤優平のスルーパスからピンチを招き、小池純輝にボレーシュートを打たれるがこれはゴール上。しかし大きなピンチはそれくらいで、終盤の39分にはクレーベのポストプレーからアラン ピニェイロがシュート。42分にはCKのこぼれ球をつないで田口のクロスからクレーベがフィニッシュに絡むなど、冷静な試合運びでいくつかのチャンスを作った。
しかし、後半の立ち上がりは戦い方を修正してきた東京Vに主導権を握られる。ジェフも前からのプレスを見せて応戦すると前半よりオープンな展開となり、両者が交互にゴール前に迫る時間帯が続いた。しかし迎えた69分、奪ったボールを奪い返され、佐藤優平のスルーパスが井上潮音に通り、最後は後半から途中出場してきた藤田譲瑠チマに決められて失点。何としても手に入れたかった先制点を奪われてしまった。
それでも、この日のジェフは最後まで諦めない姿勢を見せた。75分過ぎに連続攻撃を仕掛けて相手を押し込むと、迎えた83分、田口のミドルパスで背後に抜けた途中出場の為田大貴がスピードに乗って左サイドを突破。グラウンダーのクロスを放り込み、そこに飛び込んだクレーベが相手ともつれながらゴールに押し込んだ。
為田が振り返る。
「スピードを殺さないような背後へのボールが出てきましたし、それを自分のスピードを生かしながら、ドリブルのコース取りもうまくできたと思います」
試合はそのまま1-1のドローでフィニッシュ。尹監督は「最後まで諦めない姿は素晴らしかった」と選手たちを称賛した。
今シーズン最後の5連戦は、次のゲームがラスト。相手はヴァンフォーレ甲府。ホーム・フクアリで、ファン・サポーターと勝利の喜びを共有したい。